関西国際空港は8月31日、国際線の着陸料を大幅に割り引く緊急施策を実施すると発表しました。これは2009年度冬スケジュール(10月末)から2010年度冬スケジュール(2011年3月下旬)の約1年半の期間、増便を実施する航空会社に、着陸料の割引率を現行の30%から80%に拡大することと、新規就航の場合はさらに20%の補助が適用され、実質無料になるというもの。また大型機材を運航している航空会社に対しても割引が実施され、航空機の200トンを超える部分について現行の1トン2,090円から1,000円に引き下げるとしていて、こちらは2009年10月から2010年3月までの6か月間の適用となります。
また、国際貨物ハブ空港としての機能を強化するために関空物流拠点化促進制度を創設し、2009年度中に一定面積以上の物流施設を新設したり増床したりする契約を結んだ場合、賃料を一定期間大幅に割り引くことも発表されました。
これは、アジアのハブ空港として国際線ネットワークの確保・拡大をめざすもので、韓国・仁川空港などアジアの巨大空港に対抗するものです。ちなみに航空会社が支払う着陸料は国際線ボーイング777(着陸重量280トン)の場合で、割引適用前でいうと関空は1回約58万円。成田国際空港は約45万円、韓国・仁川空港や中国・上海浦東空港では約17万~18万円と大きな差がありました。今回の割引が適用になる10月以降には、10万円前後に下がることにより、航空会社に対して大きなアピールになることは間違いありません。
※蛇足ですが、日本の空港の着陸料は高いとされていますが、航空会社が空港運営会社に払う費用は着陸料だけではありません。たとえば施設使用料などもあり、それらをすべて足した場合の総額は他の外国空港と比べてもそう高いとはいえないのですが、どうしても突出して高い着陸料はクローズアップされてしまうようです。
関空の現状はというと、平成15年度(2003年)の最低回数から4年連続で国際線の発着回数は増加していて平成19年度(2007年)には過去最高の12万8,943回を記録しています。2008年度は2007年度よりも国内航空会社の経営悪化に伴う国内線の減便や世界同時不況による貨物便の運休などにより、発着回数はやや前年を下回りました。今後もまた上昇しつつある燃料費などの悪い要因もあり、発着回数は減少してしまう可能性があります。そんな中のこの割引プログラムですから、関空も相当な危機感を持っているといえるでしょう。
※平成15年はSARSの流行があった年で、2001年のアメリカ同時多発テロで航空需要が落ち込んでいたところ、さらに追い討ちをかけたものでした。
関空では目指す空港として、「アジアそして世界と関西を結ぶゲートウェイ」と「日本初の国際貨物ハブ空港」の2本柱をあげていますが、これはアジアの強力な国際空港との競争に打ち勝たなければ達成できません。今回の割引プログラムは国際競争に勝つための優位性を高めるものとなってほしいものです。

