日本とカナダの航空当局間協議が4月1日~3日まで開催され、アジア・ゲートウェイ構想※1に基づく航空自由化で合意しました。これは日本の首都圏2空港(羽田・成田)の路線を除いて、互いに路線や便数の制限をなくすというもので、アジア圏以外との合意は今回が初めてとなります。
※1 アジア・ゲートウェイ構想:2006年9月に当時の安倍晋三内閣総理大臣が就任以来、進められている政策。人・モノ・カネ・情報の出入りを活発化することによって、アジアの活力を日本に取り込み、日本の経済成長につなげることを意図しています。そのなかでアジア・ゲートウェイ構想に向けて取り組むべき「最重要項目10」があり、なかでも最大の課題とされているのが「航空自由化(アジア・オープンスカイ)」であるとされています。
また、2010年の首都圏空港の容量拡大後についても、羽田空港への就航と成田空港の増便も同時に決定しました。
・2010年以降の羽田(深夜早朝)路線の開設
2010年10月の羽田第四滑走路(D滑走路)供用開始後に、深夜早朝時間帯(22時~翌7時)に、日本・カナダの双方の航空企業が、羽田/カナダ(バンクーバーまたはトロント)間において、それぞれ1日1便(週7便)まで定期便を運航できる枠組みを設定。羽田空港の深夜早朝枠での北米路線の設定は、今回が初めてとなります。
・2010年以降の成田における増便
2010年3月の成田増枠後、カナダ側航空企業による週1便(夏期のみ)の増便を可能とした(カナダ側航空企業は、カルガリー(新規地点)への就航を計画。なお、日本側航空企業にも同等の権益が確保されています。
現在、アジア・ゲートウェイ構想に基づいて航空自由化に合意しているのは、2007年8月以降、韓国・タイ・マカオ・香港・ベトナム・マレーシア・シンガポールと今回同意したカナダの8か国となりました。国土交通省航空局によると、日本側としてはカナダ以外の欧米各国とも同様の航空自由化を進めたい考えで、さまざまな課題はあるが動向を見極めつつ、自由化に向けて交渉を行うとしています。
さらにアジア・ゲートウェイ構想とは別に、羽田空港の深夜早朝枠の拡大を進んでいます。2010年10月にD滑走路(2,500メートル)が供用開始されると、旅客便の年間発着回数は40万7000回(従来は29万6000回)に増えるとしていて、増えた枠は国内線に優先的に割り当てられますが、あまった分は国際線に配分されます。その配分は約6万回とされていて、この枠が注目されています。2008年5月に発表された「首都圏空港における国際航空機能拡充プラン」によると、成田空港が閉鎖されている深夜早朝枠に限って、「距離制限」※2を撤廃し、3万回を割り当てることが決定しています。この枠を活用するということで、マレーシア、韓国、シンガポール、フランス、イギリス、タイ、オランダ、香港、ドイツ、カナダとの間で定期便の開設について合意されています。
※2 距離制限:成田空港との住み分けの問題から、羽田空港の国際線就航については「就航範囲は半径2,000キロ以内」との方針が決定されています。
残りの3万回分の昼間の枠ですが、これも距離制限が緩和される見通しで、現在羽田からは、ソウル、上海線が運航されていますが、ビジネス需要の高いアジア路線の展開を考えているようで、香港線の就航が濃厚です。
成田空港は2010年3月の第二滑走路北進工事完了後には、国際線は約3万回増枠されることになっており、ドイツ、ベトナム、インド、オーストリア、カタール、フィンランド、スカンジナビア三国、シンガポール、タイ、オランダとの間で増便・新規開設が合意されています。
2010年は日本の航空が大きな転機を迎えることとなりそうです。今後もアジア・オープンスカイ構想と羽田・成田空港増枠の推移は目が離せません。

