国土交通省は、国内線で離着陸する空港間を最短距離で飛行できるようにする新航法“RNAV”を計画より1年前倒しにし、2011年度末までに国内主要路線75路線について導入する方針を決定しました。
空には目に見える道路などがありませんが、勝手に飛んでいるわけではなく、キチンとしたルートが設定されています。従来、飛行機は地上にある航空保安無線施設(VOR/NDB)同士を結んだ経路を飛行します。しかし地上施設は、出発地と目的地を直線的に結ぶ位置にすべて設置できるわけではありませんから、ジグザグにならざるをえませんでした。
※VOR=VHF omni-directional radio range beacon(超短波全方向式無線標識)
NDB=non-directional radio beacon(無指向性無線標識)
今回導入が前倒しになったRNAV(aRea NAVigation:広域航法)では、航空保安無線施設に頼らなくても、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム))やDME(Distance Measuring Equipment:距離測定装置、VORと併設されることが多い)といったハイテク機器により、距離情報も発信できる基地の電波等を使うことで、飛行機が自分の位置を把握できるようになりました。これによりVOR/NDBに頼らずに2地点間を直線的な航空路を結ぶことができるようになりました。
RNAVが導入されることにより、飛行経路(飛行距離で平均約2%短縮)、飛行時間の短縮が実現します。これにより航空分野の省エネ・CO2排出削減に貢献すると期待されており、主要75路線導入後の全体効果(年間推定)は、CO2排出量で約15万5000トンが削減できるとしています(一般家庭約2万9000世帯分の年間排出量に相当)。また、燃料消費量で約6300万リットルの削減効果が見込まれます。
なお、当初は2012年度末までに導入完了の予定でしたが、2008年8月29日にとりまとめられた「安心実現のための緊急総合対策」において、省エネに資するRNAVの導入促進が盛り込まれたことから、スケジュールの見直しが行われ計画を1年前倒しし、2011年度末までに導入するということになりました。
私たち利用者にとって、目に見える形ですぐに何か便利になるということはありませんが、RNAV専用の上空域での高い飛行精度を活かし、鉄道網のような複線といったような現在の航空路に並行した路線を設置することが可能(VOR経路とRNAV経路を原則29,000フィートで運用的に分離し、29,000フィート以上の国内空域にRNAV経路を展開し、空域を再編する「スカイハイウェイ計画」)になるので、それにより空の混雑が減ることにより、飛行時間や待機時間が減少するというメリットがあることは確かです。

