成田国際空港のB滑走路が10月22日、2,180メートルから2,500メートルに延伸され、供用をスタートしました。予定では2010年3月から供用を開始する予定でしたが、工事が予定より早く終了したこと、また2009年3月に起こったフェデックス機炎上事故でA滑走路が26時間閉鎖したことにより、不慮の事態への対応能力向上を考慮し、前倒しした経緯があります。
離陸1番機は、供用開始を記念して日本航空が運航した函館行きのチャーター機(使用機材はB747-400)となりました。搭乗口では記念行事が行われ、乗客449人を乗せたジャンボは午前7時すぎに、消防車による放水アーチをくぐりぬけ、B滑走路を飛び立ちました。2002年4月18日に2,180メートルで暫定的に供用開始をしてから7年が経過し、成田空港も当初の計画の完成形に近づいてきたといっていいでしょう。
※延伸に時間がかかったのは、反対派地権者との用地交渉が難航し、当初計画とは逆の北側に延長を決めたため。
それでは滑走路が2,500メートルとなったことによって、成田空港は大きく変わります。2,180メートルの暫定滑走路の場合では大型機の離着陸はできず、中型機も燃料搭載量が制限され、暫定滑走路からは長距離路線はほとんど飛ぶことができませんでした(東南アジア周辺が限界)。これが2,500メートルになったことにより、A380を除く大型機の出発便ではアメリカ西海岸路線やモスクワへ直行便などの長距離路線が、到着便ではほぼすべての路線が就航できるようになるのです。これにより着陸回数も2010年の3月には年間着陸回数は20万回から22万回に拡大する予定です(能力的には30万回も可能)。
また懸案とされていた都心までの距離ですが、2010年7月には成田空港と都心(日暮里)を最短36分で結ぶ「成田新高速鉄道」が開業を予定しており、成田は遠いというイメージを払拭できそうです。
混雑空港として発着スロット待ちが多数あり、都心から遠いというアクセスの問題でアジアのほかのハブ空港との競争力が問題視されていた成田空港ですが、B滑走路の供用や成田新高速鉄道開業により、スロット増による新規路線の開設・増便、アクセス問題の解消と、アジアのハブ空港としての地位確立の期待もできますが、まだ問題が山積みなことは否めません。
現在報道でも大きく取り扱いされていますが、前原国土交通相が成田とともに羽田空港を国際的なハブ空港として整備する構想を打ち出し、両空港を一体的にとらえ役割分担に関する具体的な構想つくりを進めています。羽田と成田の関係によく似ているといわれる空港に、ニューヨークの3空港(JFK、ラガーディア、ニューアーク)、ロンドンの2空港(ヒースロー、ガトウィック)があります。しかし羽田と成田と決定的に違うのは、ニューヨークの3空港もロンドンの2空港も空港運営会社は同じということです(ニューヨークはニューヨーク・ニュージャージー港湾公社(PANYNJ)、ロンドンはイギリス空港会社(BAA))。羽田、成田を一体的に運用するといっても、空港の運営会社がそれぞれ違っていれば、さまざまな問題が発生する懸念があります。日本の航空業界を左右するといっても過言ではなく、政府には慎重にそして先の先まで考えた航空政策をとっていただきたいものです。


コメント (1)
近井コアラさん
はじめまして、S0NAMと申します。
どうぞよろしくお願いします。
羽田と成田の役割分担に関しては以前から
歯がゆい思いをしながらニュースを追って
いますけど、なぜロンドン、NYのように、
上手く事を解決できないのか日々思うとこ
ろです。成田空港構想がそもそもの失敗な
のでしょうか?
投稿者: S0NAM | 2009年10月27日 02:38
日時: 2009年10月27日 02:38