空港に16年間住み続けた男 「ターミナルマン」

10月12日に更新した「U2のジャケットに使われたシャルル・ド・ゴール空港」の最後で“ちなみにシャルル・ド・ゴール空港は、某映画のモデルになった人物が住んでいた空港でもあるのですが(トム・ハンクスが主演した映画といえばわかりますよね)、その話はまたの機会にお話しましょう。”と予告したお話を今回はしましょう。

ターミナル DTSスペシャル・エディション(2枚組)
発売・販売 角川エンタテインメント
クーデターで事実上祖国が消滅し、パスポートは無効。ターミナルから一歩も動けなくなってしまった主人公が果たさねばならない“約束”とは……。スティーブン・スピルバーグ監督、名優トム・ハンクスとキャサリン・ゼタ=ジョーンズの豪華共演で贈る人生に一度の感動ドラマ。

このトム・ハンクス主演の映画とは皆さんおわかりかと思いますが「ターミナル」です。スティーブン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演のこの映画は、言葉が通じない空港で足止めされた男が、ある約束を果たすために空港ターミナルで生活を始め、周囲の人々と交流を深めていくといった、空港で起こる出会いと別れを描いた感動作。映画ではニューヨークのジョン・F・ケネディ空港(空港はオールセットだそうです。すごい!)が舞台となっていますが、実はトム・ハンクスが演じたビクターという男性のモデルになった男性が住んでいるのはパリのシャルル・ド・ゴール空港なのです。

そのモデルとはシャルル・ド・ゴール空港第一ターミナルに16年間住んでいる“サー・アルフレッド・メヘラン”のことです。イラン近郊で生まれた彼が、なぜ祖国を捨て“ターミナルマン”となってしまったのか、そんな彼の半生を綴った本が「ターミナルマン-空港に16年間住みついた男」として発売されています。

1988年8月8日、サー・アルフレッドはロンドン行きの飛行機に乗る予定でした。しかし、彼はそのフライトに乗ることができず、閉店したバイバイ・バーから譲り受けた赤いベンチで眠り、毎日マクドナルドで食事をし、ファイルボックスに入れた雑誌と自らが綴った長い日記に囲まれて、彼は今日も座っているのです。

彼自身の出生の秘密、身分証明書をめぐるさまざまな出来事、さらには、イランにおける独裁政治、イスラム教の厳格さ、中東の歴史に深くかかわってきたアメリカの本当の顔など、映画では語られることのなかった真実が、本書には綴られています。

映画はハートウォーミングでラストはハッピーエンドが待っていますが、事実は小説(映画)より奇なりとはまさにこのことをいうのでしょう。

この話を読むと空港はドラマティックな場だな~と思います。入国審査を通るまで、空港は国と国をつなぐ不思議な無国籍な空間なんですね。原作と映画、どちらも素晴らしいのでご覧になることをおすすめします!


ターミナルマン-空港に16年間住みついた男
サー・アルフレッド・メヘラン、アンドリュー・ドンキン(著)、最所篤子(訳)/バジリコ
シャルル・ド・ゴール空港第一ターミナルに暮らす男、サー・アルフレッド。彼は閉店したバイバイ・バーから譲り受けた赤いベンチで眠り、毎日マクドナルドで食事をする。ファイルボックスに入れた雑誌と自らが綴った長い日記に囲まれて、彼は今日も座っている。映画「ターミナル」のモデルとなったベストセラーノンフィクション。


近井コアラ

69(ロック)な生まれ(69年生まれ)がちょっと自慢な音楽と旅をこよなく愛する三十路。旧ソ連を皮切りに旅した国は30数カ国。旅は食にこだわりたい食いしん坊だが、高級かどうかは問わない雑食。少しでも旅のスパイスになるような情報を発信していきたいと思ってます!!

2008年10月

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