
最終号機となったB717-200の製造風景。搭載されたロールスロイスのエンジンは、新世代の小型ターボファンであるBR715で、低価格、低燃費、低整備コスト、低排気物質、低騒音、低リスク設計概念などを特徴とし、環境にやさしく経済性に優れたエンジンでした。(Photo/Boeing)
ボーイング社のロングビーチ工場から4月20日に、最後のB717-200がロール・アウトしました。最終生産機は156機目であり、5月にB717のローンチ・カスタマーで生産されたB717-200の半数以上を導入した、エアトラン・エアウェイズに引き渡されることになります。
このB717-200は、標準座席数102とボーイングの中でも最も小型な旅客機ですが、実は1997年8月4日にボーイングと合併したマクドネル・ダグラス社が開発を開始したものでした。1995年10月19日にマクドネル・ダグラスがMD-90シリーズの派生型として機体計画をローンチしたもので、当初はMD-95と命名されていました。合併により、旧マクドネル・ダグラスの旅客機が製造中止となる中、受注残の多かったMD-95だけは唯一開発・製造が継続されることになり、機体の名称がB717-200に変更されたのです。
機体の開発思想は、100席級の小型旅客機の需要に応えるということでMD-90と同じ断面の胴体を短縮して100席級とし、主翼や尾翼は新設計に変更しました。ただし、エンジンをロールスロイスBR715に変更(MD-90はIAE V2500)しましたが、リアマウント方式のエンジン配置、低翼配置の主翼、T字型尾翼といった基本的な機体構造は、DC-9/MD-80/MD-90のものを受け継いでいます。
初号機は1998年9月2日に初飛行をし、1999年9月1日にFAA(Federal Aviation Administration=連邦航空局)とJAA(Joint Aviation Authority=欧州合同耐空証明局)の型式証明を取得しています。そして9月23日にローンチ・カスタマーであるエアトラン・エアウェイズに納入され、10月12日から商業運航を開始しました。
当初はB717-200以外にも、胴体を短縮するB717-100X、延長タイプB717-300Xの2種類の派生型の開発も考えられていましたが、B717-100Xはすでにボンバルディアといったコミューター・エアライン用旅客機を生産するメーカーが同タイプのジェット機の開発を行っていたことや、ボーイングが最終的に100席以下の市場に参入しないことを決定したことから実現することはありませんでした。B717-300Xに関しても、収容能力は増えるものの航続距離がB717-200よりも短くなり、同じ収容数ならばB737やエアバスのA319と航空会社の発注が流れたことにより、やはりこのタイプも開発は行われませんでした。
またB717-200に関しても乗客の収容力で見るとB767-600とほぼ同タイプであり、ボーイングとしても併売に関しては疑問符があったと思われます。ただ、マクドネル・ダグラスと合併前にかなりの機数を受注しており、発注していた航空会社が737NGへの発注切り替えに応じなかったため、製造しなければならなかったという背景もあったようですが。
ボーイングでもB717-200については、ビジネス専用機型の開発も可能であるとして、B717ビジネスエクスプレスの名称で提案活動を行っていましたが、発注する企業がなかったこともあり、存続は難しかったようです。ただ、この機体から生産の大部分を外注したり、最終工程を流れ作業化したりするなど、新たな生産形態をボーイングにもたらした功績は評価されるでしょう。でも、やっぱりダグラスから続く旅客機の名門であったマクドネル・ダグラス社の旅客機がなくなってしまうのは、ちょっと寂しいものですね。

アメリカはジョージア州のアトランタのハーツフィールド空港をハブとするエアトラン・エアウェイズ。B717-200のローンチ・カスタマーであり、156機中半数を受注し運航していたエアラインです。ビジネスクラス12席、エコノミークラス105席の2クラス制でB717-200を運航しています。(Photo/AirTran Airways)

