2010年03月12日

茨城空港が開港! 全国で98番目の空港

3月11日、日本で98番目となる茨城空港が開港しました。第一便となったのは、スカイマークのチャーター便である神戸行きで予定より約40分遅れの10時46分に飛び立ちました。開港時に国内線の定期便がないという異例の事態での出発となった茨城空港について今回は紹介します。

茨城空港は、いわゆる地方公共団体が設置する地方管理空港(旧第三種空港)とは違ってきます。1から作った空港ではない、といえばピンとくる方も多いかと思いますが、もともと航空自衛隊の百里飛行場を民間共用化した共用空港なのです。民間利用にあたって、滑走路を百里飛行場の既存滑走路の西側に新設し、あわせて駐機場やターミナルビルが整備されました。

官民共用空港の管理は、国が管理することとなりますので、茨城空港の工事費用は国が3分の2を負担していますので、約220億円の基本施設工事費用のうち茨城県は約70億円の拠出となっています。また、今後の管理も国が行うため茨城県が負担する金額は少ないと見込まれ、ローコスト(地方公共団体にとってですが)空港として注目されています。

羽田、成田に続く首都圏の3番目の空港となった茨城空港ですが、先ほども触れましたが開港時に国内線の定期便が就航していないことなど、先行き不安ななかでのオープンとなりました(4月にスカイマークが神戸線を就航します)。それでは首都圏での茨城空港の役割は何かということになりますが、それは「LCC対応空港」ということになるかと思います。LCCとはLow Cost Carrierの略で、本ブログでも何度も紹介しています“格安航空会社”のこと。LCCは、格安運賃を提供するためにさまざまなコスト削減を行っていますが、そのひとつに主要空港を利用するのではなく、いわゆる地方空港を利用してコストを削減しているということがあります。なぜ地方空港か?ということですが、地方空港は発着時間の融通が利いたり、空港使用料が安かったりするのです。もちろん茨城空港もそのとおりで、国際線の着陸料は格安に抑えられていて、成田空港と比較して約3~5割りほど安く、チャーター便においては、半分以下という設定になっています。

開港日である3月11日も現在唯一の定期便であるアシアナ航空の茨城/仁川線、チャーター便では、日本航空グループの茨城/ホノルル線、復興航空の茨城/台北線など5機9便のフライトが組まれ、今後も海外チャーター便は何便が組まれています。これを見ると海外のLCCにはある程度のアピールができたといえ、今後のLCCの海外定期便、チャーター便の需要増には希望が見えます。

空港自体もローコストを実現していて、コンパクトな空港ターミナル、収容台数1,300台の駐車場の無料化、ボーディングブリッジを必要としない設計、プッシュバックせずとも自走しながら方向転換することができるために折り返し時間が短縮できるなど、LCC対応空港としてのアピール点は散りばめられています。

ただし解決しなければならない難点もあります。それはアクセスの悪さ。茨城空港は、東京都心から約80キロ、霞ヶ浦の北側に位置していますが、鉄道は乗り入れておらず、JR常磐線石岡駅からバスで約35分かかり、それ以外のアクセスはマイカーしかないところ。この問題に関しては、3月6日には空港から約9キロに東関東道水戸線のインターチェンジが開設され、栃木、群馬方面からもアクセスが容易となったことや、関東鉄道株式会社により、「茨城空港~水戸駅」および「茨城空港~つくばセンター(TXつくば駅)」間の直行シャトルバスの運行計画(4月中旬予定)が発表されましたが、やはりアクセスの不便さは否めません。

日本初といってもいいLCC対応空港としての茨城空港の今後の動きは目が離せません。といっても年間約81万人が利用するといった予測の甘さ(現在の予想では20万人前後)、空港ターミナルビルの初年度運営収支は約2,000万円の赤字が見込まれ、明確な改善策も今のところないといった状況のなか、税金の無駄使いになってしまわないことを望みます。

●茨城空港
名称:茨城空港(百里飛行場)
設置位置:茨城県小美玉市
設置者:防衛大臣
事業主体:国土交通省
空港の種類:共用空港
施設整備の概要:新滑走路(新設)長さ2,700m×幅45m、現滑走路(補強)長さ2,700m×幅45m、エプロン(駐機場)、駐車場、調整池等
IATA:IBR
ICAO:RJAH

2010年03月02日

成田スカイアクセス 7月17日に開業!

