福岡空港、過密化対策は「増設案」になる見込み

発着回数が限界に達しつつあり過密化対策が検討されている福岡空港ですが、福岡県の麻生渡知事は検討してきた2案のうち、現空港の滑走路増設案を支持する考えを明らかにしました。3月26日の県議会で表明し、国土交通省に対して、吉田宏福岡市長と連名で意見書を提出する予定です(ただし吉田福岡市長は新空港はいらないとマニフェストに表明しているので、新空港の必要性にも触れる意見書の場合、署名するかは不明です)。

福岡空港は滑走路1本の空港としては、年間旅客数(平成18年度で約1800万人)、発着数とも全国最多(平成19年度の速報値では離着陸回数14万3000回。福岡空港の限界値は14万5000回)です。すでに2006年6月1日には、国土交通省が「第7回福岡空港総合的調査専門委員会」に提示した「総合調査」のなかで、アジア各国の経済の伸びや国内の交通網整備、航空機の小型化による離着陸の多頻度化などを背景に、2012年には離着陸回数が現空港の滑走路処理容量の限界値(年間14万5000回)を超え、2032年には約18万~約23万回に達するとする需要予測結果を示しています。これを見ても過密化対策は急務であるといえます。

福岡空港に関しては、増設案のほかに、福岡市沖の玄界灘に海上空港を新設する案もあり、この2案が検討されていました。海上空港新設案は、増設案よりも発着回数を増やせるほか「アジアの玄関口」として24時間運用できる強みもあります。しかし、事業費が9,200億円に上るため、現在の経済不況のなか、事業費2,000億円の増設案が現実的ということと、福岡市中心部に近い現空港の利便性を評価する意見も多く、こうした点を踏まえているようです。ただし、新空港の必要性にも触れ、将来の新設にも含みを持たせる見通し。

もっとも福岡空港は、空港法の4条1項5号に該当する空港として政令で定める空港(旧第二種空港)であり、国が建設や管理に責任を持っており、知事の意見に法的な拘束力はありません。しかし、過密化対策は国と福岡県、福岡市が共同で検討してきたこと、また国が2010年度以降の政府予算に関連調査費を盛り込むなど、増設案が事業決定される公算は大きいといえるでしょう。

表1 増設案(滑走路1本増設)と新空港建設案の比較

  滑走路増設案 新空港増設案
処理容量(年間の発着回数)
18.3万回
21.3万回
利便性
博多駅からの距離
約3キロ
約17キロ
博多駅からの距離からの所要時間(鉄道)
5分
15~20分
工期期間
約7年
約9年
事業費
約2,000億円
約9,200億円
※国土交通省の試算による

さて増設案の中身ですが、現在のところ空港を約20ヘクタール拡張し、現滑走路(2,800メートル)の西側に2,500メートルの滑走路を新設するというもの。工期は約7年とされています。この滑走路増設で、年間発着回数は現在の1.26倍になるとしています。ただし、将来再び過密化が問題となる可能性もあり、海上空港新設案も再び浮上する可能性もあります。また、福岡空港をご利用になった読者の皆さんはご存知かと思いますが、福岡空港は市街地に囲まれています。そのため、都市部の建物の高さ制限が継続されることや、騒音や事故時の周辺への影響も課題として残り、また用地買収もすんなりいくかどうかなど、紆余曲折がありそうです。ただ、現在の福岡空港では限界がおとずれることは見えていますので、地元と国がうまく連携して最善策をとっていただきたいです。

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コメント (1)

ゆははた:

増設に決定したことで福岡市中心部に一生高層ビルが立ち並ぶことがなくなりましたね。せいぜい他の都市に高層ビルが立ち並ぶのを指をくわえて眺めてれば?(笑)

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近井コアラ

69(ロック)な生まれ(69年生まれ)がちょっと自慢な音楽と旅をこよなく愛する三十路。旧ソ連を皮切りに旅した国は30数カ国。旅は食にこだわりたい食いしん坊だが、高級かどうかは問わない雑食。少しでも旅のスパイスになるような情報を発信していきたいと思ってます!!

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