ヒコーキ旅の楽しみといえば、なにはなくとも機内食!でしょう。残念ながら国内線での本格的な食事のサービスはなくなってしまって久しいですが、国際線ではどんなにフライトタイムが短くても機内食を出すという決まり(2国間を運航する便では機内食の提供が義務づけられている)があり、必ず食事が提供されます。何時間も座りっぱなしな飛行機の旅の中ではメインイベント的なサービスといえるでしょう。今回はそうした各社が趣向を凝らしている機内食についてちょっとお話していきましょう。
まず、機内食は地上のレストランと違い、さまざまな制約や特性があります。重要な特性としては「時間が経過してから乗客にサービスされる」ということ。仕込みはだいたい出発の4~5時間前にはじまり、2時間前までに機内搭載用の車両に搭載されます。当然、なまものなどはかなりの制約を受けることになります。野菜は時間をおくと水分が出てくるので、濃い目の味付けをしなければならないなど工夫が必要となります。肉や魚などホットミールのアントレは機内のオーブンで再加熱されるので、それも考慮に入れた調理具合にしなければならないのです(たとえば、ステーキなどは表面に焼き色をつける程度の超レア状態で機内に搭載されるなど)。また、カートでサービスすることを考え、こんもりとした盛り付けはできないなど、さまざまな制約があるのです。
こう考えると各航空会社が、さまざまな制約のもとでどれだけ工夫を凝らしているかがわかる気がしません?
トレーの上には前菜からデザート、コーヒーカップまでが所狭しとセットされている・・・、
チョイスはビーフかシーフードといった2種類から・・・。
エコノミークラスの機内食といったらこんなイメージでしょうか?
でもこのエコノミークラスの1トレイの中に各航空会社は、お国柄を出してみたり、路線によって特色を出してみたり、といった感じで創意工夫を凝らしています。
お国柄が出ている機内食といえばまず思い出すのが、大韓航空の「ビビンパ」です。皆さんご存知の通り、韓国料理のご飯の上に載った具を混ぜ混ぜして食べるアレです。
また、中国東方航空ではお粥のチョイスができます。あとお国柄といえばあれですよ、あれ。そうカレーです。エア・インディア、ビーマン・バングラデシュ航空、スリランカ航空、パキスタン国際航空などの機内食では本場のカリーをチョイスすることができます。食事の時間ともなると機内に香辛料の香りが漂い、現地に着く前にエスニック気分に浸ることができちゃいます。
さて私たちの国、日本の食事もお国柄を象徴する“和食”がありますよね。各航空会社では日本線(日本発着)に和食のチョイスをもうけているところが増えてきました。
そうそう余談ですが、今よりも世界的に和食がポピュラーではなかったころは、日本茶を頼むと砂糖を一緒に持ってきてくれたり(笑)、茶そばをお醤油で食べている!外国の方がいたりと珍現象をよく機内で見たりしたものですね(そうそう、個人的に一番印象的だったのは、わさびを一口で食べてしまった外国の方の悲鳴(笑)ですかね)。
エコノミークラスで和食のチョイスができるなかでも、ひときわゴージャスというか画期的なスタイルを提供したのがヴァージン アトランティック航空の松花堂弁当です。おかずの入ったお弁当のほかに、竹皮包みの豆ご飯、お吸い物にデザートには和菓子。これがエコノミークラスの機内食なの?と驚愕してしまうものです。しかもヴァージン アトランティック航空では、この松花堂弁当のほかにベジタリアンなど4種類からチョイスすることができます。
日本航空では、ハワイ・グアム・サイパン線ではReso'cha路線として月替わりでメニューを変えていますが、必ずチョイスの1つに和食を取り入れています。リゾート気分のなかにくつろぎ感を演出したものだそうです。
和食のチョイスがない航空会社でも日本線には、茶そばなどジャパニーズテイストな一品が含まれていることが多いものです。行きはともかく海外からの帰り道、懐かしい自分の国の味が一品でもあるというのはホっとするものですよね。
次に旅をするときはメニューに目を凝らしてみて、どんな工夫がされているかあれこれ考えてみるのも楽しいかもしれません。


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