以前にも本ブログでお伝えしていた「成田新高速鉄道」(愛称:成田スカイアクセス)が、7月17日に開業することを発表しました。これにより空港第2ビル~日暮里間を現在のスカイライナーよりも15分短い36分という時間で結ぶことになります(一般特急で約59分)。

成田新高速鉄道は、京成上野駅から京成高砂駅を経て、北総線の現在の終点である印旛日本医大駅から先に新線を整備し成田空港までを結ぶ、全長64.1kmの新しい成田空港アクセスルートとなります。京成上野駅~京成高砂駅までが「京成本線」(12.7km)、京成高砂駅~小室駅までが「北総鉄道」(19.8km)、小室駅~印旛日本医大駅までが「千葉ニュータウン鉄道」(12.5km)、印旛日本医大駅~成田湯川駅までが「成田高速鉄道アクセス」(10.7km)、成田湯川駅~空港第2ビル駅・成田空港駅までが「成田空港高速鉄道」(8.4km)という区分になっています。全線にわたって京成電鉄が線路保有会社より線路を借りて運行する形態となります。

skya.jpg
「成田スカイアクセス」に導入される車両。左が3050形(特急車両)と右が新型スカイライナー。新型スカイライナーは、最高速度160km/hを誇り、新幹線を除くと日本最高速になります。車両のデザインは、デザイナーの山本寛斎氏。「風」と「凛」をコンセプトに、スピード感あふれる斬新なデザインとなっています。(Photo/京成電鉄)

京成電鉄では、成田スカイアクセス開業にあわせ「スカイライナー」の新型車両「AE形」を発表しています(原点回帰の思い込めたとして初代スカイライナーの車両形式を継承しています)。この新型スカイライナーは、デザイナーとして著名な山本寛斎氏がデザインを担当していて「風」と「凛」をコンセプトに、スピード感あふれる斬新なデザインとなっています。また一般特急も成田スカイアクセスに対応した車両「3050形」が新造されています(この車両は成田スカイアクセス経由の特急運行から京浜急行電鉄羽田空港乗り入れまで対応しています)。

新型スカイライナーは、空港第2ビル~日暮里間を最高速度160km/hで運転することができ、新幹線を除く日本の鉄道路線では「北越急行ほくほく線」とならぶ最高速となります(特急車両は最高速度120km/hで運転される予定。本線試運転は1月8日から開始されています)。

現在の成田スカイアクセスは、新路線工事の最終段階にあり3月下旬には工事が完了する予定とのこと。その後開業までの4か月半で各種テストや乗務員の訓練などを行う予定です。運転間隔ですが、昼間時にはスカイライナーと特急が1時間あたり最大で各3本(計6本)が運行される計画です。気になる運賃ですが、成田空港~京成上野間の運賃は、スカイライナーを利用の場合2,400円、特急の場合は1,200円(認可申請中)となる予定で、現行のスカイライナー1,920円、特急1,000円から比べると、480円、200円と高くなります(それでも成田エクスプレス成田空港駅~東京2,940円、リムジンバス成田空港~東京3,000円よりも安い設定となっています)。

成田スカイアクセスが開業すれば、都心から成田までのアクセスがさらに便利になります。15分って短いようでいて、移動の時間と考えると貴重な時間となるはずです。便利で使いやすい空港とは、空港設備だけではなくアクセスも重要なファクターです。成田空港がさらに便利で使いやすい空港となることを期待しています。

2010年03月01日

開港5周年!名古屋飛行場に新キャラクターお目見え

名古屋飛行場(かつての名古屋空港)が2月17日、開港5周年を迎えました。開港5周年を祝うイベントは2月21日に行われ、公募で決定された同飛行場のオリジナルマスコットキャラクター「なごぴょん」が発表されました。

nkm_ca.jpg
名古屋飛行場の新オリジナルマスコットキャラクター「なごぴょん」。旅客機と鳥をモチーフにした愛らしいキャラクターですね。開港5周年のイベントが行われた2月21日は、名古屋飛行場から定期路線のある5都市のご当地キャラクターもかけつけ、賑やかなイベントとなりました。(Image/愛知県地域振興部航空対策課)

名古屋飛行場はかつて名古屋空港として、国内・国際線を持つ主要空港でした。とても歴史のある空港ですので、簡単にその歴史を紹介しましょう。名古屋飛行場の歴史は、1934年(昭和9年)7月に名古屋港埋立地10号地に「名古屋国際仮飛行場」としてはじまります。同年10月1日に日本航空輸送が、東京~名古屋~大阪の定期便を開始。1940年に「名古屋国際仮飛行場」を「名古屋飛行場」となり、1941年に名古屋港埋立地11号地に場所を移し「名古屋国際飛行場」として開港します(正式な供用開始は1942年10月1日)。しかし、すでに太平洋戦争の開始とともに民間機が飛ばないまま終戦。進駐軍が接収しましたが、飛行場として使用されることはなく姿を消しました。

