
2010年開通予定の成田新高速鉄道整備概要図です。現在すでに開通している北総線・千葉NT線は、最高時速130kmで走行するための追抜き施設、軌道改良等の工事が行われます。新線を建設するのは、成田高速鉄道アクセス線と成田空港高速鉄道線の19.1kmの区間で、こちらは最高時速160kmで走行できる鉄道線路の敷設等を行います。
旅行のために空港に向かう時間って、ワクワクするとても楽しい時間です。でも、家から空港までのアクセスの便が悪いと大変ですよね。国土の狭い日本の空港は、用地の広さや騒音問題、環境問題を考慮するとどうしてもアクセスの便が悪い立地に建設されることが多いのは残念ながら事実です。
日本の空の玄関口である成田空港へのアクセスは、JR東日本の成田エクスプレスや京成電鉄のスカイライナーが空港までの高速鉄道として都心からの所要時間は、約51分ぐらいとなっています。しかし諸外国の主要空港のアクセス時間と比べてると長時間であることは事実です(表を参照してください)。そのため、何年も前から成田空港へのアクセスの便を良くするため、さまざまな整備案が出されてきました。このたび、都心と成田空港を最短で36分で結ぶ「成田新高速鉄道線」が着工しました。
●主要空港と都心間のアクセス所要時間
| 国名 | 空港名 | 都心までのアクセス時間(鉄道利用) |
|---|---|---|
| スイス | ジュネーブ・コアントラン空港 | 約7分(スイスレイル) |
| ドイツ | フランクフルト・アム・マイン空港 | 約12分(Sバーン) |
| オーストラリア | シドニー国際空港 | 約13分(エアポートリンク) |
| イギリス | ロンドン・ヒースロー空港 | 約15分(ヒースロー・エクスプレス) |
| オランダ | アムステルダム・スキポール空港 | 約15分~20分(オランダ国鉄) |
| オーストリア | ウィーン国際空港 | 約16分(シティ・エアポート・トレイン) |
| 中国 | 香港国際空港 | 約23分(エアポート・エクスプレス) |
| シンガポール | チャンギ国際空港 | 約27分(MRT) |
| マレーシア | クアラルンプール国際空港 | 約28分(KLIAエクスプレス) |
| フランス | パリ・シャルル・ド・ゴール空港 | 約29分(RER) |
| イタリア | ローマ・レオナルド・ダ・ビンチ空港 | 約30分(レオナルドエクスプレス) |
| タイ | バンコク国際空港 | 約30分(タイ国鉄) |
| スペイン | マドリッド・バラハス国際空港 | 約40分(メトロ) |
| 日本 | 成田国際空港 | 約51分(NEX、スカイライナー) |
| アメリカ | ニューヨークJ.F.K.国際空港 | 約16分(エアートレイン) |
| サンフランシスコ国際空港 | 約30分(BART) | |
| シカゴ・オヘア空港 | 約45分(Chicago Transit Authority) | |
| ロサンゼルス国際空港 | 約1時間(Metro Rail) |
都心から成田空港までの高速鉄道ルート案はさまざまな紆余曲折がありました。1966年7月の閣議決定では、成田空港へのアクセスは高速電車を運行するとしていました。この高速鉄道は、日本国有鉄道(現・JR)が運営する“新幹線鉄道”として整備する計画がされ、1971年1月18日に全国新幹線鉄道整備法に基づき成田新幹線の基本計画が決定しました。しかし、沿線の建設反対運動で工事は着手できず、計画は頓挫してしまいます。このため運輸省(現・国土交通省)は代替案として、既設の鉄道や計画中の鉄道を活用する案を推進することを決定しました。この案では、東京駅から江戸橋まで新線を整備し、京成上野・江戸橋~京成高砂~印旛日本医大間は東京都交通局1号線(都営浅草線)、京成電鉄本線・押上線、北総鉄道北総線(当時は新鎌ヶ谷~小室~千葉ニュータウン中央間をのぞき計画中)を活用し、さらに印旛日本医大から成田市土屋付近まで新線を整備し、土屋付近から成田空港旅客ターミナルビルまでは工事の進んでいた成田新幹線の路盤を活用するとしていました(B案ルートと呼ばれています)。しかし、この案も北総線の整備の遅れで具体化が進まず、結局1991年にJR東日本の成田線分岐点~成田空港間と京成電鉄の駒井野分岐部~成田空港間が開業することとなりました。
