成田国際空港(以下成田空港)は、暫定平行滑走路(B滑走路・2,180メートル)を2,500メートル化する北伸工事がほぼ完了したことと、先だってのフェデックスの事故のように第一滑走路が閉鎖された場合などの、不慮の事態への対応能力向上を考慮し、2010年3月に供用開始であったのを前倒しし、今年の10月22日に開始することを決定しました。
この決定は5月20日に成田国際空港会社の森中三郎社長が国土交通省に報告しました。B滑走路の北伸工事は2006年9月15日より行われ、2010年3月末の供用開始を目指していましたが、工事が順調に進んだことなどから、半年ほど早い供用開始となりました。
ICAO(International Civil Aviation Organization:国際民間航空機関)を通じて各国に通知し、10月25日からはじまる冬スケジュールには間に合わせるとしています。ただし、発着回数の拡大(年間20万回から22万回に拡大)については、予定通り2010年3月からとなる見通しです。
また、B滑走路の北伸事業に伴い整備を進めてきた「東側誘導路」の使用を7月にも開始することを明らかにしています。この新しい東側誘導路は、B滑走路の南端に接続し、第一、第二旅客ターミナル方面から離陸のためのB滑走路に向かう出発機専用として使用される予定です。この東側誘導路は、総延長2,500メートル、幅45メートルで、途中に大型機2機が待機できる「ホールディングベイ」が設けられています。NAA空港づくり企画室では、「離陸待ちの混雑解消と安全性の向上につながる」としています。今後は、舗装の強度や航空灯火、無線の通話状況などについて国土交通省航空局が検査を行い、合格後ただちに各航空会社に通達・周知を図り、7月下旬の使用開始を目指します(5月12日に無線検査が行われています)。
これらのことにより、10月22日からはA滑走路(4,000メートル)に不測の事態が起こっても、大型機の離着陸にB滑走路も利用できるということで、円滑な空港運営が行えることでしょう。
しかし、まだまだ完全空港と呼ぶには成田空港は越えなければならないハードルがあるのが実情です。
B滑走路が2,500メートルで供用が開始されれば、“着陸”に関しては大型機材であるB747が利用できると思いますが、離陸に関しては制限があるのが現状です。
※日本の航空法ではB747などの大型機材では必要滑走路長は2,500メートルを標準としていますが、B747-400が最大離陸重量で離陸する場合、3,250メートルが必要だとされているので2,500メートルの滑走路でも機体重量を軽くしないと実際の離陸は不可能。
また7月に使用開始の東側誘導路は未買収地を迂回する形で整備が進められていて、大きく滑走路側に「への字」に湾曲しており、ホイールベースの長いB747やB777-300など機材は走行が非常に難しいそうです。
周辺地域への騒音・電波障害の問題もあり、地域への説明や要望には丁寧な対応が求められます。
しかしひとつひとつ問題を解決していき、安全性の確保、環境面への取り組み、アジアのハブ空港に向けて競争力の向上など、成田空港には今後の発展を目指していってもらいたいです。