現在の名古屋飛行場は、1944年に日本陸軍が建設した「小牧飛行場」が前身となります。1945年に進駐軍に接収されますが、1952年3月20日に東京~名古屋~大阪線の定期路線が開設され、民間の利用が開始されます。1958年に正式に米軍より返還され、1960年4月1日に第二種空港に指定され「名古屋空港」になります。それから国内・国際線を持つ愛知県の空の玄関として活用されますが、2005年2月16日に第二種空港としての役割を終えます。

2005年2月17日に設置管理が国土交通省から愛知県へ移管され、第二種空港から“その他公共共用飛行場”に変更され「名古屋飛行場」(愛称:愛知県営名古屋空港)となったのです。その際にIATAの空港コードである3レター「NGO」は中部国際空港へ移管され「NKM」へ、ICAOの4レター「RJNN」は「RJNA」に変更されました(中部国際空港は「RJGG」であり、「RJNN」は移管されることなく欠番)。

現在は、日本航空グループのジェイエアが広島西飛行場から本社・ベースを移転し、ジェイエアの拠点空港となっています。定期便は、帯広・秋田・山形・新潟・高知・松山・福岡・熊本・長崎の9路線があります(使用機材はCRJ200とエンブラエル170)。また日本では珍しくビジネス機専用のターミナルや、隣接する土地では宇宙航空研究開発機構が国産ジェットの研究施設を設置しているので、国産のリージョナル・ジェット機「MRJ」の実証テストを行う予定があるなど、名古屋飛行場はリージョナル・ジェットの拠点空港としてとても興味深い空港となっています。

2010年02月22日

日本航空スペシャル・マーキング「ドラえもんジェット」就航!

日本航空は2月15日より4月末まで、ドラえもんのキャラクターなどを描いたスペシャル・マーキング機「ドラえもんジェット」を国内線で運航します。

jl_dora.jpg
2月15日に就航した「ドラえもんジェット」。ボーイング777-300でレジ番号はJA8941。就航路線は、新千歳・羽田・伊丹・中部国際・福岡・那覇線が主となっていて4月末までの運航となっています。スペシャル・マーキングは、機体胴体に縦約3.5メートル、幅約15メートルにわたっていて、ドラえもんやのび太が海で自由に泳ぐことができる「人魚スーツ」を着てのびのび泳ぐ姿が描かれています。(Image/Japan Airlines)

スペシャル・マーキング機は、ボーイング777-300(レジ番号:JA8941)で、主な就航路線は新千歳・羽田・伊丹・中部国際・福岡・那覇路線となります。ちなみに今回スペシャル・マーキング機となったJA8941は、導入時はスタージェットの「レグルス」で、「アテネ五輪がんばれ!ニッポン!」「悟空ジェット」「ワンワールド・スペシャル・マーキング」「コブクロジェット」と5回目のスペシャル・マーキングを纏うこととなりました。
※スタージェットとは、日本航空がボーイング777のうち国内線仕様の機材につけた愛称。ボーイング777-200(JA8981~JA8985)とボーイング777-300(JA8941~JA8945)のそれぞれ5機の計10機。星座のα星の名前がつけられていました。機首に愛称と星座が描かれていましたが、新塗装の際には愛称もなくなり塗装も通常のものになりました。

今回の「ドラえもんジェット」は、2010年3月6日に公開予定の「映画ドラえもん のび太の人魚大海戦」をもって映画ドラえもんが30周年を迎えるにあたりこれを記念して、日本航空と映画ドラえもん製作委員会が企画したものです。日本航空が特定のキャラクターを塗装するのは「ミッキーマウス」「ムシキング」「たまごっち」に続く4作目となります。

スペシャル・マーキングは、機体胴体に縦約3.5メートル、幅約15メートルにわたっていて、ドラえもんやのび太が海で自由に泳ぐことができる「人魚スーツ」を着てのびのび泳ぐ姿が描かれています。

日本航空グループでは、JALツアーズが1月18日より「ドラえもんジェット就航記念 沖縄・美ら海へ行こう♪ツアー」の販売が開始され、新千歳・羽田・伊丹・中部国際・福岡・北九州を出発地として、2月15日から4月30日までの毎日出発の設定で企画されています。ツアーの参加者には「映画ドラえもん×JALどこでもドラえもんマンタドラストラップ」がもれなくプレゼントされるほか、ツアー特典が多数用意されているとのこと。
※本ツアーは「ドラえもんジェット」での運航ではありません。
詳細は未定ですが、「ドラえもんジェットで行く 遊覧フライト」(4月24日出発、3月11日発売開始)も予定されているので、絶対に「ドラえもんジェット」に乗りたいという方は、こちらをチェックしてみてください。

