8月7、9、11日ともうすぐ日本の空から退役してしまう国産旅客機“YS-11”を紹介していきました。その中でも“唯一の国産旅客機”と何度も書きましたが、現在の日本ではYS-11が今のところ唯一の国産旅客機で、今後日本で旅客機が開発されなければ最後の国産旅客機となってしまいます。しかし着実に国産開発の芽が育っていることをご存知でしょうか?
実は2002年(平成14年)に経済産業省が予算を獲得するとして発表した「30席~50席クラスの小型ジェット機」開発案が現在進行中で、小型ジェット機の国産開発計画が進行しているのです。
この開発案では、機体は最先端の複合材を多用し軽量化を図り、機体のフォルムも空気抵抗を減らして高性能化し、従来の旅客機よりも燃費効率の向上(従来機より約2割高める)、運航費の大幅な削減を狙ったものとしています。さらに操縦システムも最新のIT技術をふんだんに取り入れ、容易なものとするとしています。開発期間は2003年(平成15年)度から5年間、開発費は500億円を予定し、半分を国が補助するとしたものでした。
2003年(平成15年)4月7日、経済産業省はプロジェクト「環境適応型高性能小型航空機」の窓口となる新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)において、メーカーを招いての説明会を行い、4月末を締め切りとして希望者を募集するとしました。計画案を提出したのは三菱重工業のみで、5月29日に三菱重工業を主契約企業として、富士重工業と日本航空機開発協会が協力することとなりました。機体開発に関しては宇宙航空研究開発機構(JAXA)が協力、富士重工業は主翼など10パーセントを請け負うことに決定し、経済産業省は2003年(平成15年)度予算において10億円を獲得したのです。
三菱重工業は2003年(平成15年)秋に概案作りを開始した結果、競合機と差別化を図るために「環境適応型高性能小型航空機」(三菱重工業での略称は“MJ”)に以下の特徴を盛り込むこととしました。
・ヘッドアップディスプレイの採用
・強化型対地接近警報装置(EGPWS)
・航空交通警報装置、衝突防止装置の搭載
・3次元CADの試作デモによりコスト削減
三菱重工業は、2005年(平成17年)9月に、中間評価を公表しました。この発表において21世紀前半において、アジアで航空需要の急成長が見込めるなど、市場の動向から大型化が必要という判断がされ、70席の計画から90席に規模を拡大することとなりました。この構想変更により、2007年(平成19年)に初飛行の予定が2011年(平成23年)になる見通しとなりました。
また経済産業省では、この国産旅客機プロジェクトの開発支援を強化する方針で、2007年度予算の概算要求に前年の4倍の20億円を盛り込んでいます。
2007年度は、機体自体の開発に着手するかどうかの判断を下す正念場となる大事な時期でもあります。小型リージョナルジェット機は、今後市場が拡大するとされている分野ですので、ぜひとも開発の成功を祈りたいものです。メイド・イン・ジャパンの旅客機が世界の空を飛ぶところを見たいものですね。
■産業技術総合開発機構(NEDO)「環境適応型高性能小型航空機研究開発」ページ
http://www.nedo.go.jp/activities/portal/p03029.html
■宇宙航空研究開発機構(JAXA)「国産旅客機チーム」ページ
http://www.apg.jaxa.jp/res/ctt/index.html


コメント (1)
経済産業省は、MRJ(三菱リージョナルジェット)の機体開発について、
2008年度から資金面で支援する方針を固めました!
2008年度から2011年度までの4年間をかけて、
三菱重工「MRJ」に対する約400億円程度の開発補助金を拠出する予定だそうです。
MRJは開発に国の支援を前提としていたことから、
これで資金面のバックアップが整ったことになります。
順調にいけば2012年に就航する予定で、約40年ぶりの国産旅客機が復活する見通しがたったことになります。
楽しみですね~。
投稿者: 近井コアラ | 2007年06月03日 03:01
日時: 2007年06月03日 03:01