『星の王子さまの眠る海』
エルヴァ・ヴォドワ、フィリップ・カステラーノ、アレクシス・ローザンフェルド(著)、香川 由利子(訳)/ソニー・マガジンズ
発見者みずからが語る「奇跡の大発見」の決定的瞬間、搭乗機の製造番号を特定するまでの紆余曲折、真相究明にかけた人々の執念、サン=テグジュペリの遺産相続人の穏やかならぬ想い……。知られざる秘話を満載して、「20世紀最大の謎のひとつ」が解明されるまでの一部始終を描いた迫真のドキュメントです。
作家である前に、ひとりのパイロットだったサン=テグジュペリ
今回は「星の王子さま」で有名なアントワーヌ ド・サン=テグジュペリについてお話しましょう。なぜエアラインblogでサン=テグジュペリなの?と疑問に思う方がいらっしゃるかもしれませんが、サン=テグジュペリは作家である前にパイロットという顔を持っているのです。
サン=テグジュペリの経歴をちょっとご紹介しましょう。
・1900年 フランスのリヨンにて誕生
・1912年 はじめて飛行機に乗る
・1921年 フランス空軍に入隊
・1922年 予備少尉に任官
・1926年 ラテコエール航空会社に入社
・1932年以後 テスト・パイロットやジャーナリストとして活躍
・1939年 第二次世界大戦勃発とともに予備大尉として召集され、偵察飛行に従事(のちにアメリカに亡命)
・1943年 北アフリカで再編されたフランス軍原隊に復帰
・1944年7月 フランス本土偵察のためコルシカ島ボルゴ基地から出撃後、未帰還(行方不明)
この経歴を見ていただければ、彼の職業は作家というよりもパイロットと言ってしまってもおかしくありませんよね。とくにラテコエール航空会社で果たした彼の役割は、ジャン・メルモーズ、アンリ・ギヨメなどと共に、フランス民間航空の開拓者のひとりとして名をとどめています。
そんなサン=テグジュペリ、たとえば『南方郵便機』(1929年)、『夜間飛行』(1931年、フェミナ賞)、『戦う操縦士』(1942年)など、飛行機やパイロット(彼自身の姿がとても濃厚な)が関係した素晴らしい小説を残しています。フェミナ賞を受賞した『夜間飛行』は航空郵便を主題としていますが、サン=テグジュペリ自身も南米ブエノス・アイレスの地に、主人公と同様、郵便飛行の支配人として赴任していたそうです。
この3作品、非常に奥の深い余韻を残す作品です。ぜひご一読してみてはいかがでしょうか。当時の航空事情も垣間見えますよ。
さらにサン=テグジュペリといえば、1944年7月31日の偵察飛行からの未帰還(行方不明)についての謎について迫ったドキュメンタリー『星の王子さまの眠る海』も発売されています。こちらは1998年にマルセイユ沖で発見された「ド・サン=テグジュペリ」と刻印された、銀のブレスレットが発見されたことからはじまり、2004年の搭乗機発見などを追ったドキュメントです。サン=テグジュペリの小説とあわせて読んでみてはいかがですか。
『夜間飛行』(1931年、フェミナ賞)
サン=テグジュペリ(著)、堀口 大学(訳)/新潮文庫)
冷厳な態度で郵便飛行事業の完成をめざす支配人リヴィエールと、パタゴニアのサイクロンと格闘する飛行士ファビアン、それぞれの一夜を追いながら、緊迫した雰囲気のなかで夜間の郵便飛行開拓時代を描いた作品。
『戦う操縦士』(1942年)
サン=テグジュペリ(著)、山崎 庸一郎(訳)/みすず書房
物語は自らのアラス上空の偵察飛行を行った体験に基づいたもので、戦争という悲劇下での人間の心情について語られたもの。無謀な出撃命令を下され偵察機に乗った主人公が、過去と現在を行き来しながら生と死、破壊と再興について語っています。


コメント (2)
コアラさんはじめまして。これすごく欲しいです。私は彼のマニアなので箱根にあるミュージアムも何度も行ったりしています。(今もありますよね?)ニューヨークまで取り寄せますね!
投稿者: 真遊 | 2005年11月10日 14:10
日時: 2005年11月10日 14:10
真遊さん、はじめまして、こんにちは!
ニューヨークにお住まいなんですか?
サン=テグジュペリがお好きなんですね~。
「星の王子さまの眠る海」にご興味ありとか!ぜひ読んでみてくださーい。
読まれたら感想もぜひ、書き込んでくださいね。
「星の王子さまミュージアム」ですが、まだちゃんとありますよ。
ご存知かもしれませんが、こんなホームページもありますよ。
星の王子さまミュージアム
http://www.musee-lepetitprince.com/
星の王子さま公式ホームページ
http://www.lepetitprince.co.jp/
投稿者: 近井コアラ | 2005年11月12日 19:00
日時: 2005年11月12日 19:00