長年親しまれてきた日本航空の尾翼に描かれている鶴のマーク「鶴丸」が描かれている塗装の機体ですが、2002年、日本航空・日本エアシステムの経営統合の際に、現在の塗装に変更され、順次塗装変更が行われてきました。そしていよいよラストとなる機体が5月に塗装変更が行われる運びとなりました。これで旧日本航空の塗装は完全に消えることとなります。
ラストフライトを迎えるということで、「鶴丸」マークについて少しご紹介しましょう。「鶴丸」ですが1959年から1989年まで、日本航空の社章として使用されていたもので、本格的に機体に描かれ出したのは1960年8月のDC-8(「富士」)からだそうで、当初はとても小さく目立たなかったそうです。その「鶴丸」が大きく描かれるようになったのは、1970年から導入されたB747で、大きく垂直尾翼に描かれるようになしました。
「鶴丸」ですが、1970年のものから1989年のB747-400の導入にあわせてマイナーチェンジがされています。この時日本航空は、民営化のためにCIを一新することになり、当初は「鶴丸」もデザインプランにはなかったそうです。しかし、社内外の強い要望・意向により「鶴丸」は尾翼に残ることとなり、サイズをやや縮小して存続することとなったのです。ですから「鶴丸」も2代デザインがあったのです。
この「鶴丸」のコンセプトですが、鶴は長寿の象徴として日本では古くから尊重されてきた鳥で、羽を円形に広げたデザインにすることによって日の丸をイメージしたそうです。
このデザインは、宮桐四郎氏がデザインしたものにアメリカの広告代理店BCGの意見を取り入れたもので、最終的なデザインは日系2世のヒサシ・タニ氏が担当し、1958年8月15日に採用されました。
そんな「鶴丸」の旧塗装機ですが、現在は国内線と国際線で1機ずつ残るのみで、国内線は4月中旬に旧塗装でのフライトを終了するとのことです。気になるラストの機体ですが、国内線はB777-200でレジ番号はJA8985(スタージェットの「プロキオン」)、国際線はB767-300ERでレジ番号はJA603Jだそうです。
B777-200は主に国内線幹線で、B767-300ERは主に中国・アジア路線で使用されている機材ですので、目にするチャンスはあるかもしれません。
「鶴丸」といえば、まだまだ海外旅行が珍しかった際に、海外の空港で「鶴丸」を見かけた日本人は安心感と郷愁そして日本を強く感じたそうです。日本の旅客機の塗装のなかで最も長く使われたデザインだけに残念ですね。しかし次のデザインでも「輝ける太陽をモチーフに空に向かって上昇していくアーク(円弧)」という非常に輝かしいイメージのデザインを採用した日本航空です。航空大競争時代に突入した現在、日本航空の今後の発展を応援していきたいですね!

1998年に導入されたスタージェット(B777-200×5とB777-300×5に付けられた愛称)。この10機には星座であるα星にちなむ愛称が付けられていましたが、新塗装になったため残っているのはこのB777-200のプロキオン号(JA8985)のみとなっていました。しかしこの最後の1機も4月中に新塗装に変更されてしまいます。旧塗装を見られるラストチャンスですので、空港に足を運んでみてください。

