以前にもご紹介したYS-11に続く国産ジェットとして開発が進められている三菱重工の“MRJ”(ミツビシ・リージョナル・ジェット)ですが、全日空が3月27日の取締役会にて導入を決定しました。ひとまず全日空では、オプション10機を含めて計25機の購入を決定しています。初号機契約を結ぶローンチ・カスタマーとして開発計画に参加する予定です。これにより三菱重工では“MRJ”の事業化を決定しました。4月1日よりMRJ事業を担う新会社「三菱航空機株式会社」(仮称)を設立し、MRJの開発を加速するとともに、世界各国のエアラインへの販売活動をより強化するとしています。
全日空では、ボーイング737-500(126人乗り)の代替機として90人乗りのMRJ90を2013年以降に導入し、新千歳、仙台、伊丹、福岡などをベースに地方間を結ぶ路線に就航させる考え。
MRJは、リージョナル・ジェット機としてははじめて主翼・尾翼に複合材を本格的に採用し、最新技術を駆使した新型エンジン(プラット&ホイットニーの「GTF」)の搭載や、最先端の空力設計により、燃料消費量が現行機材に比べ約40%減が見込まれます。全日空がたとえば、15機MRJに入れ替えるだけでも年間約50億円のコスト減となると期待されています。
国産の翼といえばすでに退役したYS-11がありましたが、MRJでも「オールジャパン」の布陣です。開発費約1500億円のうち国が約500億円を負担し、「三菱航空機株式会社」には、トヨタ自動車や三菱商事などが出資する予定で、また富士重工も開発・生産に参加を検討しています(富士重工が参加を決定すれば3大メーカーのもう1つ川崎重工の参加も期待されます)。
全日空が導入を決定したMRJ90のスペックは以下の通りです。
●MRJ90
全長:35.8メートル
全高:10メートル
全幅:30.9メートル
座席数:86~96席
最高速度:マッハ0.82
運用最大高度:39,000フィート
エンジン:PW-GTF
航続距離:1,630キロメートル
就航予定:2013年
小型機の市場は今後拡大が見込まれ、日本航空機開発協会によると、2026年の民間ジェット機の運航予測はMRJクラス(60~99席)が5,426機と2006年度実績の約5倍になるとしており、中国やロシアなど新興国で需要が活性化する見通しです。ただ、すでに小型機での実績があるカナダ・ボンバルディア社、ブラジル・エンブラエル社の2社が現在ほぼ独占しており、この2社の牙城を崩すのは大変な道のりとなりそうです。また、中国では中国航空工業、ロシアではスホーイも小型旅客機を開発していますので、新規参入同士でも受注競争を勝ち抜かなければなりません。
ぜひぜひ、高い燃費性能、技術力の高さをアピールして、海外での受注競争に勝ち抜き、メイド・イン・ジャパンのジェット機の成功を見せていただきたいと思います。今後のMRJの活躍には要注目です!

