日本航空(以下JAL)と全日空(以下ANA)は1月28日、2009年度の路線設定の計画を発表しました。両社とも景気低迷に伴う旅客減少に対応するため、特に低迷している関西国際空港や中部国際空港の発着枠を見直しの中心としています。
それでは両社の路線計画を見ていきましょう。対象路線リストは表を参照してください。
●JAL・ANA休止路線
| JAL国内線 | 関空/女満別(4月)、帯広(9月)、釧路(9月)、青森(10月)、旭川(10月) |
| ANA国内線 | 神戸/仙台(4月)、新千歳/新潟(6月~9月運航)、岡山(6月~9月運航)、広島(6月~9月運航)、関空/女満別(6月~9月運航) |
| JAL国際線 | 関空/ロンドン(3月29日) |
| ANA国際線 | 中部/天津・広州(3月29日)、関空/大連(6月30日までの時限措置、関空/大連/瀋陽も) |
●JAL・ANA減便路線(国内線は4月1日より)
| JAL国内線 | 羽田/関空(7便→6便) |
| ANA国内線 | 羽田/関空(5便→4便)、神戸(3便→2便)、関空/松山(3便→2便)、高知(3便→2便)、鹿児島(2便→1便)、中部/福岡(13便→12便)、秋田(2便→1便)、米子(2便→1便)、徳島(2便→1便)、神戸/沖縄(3便→2便) |
| JAL国際線 | 成田/ニューヨーク(週14便→10便、3月30日)、バンコク(週21便→14便、3月29日)、ソウル(週26便→25便、3月29日) |
| ANA国際線 | 成田/上海(週21便→14便、3月29日)、ムンバイ(週7便→3便、3月29日)、広州(週14便→7便、7月1日) |
●JAL―機材小型化、中国線にJALエクスプレス
JALは、国内線では関空と北海道・東北の各地を結ぶ国内5路線を休止します。減便は羽田/関空で1日7便を6便に減少します。2月より運航を開始するエンブラエルE170を導入することにより、福岡/松山線、新千歳/秋田線に投入し、小型多頻度化することにより、採算性確保と利便性の向上を図るとしています。
国際線は2009年度上期よりJALエクスプレスが国際線の運航を開始する予定で、収益性の向上を目指すとしています(5月から運航の予定で、成田/杭州線、関空/杭州線、関空/上海線)。関空/ロンドン線を休止しますが、そのかわりに成田/ロンドン線を週7便から14便に増便し、関空/成田線の週7便を国際線として運航し、乗り継ぎの利便性を向上させています。機材の小型化も進め、ジャンボからB777、B767へ、B767からB737へといった機材変更を行い収益性の向上を図ります。
●ANA―機材小型化、中国やインド路線を減便・休止
ANAは、国内線では関空と四国などを結ぶ便を減便する計画です。JAL同様に機材の小型化を促進し、採算性を確保するほか、一部路線を季節運航や季節損便させることにより、需要の確保と繁忙期の利便性を確保しています。
国際線は、関空と中部国際からの中国路線4路線を休止し、成田でも中国とインドを結ぶ路線を減便します。こちらは、自動車や家電などの輸出企業の不振が直撃した形となっています。国内線同様、機材の小型化も進められる予定。減便や休止が多くなった関西圏の利便性を向上させるために、伊丹/成田線のうち伊丹を午後発着する便のコードシェア便を自社運航にして提供座席数を増やすほか、4月1日~6月30日まで、関空/成田線を国際線として週7便運航します。関空で出国手続きができるため、乗継時間の短縮などで関西圏利用者の利便性を図るとしています。
今回の見直しは両社とも関空路線が多いのが特徴ですが、関空路線は苦戦している路線が多く、飛ばすほどに赤字の路線があるということで、やむなくといったところでしょうか。しかし、地方から関空を経て海外へという乗り継ぎの利便性がなくなり、地方から韓国・仁川へ飛びそこから海外へというパターンが増加していることは、日本の空港の競争力が低下することにつながり、アジアのハブ空港争いに遅れをとることも事実です。
さらに今回の見直しは、原油価格が高騰したことが原因となった昨年よりも規模は小さいですが、先行きが不透明な世界経済を考えると、今後さらなる縮小も考えられます。地方空港や地方経済への影響が心配されるところです。

