ボーイングは8月27日、6月23日にスケジュール延期の発表をしていたボーイング787ドリームライナー(以下B787)の修正スケジュールを発表しました。今回のスケジュールによると、初飛行は2009年度末、全日空向けの初号機の納入は2010年の第4四半期(10月~12月)となるとのことです。この新スケジュールにボーイングは、機体側部の補強の必要性を反映したもので、フライトテストと認証取得に要する日数に数週間の余裕を持たしているとしています。

写真は2007年7月8日のロールアウトのもの。この時からもう2年も経ってしまいました。この後、5度に渡るスケジュール変更が行われました。今回の修正スケジュールは順調に進んでいって欲しいものです。早く日本の空でB787を見たいものですね。(Photo/Boeing)
度重なる機体不具合の関係から、テスト初号機は多くの作業のやり直しと大幅な改良がされていることから、初号機を含むテスト用の機体3機には25億ドル(日本円で約2325億円)の費用を計上する予定だとしています。しかしボーイングではB787型機プログラムは、損失航空機プログラムではないことを算出しているとしています(最終的には利益に貢献する航空機プログラムとしています)。
今回の発表で、全日空には来年2010年の10月~12月に納入されるとのことですので、早ければ来年の年内、遅くとも2011年の年初には日本の空にB787が登場する見込みとなります。5度のスケジュール変更なので、もしまた不具合や部品の不足やストライキなどがあったら・・・という懸念はぬぐえませんが、今回のスケジュールには新たな不具合が見つかった場合に対応する時間も織り込まれていますので、さすがにこれ以降の大幅なスケジュール変更はないと思われます(ただ、何が起こるかはわかりませんが)。市場もこの発表には好意的で、8月27日のニューヨーク市場でボーイングの株価は上昇し、前日比4.00ドル高の51.82ドルで引けています。
B787チームは、機体側部補強の初期テストをすでに完了しており、接続部の構造を完全化するデザインも最終段階に入っています。静止テストは再度繰り返し行われ、ファーストフライトを実施する前に完全分析が行われ、また疲労テストも改善されたストリンガー(補強材)部位の長期耐久性確認のために実施される予定です(この作業は2~3週間以内に開始される予定)。製造ラインは月産10機体制を2013年度末までには確立し、2009年内に2か所目の工場用地を決定するとしています。
全日空ではこの発表を受けて「航空機を可能な限り最良で安全なものにする必要性を理解しており、納期の遅れがこれらを達成するための技術的な問題によるものであることにも納得している。しかし、787型機のローンチカスタマーであると同時に将来的な運営業者として、今回のさらなる遅延に焦燥を感じ、大きく失望もしている」との声明を発表しています。全日空ではB787を2008年5月に受領するとの予定で、中期経営計画の柱にすえていただけに、度重なる延期は機材計画に影響を与えていました。また、2010年は羽田・成田空港の再拡張の年でもあり航空会社にとってチャンスの年でもあります。このタイミングにうまくB787の運用が開始できることは、全日空とっても大きなアドバンテージになると予想されるだけに、B787の今後のスケジュールは注目です。