その後、北総線が全線開業し、B案ルート具体化の検討が進み、2001年に北総線の高速化と印旛日本医大以東の新線建設を第三セクターが行い、列車の運行は京成電鉄が北総線の部分も含めて一体的に行うことが決定しました。2002年4月には、整備主体の第三セクター「成田高速鉄道アクセス株式会社」が設立され、同年7月には成田高速鉄道アクセスが印旛日本医大~成田空港高速鉄道接続点間の第三種鉄道認可を、また京成電鉄が京成高砂~成田空港間の第二種鉄道事業認可をそれぞれ取得することとなりました。
今回確定したルートは、空港から成田市土屋までの約8キロまで造られた高架橋を利用し、この既存の高架橋と北総線の終点(印旛日本医大駅)を繋ぐものとなります。全線が開通すると、京成本線で成田空港と京成上野を結んでいるスカイライナーが、北総線と今回ルートが確定した区間を経由する新ルートに移ることになります。事業認可申請時の運行計画によると、1日あたりの運転本数はスカイライナーが下り30本、上り31本、特急が上下それぞれ46本で、最高時速160キロの新型車両を投入する予定で、空港第二ビル~日暮里間の所要時間は最短で36分としています。
2010年の開通を目指しているとのことで、開通すればますます成田空港へのアクセスが便利になることでしょう。


コメント (4)
コアラさん、いつも為になる情報ありがとうございます。
このBLOGのファンでいつも楽しく読んでおります。
成田へのアクセスは本当に問題だったので、これだけ解消されると
随分と違ってきますよね~。でも2010年か・・・あともう少しだ!
お体には気をつけて、これからも情報収集頑張ってください!
投稿者: ハウメアな主婦 | 2006年02月28日 12:07
日時: 2006年02月28日 12:07
ハウメアな主婦さん、はじめまして!
いつもご愛読いただきありがとうございます!!
移動の時間は短く、単純に限りますよね。
いろいろと紆余曲折があったルートですが、トラブルなく建設されることを期待しています。
今後も皆さんのお役に立つ情報、トリビアのような無駄知識(笑)、裏技などさまざまな航空業界の話をお伝えし、旅のスパイスの1つになるようにがんばりたいと思っています。
リクエスト等ありましたら、ぜひコメントにお書きください。
投稿者: 近井コアラ | 2006年03月01日 04:37
日時: 2006年03月01日 04:37
近井コアラさん、こんにちは。
東京都心(上野・日暮里)ないし羽田空港から成田空港までの最短距離アクセス路線が建設する事になった事は、非常に光栄な事です。単なるスピードアップだけではなく、カーブの多い京成本線を通ったり、千葉市や八千代市、佐倉市周辺の都市間輸送と成田羽田両空港のアクセス輸送に支障を来たす事が無くなると思います。また、赤字で悩む北総公団線の活用改善策にも大きく貢献出来、成田新高速鉄道線は上野・羽田空港~成田空港の空港特急やスカイライナーに、今までの京成本線は通勤路線(快速と特急、通勤特急の殆んどが成田空港又は成田発着)にそれぞれシフトし、スカイライナーと京成上野~成田空港の特急電車終日運行が可能になるだけではなく、上手く行けば京成上野~千葉中央間の特急電車が誕生し、京葉間におけるJRと京成電鉄との競争が生まれて京成路線の活性化にもつながって行く可能性も秘めてます。
後は、成田新高速鉄道路線経由での京成上野~成田空港間の運賃体系が気になる所だが・・・。
投稿者: じゅんと | 2006年04月10日 15:54
日時: 2006年04月10日 15:54
じゅんとさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。お返事が遅くなり申し訳ありません。
北総公団線は赤字に悩んでいますので、本ルート建設は赤字体質脱却への起爆剤になる可能性は高いですね。
じゅんとさんのおっしゃる通り、運賃体系が気になりますね。
コストの高くなる高架橋が増えれば、運賃に反映されますし・・・。
利用しやすい運賃になることを願っています。
あと、個人的には新型車両も気になるところです。
どんなデザインになるんでしょうね。
投稿者: 近井コアラ | 2006年04月14日 04:40
日時: 2006年04月14日 04:40