また連動企画として日本航空の国際線機内においては、2010年3・4月に旧作「映画ドラえもん のび太の恐竜2006」と、国内線機内では2・3・4月にドラえもんTV版アニメをそれぞれ上映するそうです。空港においては、キッズランドなどでドラえもんコーナーを展開し、BLUE SKYにおける期間限定ドラえもんオリジナルグッズの販売なども予定されています。お子様がいるご家庭ならば、この春休みドラえもんジェットで空の旅なんていいかもしれません。経営再建中でどうしても深刻な話題が多くなってしまう日本航空ですが、ドラえもんという長く愛されるキャラクターとともに明るい話題を振りまいて欲しいものです。

2010年02月18日

太平洋路線で共同事業展開! 日本航空とアメリカン航空がATI申請

日本航空とアメリカン航空は現地時間2月12日(日本時間2月13日)に、米国運輸省に対し、太平洋路線における米国独占禁止法(反トラスト法)の適用免除(ATI)の申請を行ったことを発表しました。ATIについて関係政府の認可が得られた後に、両社は太平洋路線において共同事業を開始するとしています。今後国土交通省にも通知の予定。

共同事業としては、運賃やサービス、運航スケジュールを共同で調整するとしています。たとえば、現在同じ時間帯に運航する路線を別の時間にずらすことで、乗客の利便性を図ったりするもので、その路線においての収益は2社で分割することや、コードシェアなどによって路線網を拡大することも視野に入れていると思われます。

日本航空においては経営再建において提携先について、アメリカン航空のほかデルタ航空も名乗りをあげていましたが、結局のところアメリカン航空との提携維持とワンワールドへの残留を決定しました(2月9日に発表)。提携は業務面のみで、アメリカン側からの出資や役員は受け入れないとのこと。

日本航空によると、一日もはやく経営状況を安定回復させ、会社再生を果たしていくためには、これまでの提携パートナーとの協力関係を強化していくことがもっとも有効と判断したとしています。デルタ航空と提携した場合、アメリカン航空との提携維持よりも中長期的な成長性が見込めることは予想されます。たとえば太平洋路線での共同事業を考えてもアメリカン航空が持つ日米間の路線便数はデルタ航空の4分の1程度で、アメリカン航空と日本航空の便数を調整して運航を効率化する余地は少ないと思われます。現に企業再生支援機構の試算によると、アメリカン航空と提携しATIを取得した場合の効果は年54億円、デルタ航空との場合だと年172億円(もしATIを認められない場合でも年92億円)の効果があるとしていました。しかし、一方で、ワンワールドからスカイチームへの移籍にともなう大幅なシステム変更などにより一時的な減収も予想され、企業再生支援機構による支援期間が最長3年間と限られている中で、リスクを回避した結果だと思われます(さらに、デルタ航空と日本航空が提携した場合、日米路線の乗客シェアが6割を超えるため、ATIが認められるのに時間がかかる懸念があることも考慮されたと思われます)。

ワンワールドは日本航空が残ったことにより、日本への足がかりが残りました。これにより日米路線のシェアはほぼ拮抗した形になり、日米オープンスカイ発効後さらに競争が激化することが予想されます(便数シェアはワンワールドが29%、スターアライアンスが38%、スカイチームが33%)。その競争第一弾として、デルタ航空・アメリカン航空・コンチネンタル航空・ユナイテッド航空・ハワイアン航空の5社が2月16日、羽田/米国線の開設を米国運輸省に申請を提出しました。羽田空港の拡張後、アメリカ側が持つ1日4便の発着枠に対して、デルタ航空が4便(シアトル、デトロイト、ロサンゼルス、ホノルル)、アメリカン航空(ニューヨーク、ロサンゼルス)・コンチネンタル航空(ニューヨーク、グアム)・ハワイアン航空(ホノルル)はそれぞれ2便、ユナイテッド航空は1便(サンフランシスコ)の合計11便の申請を出しています。どの航空会社に何便が割り当てられるかに注目が集まります。


近井コアラ

69(ロック)な生まれ(69年生まれ)がちょっと自慢な音楽と旅をこよなく愛する三十路。旧ソ連を皮切りに旅した国は30数カ国。旅は食にこだわりたい食いしん坊だが、高級かどうかは問わない雑食。少しでも旅のスパイスになるような情報を発信していきたいと思ってます!!

2010年03月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

アーカイブ

RSSを取得