10月10日、ボーイング社ではB787ドリームライナーの初号機のデリバリーを当初予定していた2008年5月から6か月延期し、2008年11月下旬から12月に、ファーストフライトを2008年第1四半期に変更することを発表しました。
これは1号機の製造が、部品不足やシステム統合の遅れなどによる組立作業が遅れていることが原因です。
当初は型式証明取得に向けた試験飛行を34人のテスト・パイロットが24時間体制で臨み、計画通りに2008年5月の1号機引き渡しは変更しないとしていました。しかし何らかの課題が発生した場合のデリバリースケジュールへの影響を考え、スケジュールを遅らせ今後のテストの各工程で発生する課題に対応するとしました。これはとっても妥当な判断だと思います。たとえばB777は、試験飛行に11か月間を要したことを考えると無理なスケジュールは、ボーイング社の信用の問題にもなってしまいますからね。
B787ドリームライナーは、機体の70%近くを海外メーカーなどを含めた約70社(下請けまで含めると世界で900社にもおよびます)とボーイングの協力体制で行う国際共同事業です。世界中の最高の技術を結集した機体で、日本、イタリア、イギリス、フランス、カナダ、オーストラリア、韓国、中国といった国々が分担生産に参加しています。
何度かご紹介しましたが、日本からは三菱重工業(主翼)、川崎重工業(前部胴体・主翼固定後縁・主脚格納部・中央翼部品)、富士重工業(中央翼)、東レ(炭素繊維複合材料)ほか、数十社が参加していて、日本企業の担当比率は合計で35%にもおよびます(B767で15%、B777で20%)。この35%はボーイング社自身の担当割合と等しいほどで、日本の技術力の高さがわかりますね。
ただ今回の遅延の原因が部品不足やシステム統合の遅れということで、多数の企業が参加するデメリットが出てしまった感があって、残念です。しかしボーイング社では、製造過程全体での部品供給システムの改善に努めるということなので、より良い航空機が生み出されるのを待ちましょう。
なお、B787ドリームライナーのローンチカスタマーで、2008年5月の引き渡しが予定されていた全日空や2008年度中の引き渡しが予定されていた日本航空、中国系航空会社、ノースウエスト航空など15社が遅延によって影響を受けそうです。特に全日空では、2008年6月に国内線に投入後、8月の北京オリンピック開催時には羽田/北京間のチャーター便に投入するとしていましたが、北京オリンピックには間に合いませんので、就航計画は変更されるでしょう。ちょっと北京オリンピックに向けて飛び立つB787ドリームライナーを見たかったので残念ですね。
B787ドリームライナーは、これまでに50社から710機の確定発注を受けていますが、2009年までに予定していた112機の生産は、109機に留まるとしています。今後はスケジュール遅延の影響を最小限に抑える努力が求められるとともに、今後何十年にわたって使用されると思われるB787ドリームライナーですから、期待に応える航空機として登場してもらいたいものです。ちょっぴり残念ですが、その雄姿の登場を楽しみに待ちましょう!

写真は7月8日に行われたロールアウト式典でのB787ドリームライナー。実はこの時点で外観をのぞいて未完成だったそうです。スケジュールの遅れは残念ですが、何十年も活躍する航空機として私たちの目の前に登場してもらいたいものです。(Photo/Boeing)


コメント (4)
こんにちは!!
私は航空関係に興味があり、いつも楽しく見させてもらっています。
やっぱり空の旅はいいですよねー。空港とか機体を見るのも1つの楽しみですし。
B787ですか。早く日本で見たいものです。
投稿者: aki | 2007年10月31日 18:42
日時: 2007年10月31日 18:42
ボーイング787が今のところまだ大阪伊丹空港に来ません、いつごろでしょうか?
投稿者: ∑ | 2008年07月28日 22:51
日時: 2008年07月28日 22:51
∑さん
こんにちは。
ボーイング787ですが、まだ航空会社にデリバリーされていませんので、空港で見かけるにはもうちょっと時間がかかります。
ボーイングの発表によりますと、
787は、2008年度第4四半期にファーストフライトを、
2009年第3四半期にファーストデリバリーを予定しているとのことですので、楽しみにお待ちください。
投稿者: 近井コアラ | 2008年08月02日 16:07
日時: 2008年08月02日 16:07
ANAどうするんでしょう
投稿者: シャングリラ | 2009年12月15日 14:57
日時: 2009年12月15日 14:57