本ブログでもファーストフライト間近とお伝えしてきたボーイング787ドリームライナーですが6月23日、機体側部(主翼と胴体の結合部分)の補強のため、ファーストフライトを延期するとボーイング社が発表しました。
この補強の必要性は、テスト機を使用した静止テストにおいて確認されていたもので、事前分析では予定通りにフライトテストの開始は可能としていましたが、効率的なフライトテストの実施には延期が最善であるとの決定が下されたようです。
B787ドリームライナーの主翼のメーカーは三菱重工業、主翼と結合する胴体部品を製造するメーカーは富士重工業で、問題となっている部分には両社とボーイング製品が使われていて、現在3社が解決に向けた取り組みを行っているとしています。ボーイングでは、この問題が機体素材の選択や製造プロセスの変更に直結するものではないとしており、比較的修正は簡単だともしています。
ファーストフライトと初号機デリバリーの日程は、補強作業とフライトテストのスケジュールの組み直し後に決定するとしていますが、新スケジュールの決定には数週間がかかるとしています。
B787ドリームライナーは、近年の新型旅客機開発の中でも非常に難産な旅客機になってしまったといって間違いないでしょう。今回のファーストフライト延期で5回目となり、当初の計画から2年遅れてしまいました(これまでの日程変更は表を参照)。
●B787ドリームライナー開発スケジュール日程の変遷
初飛行日程 |
納入時期 |
延期理由 |
|
|---|---|---|---|
当初計画 |
2007年8月27日 |
2008年5月 |
|
2007年10月 |
2008年3月 |
2008年11月~12月 |
部品不足やシステム統合の遅れなどによる組立て作業の遅延 |
2008年1月 |
2008年6月 |
2008年後半~2009年初め |
組立て作業の遅延 |
2008年4月 |
2008年10月~12月 |
2009年7月~9月 |
主翼付け根のウィングボックスの強度に問題 |
2008年12月 |
2009年4月~6月 |
2010年1月~3月 |
ストライキの影響、ファスナー差し替え |
2009年6月 |
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機体側部(主翼と胴体の結合部分)の補強 |
航空アナリストの間では、ファーストフライト延期で少なくとも納入開始が数ヶ月遅れ、最良のシナリオでも納入開始は2010年半ばになるのではとの見方がされています(最悪のシナリオでは1年ほど遅れ、納入開始は2010年末もしくは2011年初めになるとの見方も)。また数週間の遅れであれば問題はないが、数ヶ月かかる改修となれば、コスト増の可能性を指摘する見方もあります。
50機と大量発注している全日空ですが、納入が大幅に遅れるとなると運航計画に影響が出る可能性もあり、発注航空会社各社の対応も気になるところです。また、度重なる延期ですのでボーイングの信用、株価への影響、遅延による機体のキャンセル等、ボーイングにはさまざまな問題が発生しそうです。今後ボーイング側からのスケジュール発表がありましたら、またお伝えします。

