
JALグループが導入を決定したエンブラエル170。確定10機、オプション5機の発注を予定しています。既存のシリーズを改良したものではなく、一からの新設計の機材のため、居住性や快適性に優れていて現時点では同クラスでは一歩ぬきんでています。JALグループの今後の国内線戦略の鍵となる機体になるでしょう。(Image/Japan Airlines)
JALグループは2月22日に、新小型機としてブラジルのエンブラエル社の「EMBRAER 170(以下エンブラエル170)」を導入する方針を発表しました。
予定されている今のところの発注数は、確定10機、オプション5機の計15機で今年春頃に締結する見込み。路線への投入は2008年度中をめどに、国内線の新小型機としてジェイエアによる運航を計画しています。
現在ジェイエアでは、2001年から導入が開始されたカナダのボンバルディア社のCRJ200ERが9機運航されていますが、早いタイミングでの新機材導入といえます。しかしこのエンブラエル170の導入決定は、JALグループの国内線へのさまざまなビジネスチャンスを狙った積極策と思われます。
まずCRJ200ERが50席クラスに対してエンブラエル170は78席。この座席数増により今までCRJ200ERではキャパシティ的に就航できなかった路線への就航ができるようになり、各路線の需要規模に応じた機材サイズがより適正化することができます。また2009年度以降の羽田空港の再拡張による発着枠の拡大により、羽田発着の路線を拡大・新設することができます。この時に70~100席クラスの小型機は、非常に使い勝手のよい機材となることは間違いありません。ビジネスチャンスは逃さない、とするJALグループの意気込みを感じさせる機材選択だと思います。
さてそれではエンブラエル170がどのような機体かを簡単にご紹介しましょう。エンブラエル170の開発が発表されたのは1999年2月。2004年3月8日にローンチカスタマーのLOTポーランド航空に引き渡されました。
エンブラエル170には、胴体を1.77メートル延長したエンブラエル175、90席クラスのエンブラエル190、エンブラエル190の胴体を2.41メートル延長したエンブラエル195という派生型があり、E-Jetファミリーと呼ばれています。
エンブラエル170の機体の大きな特徴は、飛行操縦装置に、フライ・バイ・ワイヤを採用したこと。コクピットで特徴的なのはM字型の操縦棹で、E-Jetシリーズ(170/175/190/195)共通のもの。縦長の5面の液晶ディスプレイが装備されたグラスコクピットで、E-Jetシリーズの全機種が共通レイアウトのため操縦資格も共通化されています。機内は2+2席の配置で、座席頭上にはこのクラスとしては大型のオーバーヘッド・ビンが付き、優れた居住性を実現しています。
現在70~100席クラスのリージョナル・ジェット機は、世界各国の多くの航空機メーカーで計画が立てられ開発されていますが、現時点ではエンブラエルのE-Jetファミリーが一歩リードしています。
日本の航空会社としては初の導入となるエンブラエル170ですが、JALグループの新しい翼として活躍が期待されます。
●エンブラエル170スペック
全長:29.9m
全幅:26.0m
全高:9.85m
エンジン:GE社製 CF34-8E
巡航速度(マッハ):0.82
座席数(標準仕様):78席
航続距離(参考値):約3,100km

標準的なキャビンの様子。広々としていて快適なキャビンとなっています。2+2席の配置となっていて、座席頭上には大型のオーバーヘッド・ビンが備え付けられています。(Photo/Embraer S.A.)

