
5月にスターアライアンスへ加盟した中国国際航空(CA/CCA)。2004年の民営化後、急速に業務改革を行った中国国際航空は、ボーイング、エアバスを中心に176機の機材と22カ国・地域の36都市へ就航しています。この機体は2008年の北京オリンピックのスペシャルマーキングです。日中航空交渉の合意により、さらに日中間の路線ネットワークは広がりを見せることでしょう。(Photo/Boeing)
前回、新路線開設のニュースをお届けしました。いろいろなデスティネーションに路線が開設されれば、私たち旅客はスムーズに旅を楽しむことができます。それでは、ヒコーキの路線ってどのようなプロセスをたどって開設されるのでしょうか。今回は、結構大変な路線開設のプロセスをご紹介しましょう。
エアラインが新たに2国間、あるいは3国間を結んだ定期国際線を開設するためには、まず当事国同士が条約を締結することが大前提となります。当事国同士が合意して結んだ協定のことを「航空協定(エア・アグリーメント」と呼びます。
この「航空協定」を締結するためには、航空輸送に関する権利を当事国同士が合意しなければなりません。国際間の航空輸送においては、“5つの自由”が権利として認められています。
1 上空通過の権利
2 給油など運輸以外の目的による着陸の権利
3 自国の旅客・貨物を相手に輸送する権利
4 相手国の旅客・貨物を自由に輸送する権利
5 相手国から第三国(自国以外の国)へ旅客・貨物を輸送する権利
「航空協定」の締結には、すくなくともこれら5つの自由のうち2項目、つまり3と4の自由を互いに認め合うことが必要となります。これは、日本とB国との間で協定が締結されたとしたら、日本のエアラインがB国に乗り入れることが認められると同時にB国のエアラインが日本へも乗り入れられるという同じ条件で認められるわけです。
さて5番目の自由は、日本とB国以外の国が関わってきます。この5番目の自由を「以遠権」と呼びますが、これはたとえば、日本からB国を経由してC国への路線を開設したいとします。すると日本とB国との間の航空協定のほかに、さらに日本とC国、B国とC国との間にも航空協定での合意が成立して、はじめて日本からB国を経由してC国への航空路が開設されることになります。これを2国間航空協定と呼びますが、現在の航空協定はほとんどがこのスタイルとなっています(1944年に2国間航空協定の標準方式が定められました)。
こうして航空協定が締結されると、定期航空路が開設されます。定期航空路が開設されると当事国の航空会社が互いに乗り入れを開始するのですが、実際には必ずしも両国の航空会社が乗り入れてくるとは限りません。実際に運航するかどうかは、当事国がそれぞれ決定するので、必ずしも双方の航空会社が乗り入れてくるわけではないのです。
航空協定には航空路の開設だけではなく、複数の航空会社の乗り入れや便数の設定、複数都市への乗り入れなどの路線運航に関する諸事項が全て盛り込まれます。各国固有の「権利」が集約されているのです。
さて、近々の航空交渉といえば中国との航空便が合意される見通しというニュースがあります。現在、日本と中国の旅客数の枠は両国の航空会社で中型機換算で週450便。それを1.2倍の540便程度に増やすものです。日中間の航空交渉は、昨年3回開かれましたが、折り合いがつかず合意できなかったのですが、調整がついたようです。現在、日本の航空会社の中国への発着地は、国内が成田・関空・中部国際・福岡・新千歳・仙台・広島の7都市で、中国が北京・上海・広州・藩陽など14都市となっていますが、発着地も増やされる見通しです。日本の航空会社は10月末から中国路線を増便する方向で検討を始めているようですので、中国への新路線や既存路線の増便化が秋以降に行われるかと思います。

