今回は、新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)関係の航空業界の対応について紹介します。4月30日現在、WHO(世界保健機関)は「フェーズ5」(ヒトからヒトへの感染が2か国以上で起きている状況。パンデミック直前の兆候)に警戒レベルを引き上げました。
海外渡航に関しては、メキシコへの不要不急の渡航延期を勧告し、アメリカ・カナダ・ドイツ・イスラエル・スペイン・ニュージーランド・イギリス・オーストリア・コスタリカの9か国への渡航に関し、十分注意するよう求める感染症危険情報を出しています。今後、該当国へお出かけの際は、外務省や厚生労働省のホームページの該当情報ページをチェックの上、お出かけください。
4月28日からは、海外からの航空便で到着した乗客全員に健康状態と氏名や連絡先を記入する「質問票」提出が義務付けられています。さらに成田・中部・関西の3空港でメキシコ・アメリカ(ハワイ・サイパン・グアムを除く)・カナダからの便を対象に、乗客を降ろさずに健康状態をチェックする機内検疫が始まっています。機内では、10日以内に発熱やせきなどの症状がなかったかなどをたずねる質問票が配られ、乗客が記入している間にサーモグラフィーで発熱の有無が調べられました。その後、質問票を回収しながら問診が行われたそうです。
現在のところ感染した疑いのある乗客は見つかっていませんが、もし見つかった場合は以下のような対応がとられるそうです。
・感染した乗客は感染症指定医療機関へ搬送される
・周辺に座っていた乗客や担当の客室乗務員ら「濃厚接触者」(座席位置により最大で約50人)も、経過をみるために10日程度、空港近くのホテルに滞在させる
・ほかの乗客にも質問票に連絡先を記入してもらい、それぞれの地元の保健所などが10日程度、健康状態を確認する
機内検疫など通常よりも検疫に大変時間がかかり、乗客の皆さんには負担が大きいものですが、水際での感染拡大を防ぐためにも協力をお願いします。
航空会社では日本航空が4月27日、政府・自治体など日本の公的機関から要請があれば、メキシコに救援物資を無償で輸送すると発表しています。過去に同社が協力した実績のある民間団体の関係者が支援に向かう場合も、無償で渡航を請け負うそうです(4月30日から5月29日まで)。
みなさんにお願いしたいことは、正しい情報で冷静な対応をとって欲しいことと、海外へ行かれる方には、事前の情報をよく収集しておくことをお勧めすること、航空会社や各空港での対策にはぜひ協力してほしいということです。
航空業界にとっては2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の際にも、深刻な打撃を受けてしまいましたが、今回も現在すでに世界的な経済不況の影響を受けているだけに、経営状況のさらなる悪化が懸念されます。
●外務省海外安全ホームページ
http://www.pubanzen.mofa.go.jp/
●厚生労働省の新型インフルエンザ対策関連情報ページ
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/

