
写真はアリタリア航空のボーイング777-200ER。日本路線は全便B777-200ERが使用されています。アリタリア航空には、本機体のほかにもエアバスA319、A320、A321、ボーイング747、767、MD-11、MD-80、ATR72、エンブラエルERJ145など多数の複数系統の機材を持っています。こうした複数系統の機材は、整備の共通化が図れずコストが高くなってしまいがちです。ファンとしては多数の機材を運航してもらえるのは楽しいことですが、コスト面から考えると部品等の共通化が図れる機材を導入するなどして合理化を図るのが再建の一歩となるでしょう。早期の再建を願ってやみません。
現在経営再建中のイタリアの航空会社の最大手であるアリタリア航空(AZ/AZA)ですが、リストラ計画が進まず、株式の49%を保有するイタリア政府が来年1月末を再建の期限に設定し、事態が改善しなければ破産法の適用も選択肢に入ると発表しました。
アリタリア航空の経営が悪化し始めたのは、2001年の米国同時テロ後の旅客減少でした。さらにその後の原油高による燃料費高騰が追い打ちをかけ、2003年に5億1900万ユーロ(日本円で約773億円)の赤字に転落してしまったのです。そこで2万人強いる従業員のうち3700人を削減するリストラ計画を行おうとしましたが、労使の反発をまねきストが繰り返し行われました。これにより欠航が相次いでしまい、旅客の信頼が低下→組合との関係悪化と、さらなる悪循環となってしまったのです。
※日本路線は欠航等ありません。
航空業界の激戦区であるヨーロッパ市場では、欠航は致命的です。「あの会社の便は欠航が多い」と旅客に思われてしまうと、代わりの航空会社は多数あるのですから顧客が離れてしまいます。一度失われてしまった信頼というのは、皆さんもご想像の通り取り戻すのは大変なことです。アリタリア航空は、旅客の信頼低下がシェア低下につながってしまい、それによってさらなる業績悪化、それに伴いさらなる労使対立という負のスパイラルに陥ってしまったのです。
また、フランスのヘラルド・トリビューン紙によると、アリタリア航空には経営構造にも重大な欠陥を抱えているとしています。
・ほかのヨーロッパ大手航空会社がハブ(拠点)空港を1か所に集約しているのに対し、アリタリア航空はローマとミラノに分散している
・複数系統の機材を持っている(これは整備員、整備部品などの共通化が図れないためコスト高となってしまう)
こうしたことから、地上整備員の人件費など過去6年間で25億ユーロ(約3725億円)もの損失をもたらしたと指摘しています。
こうしたことからイタリア政府は2007年1月末が再建計画の期限となるとし、リストラ計画への労使の協力を求めるとしています。冒頭でも書きましたが再建計画が上手くいかない場合、破産法の適用も辞さないという荒療治も、実は2005年に10億ユーロ(約1490億円)の公的資金を注入していること、それにも関わらず2006年は上半期だけで前年同期の倍近い2億2100万ユーロ(約329億円)の損失を計上し、2006年度の黒字化目標が消えてしまったことによります。もしアリタリア航空が債務超過になり、破産法が適用されると、破産管財人の下で従業員の解雇や資産の切り売りなどが行われることとなります。
日本からイタリアといえば、アリタリア航空と名前が出るくらい日本ではお馴染みの航空会社です。イタリアテイストあふれる機内食、免税品販売など素晴らしいサービスを提供してくれる航空会社ですので、どうか再建計画を進めて今後も快適な空の旅を演出してくれればと願ってやみません。


コメント (3)
3/21の水曜発ミラノ行きは機材到着遅れでその日は
欠航。3時間もカウンターに並んだあげく、
結局成田のホテルで過ごす羽目になりました。
説明もほとんどなく、明日まで待ってくださいとの返事ばかり。
翌日は遅れ便が到着していたので、午前中に乗り込めました。
大部分の乗客はよその便に振り替えてもらえたようで
30人くらいだけのフライト。寝て行けたのはいいけど、
イタリア人のCAはだれも謝らず最後になって、放送で詫びがあった。
それも日本人のCAが言ってくれた。
やれやれで、帰国はローマからだから大丈夫だよねと言ってたら
ローマ発の成田行きが欠航。翌週の火曜のことです。
この日は200人近くが難民になり、翌日までつまらないホテルに缶詰。
アリタリアスタッフは誰も朝来ない。フロントに紙切れでそれぞれの振り替え便を示していた。しかも、みんなバラバラ。ほとんどよその国のフライト。乗り換えだらけ。結局アリタリア機は1台も無かったと言うことらしい。ひどいですよ。空港での後処理も最悪でした。
国内便だけでなく国際便、しかも日本便で大量に欠航出しているようです。調べたら、今日も欠航だったようですよ。おそらく来週もでしょう。
旅行客はそんなのは全く知らないので、もっと注意が必要ですよ。
投稿者: ryoko | 2007年03月31日 00:02
日時: 2007年03月31日 00:02
ryokoさん、こんにちは。
とても残念な旅になってしまいましたね。
アリタリアは現在、労使と会社側でごたごたしており、
混乱が起こっているようです。
ストも多発しているみたいですし、
残念ながら旅行する際は、注意が必要になってきています。
せっかくの楽しい旅行のはずが、
いろいろなアクシデントにみまわれ本当にお気の毒でした。
本ブログでも最新情報がわかれば、
順次掲載していきたいと思います。
ぜひ、これに懲りずに空の旅に出かけてくださいませ。
投稿者: 近井コアラ | 2007年04月02日 02:05
日時: 2007年04月02日 02:05
アリタリアの状況が日本語で書いてあったのでよく理解できました。ありがとうございます。
2007年10月にアリタリアでローマ、フィレンツェに行ってきましたが、投稿にもあるように、予想以上にひどかったです。
行きのローマ⇒フィレンツェは、1時間のフライトなのに1時間半遅れでしたが、この程度では、お詫びの言葉も一切なし。
帰りはフィレンツェ⇒ローマ⇒羽田の予定でしたが、スト、機材故障、遅れで、結局2日半遅れ、しかもフィレンツェ⇒ローマ⇒ミラノ⇒イスタンブール⇒関西空港⇒羽田と4都市経由で帰国できました。フィレンツェ⇒ローマは、バス
移動、ローマで一泊させられましたが、ひどくさびれた汚いホテルでした。さすがのイタリア人もかなり怒っていましたし、倒産したと聞いても驚かないと思います。
投稿者: せつ | 2007年10月27日 23:14
日時: 2007年10月27日 23:14