航空管制官とパイロットの無線交信時の便名の言い間違いや聞き違いによるトラブルや事故、混乱を防止するため、国土交通省航空局と航空会社では4月1日から20分以内に同じ空港を発着する航空機が似た便名の場合、あらかじめ可能な限り便名を変更することを決定しました。
航空無線では数字がたくさん使用されます。たとえば飛行進路、高度、便名、速度、航空路の番号、温度や風などの気象情報など「数字が使われる要素」がたくさんあり、これらを正確に管制官とパイロットは共有しあわなければなりません。今回問題となった便名ですが、航空無線では基本的に便名は「エアラインのコールサイン+便名」で交信されます。たとえば日本航空の1007便は、「ジャパンエア・ワン・ゼロ・ゼロ・セブン」とコールされます。羽田空港など過密空港では年間約45万回の離発着回数(平成17年度)があり、管制官とパイロットの交信に混乱が起きるといかに危険かおわかりになるかと思います。
航空局の調べによると、似た便名としては、たとえば午前8時に羽田を出発する新千歳行き日本航空(JAL)1007便と福岡行きのJAL1707便、午前8時40分と50分に羽田に到着する岡山発の全日空(ANA)652便と高松発のANA632便などがあります。こうして文字にすると間違えなさそうですが、実際に無線の交信となると間違えてしまう可能性があります。こうしたことからも似た便名を変更することは事故を未然に防ぐよい手段です。
便名の変更は4月1日から行われ、例にあげましたJAL1007便はJAL509便に、JAL1707便はJAL311便に、ANA632便はANA532便に変更されます。また日本航空では幹線に使用していた4桁の便名を3桁に変更するなど、似た航空便名の解消に向けた変更を行っています。
また今後似た航空便名として各管制機関から航空局あてに報告があった場合、航空局から関係航空会社に対して、当該便名の変更を要請し、関係する航空会社が複数の場合は、可能な限り当該航空会社間において調整を行うよう航空局が要請するそうです。その際、航空便名の変更にかかる調整が行われるまでの間や調整が困難な場合には、各管制機関において、必要に応じて航空便名の一時的な変更を行うことにより、適切に対応していくそうです。
航空管制は空の安全に大きな役割を担っています。交信時の言い間違いや聞き違いといった人的ミスによるトラブルは事故につながる恐れがあります。こうした取り組みがさらなる空の安全に貢献してくれることを願っています。

