
2005年9月に連邦破産法第11条の適用をニューヨークの連邦破産裁判所に申請し、適用を受け、現在経営再建中のデルタ航空。2007年の前半に破産法からの脱却を目指して順調に進んでいるとのことですが、今回のUSエアウェイズの合併提案は、債権者向けのもので敵対的買収提案といえます。今後どういう動きになるのか気になるところです。
ユー・エス・エアウェイズ(以下USエアウェイズ)は11月15日、経営再建中(2005年に連邦破産法第11条を適用)のデルタ航空に対して合併を提案したことを発表しました。提案によると、デルタ航空が法的な再建を完了することが条件で、完了とともに両社を統合するとしています。
それでは具体的な合併の提案内容を紹介しましょう。
・デルタ航空の無担保債権者に40億ドルの現金とUSエアウェイズの株式7850万株(11月14日の終値で40億ドル相当)を支払う。
・USエアウェイズのダグラス・パーカー最高経営責任者(CEO)が合併後の新生デルタ航空のCEOに就任。
・合併後の本社所在地は未定(ちなみにUSエアウェイズはアリゾナ州テンピ、デルタ航空はジョージア州アトランタ)。
・合併による効果は年間で少なくとも16億5000万ドル。
USエアウェイズによるとこの提案は、デルタ航空の破産法申請前の無担保債権約160億ドルの11月14日の取引相場1ドル当たり0.4ドルを25%上回り、また無担保債権の過去30日間の平均取引相場を40%上回るもので、債権者は提案の価値を認めてくれるはず、としています。
USエアウェイズはこの合併のために、シティグループから72億ドルの買収資金提供の確約を得ているとしています。しかし、この提案に対してデルタ航空の広報は、「これまで通り単独会社としての会社再建に集中していく」とコメントしていますので、敵対的買収提案といえるでしょう。
少し疑問な点は、USエアウェイズとデルタ航空は路線網が重複している部分が多いので、この合併が行われたら路線等の調整が相当行われるかと思うことで、メリットもあればデメリットもある、ということです。
USエアウェイズ(1939年設立。規模では全米7位)もデルタ航空(1928年設立。規模では全米3位)もレガシー・キャリアと言われるアメリカでは老舗のエアラインです。アメリカ同時多発テロの影響、原油の高騰による燃料費の増加、格安航空会社との競争激化など、アメリカの特に老舗大手航空会社は苦しい状況ですが、1航空ファンとしてはデルタ航空がなくなってしまうのは寂しいですので、このまま自力再建で進んで欲しいものです。今後も要チェックな話題です。

