日本航空(以下JAL)は10月11日、二酸化炭素の排出量削減を徹底した「究極のエコフライト」をホノルル→関空線(使用機材B747-400)で試験実施し、14トンの二酸化炭素削減に成功しました(運航はJALウェイズ77便)。

エコフライトを実施したJALのボーイング747-400の同型機。今回のデモフライトで14トンもの二酸化炭素削減に成功しました。今後もこうした取り組みが行われ、環境に優しいフライトを実施してもらいたいものです。(Photo/Japan Airlines)
これはアジア太平洋環境プログラム(ASPIRE=Asia and Pacific Initiative to Reduce Emissions)という国際的な取り組みの一環で、これまでアメリカ・オーストラリア・ニュージーランドの各国航空会社(アメリカ=ユナイテッド航空、オーストラリア=カンタス航空、ニュージーランド=ニュージーランド航空)で、それぞれ環境負荷軽減策を盛り込んだデモフライトを実施していましたが、今回の取り組みは国土交通省がアジア初としてASPIREに参加することを受け、JALが実施したものです(ASPIREにはデモフライトが行われた10月11日に関空にて国土交通省の前田航空局長が参加の署名をしました)。
※ASPIREとは、米国連邦航空局(FAA)、オーストラリア管制会社、ニュージーランド管制会社が中心となり、アジア・太平洋における環境保全のため、航空機からの排出ガスを抑える国際的な取り組みで、2008年2月18日に設立されたもの。
それではJALは具体的にどんな取り組みをしたか、ご紹介しましょう。今回実施された対策は、「出発前」、「出発~巡航」、「降下~着陸~到着」時に実施されました。
出発前の対策としては、「航空機重量確定後の燃料計算」、「軽量貨物コンテナの搭載」、「機内搭載品などの軽量化」、「客室乗務員手荷物の軽量化」、「補助動力装置(APU)の停止と地上施設の活用」、「エンジン洗浄」が実施されました(試算では燃料3,377ポンド、CO2排出量4,707kg削減)。出発から巡航時の対策としては、「出発滑走路の変更」、「離陸後の経路短縮」、「飛行高度の調整」、「UPR運航方式の実施」、「DARPS運航方式」が実施されました(試算では燃料3,836ポンド、CO2排出量5,353kg削減)。降下・着陸・到着時の対策としては、「CDA降下方式の実施」、「ディレイドフラップ進入」、「ディレイドギア進入」、「浅いフラップ使用」、「着陸滑走路の変更」、「逆推力装置使用抑制」、「2エンジン地上走行」が実施されました(試算では燃料2,208ポンド、CO2排出量3.080kg)。
※UPR=User Preferred Routeの略。従来の決められた航路ではなく、気象状況等を考慮した安全で効率の良い飛行経路を航空会社が任意に設定する運航方式。
※DARPS=Dynamic Airborne Rerouteの略。巡航中、最新の予測風を元に最適な航路を再計算し、効率の良い経路を飛行する運航方式。
※CDA=Continuous Descent Arrivalの略。降下中、水平飛行せず推力を抑えながら連続的に降下する運航方式。詳細は本ブログ「関空で試行、CDA方式で燃料とCO2削減」(http://blog.tabista.jp/airline/2009/05/cdaco2_1.html)を参照してください。
このようにデモフライトの目標は、環境負荷軽減策を実施しないホノルル→関空便と比較して、消費燃料9,421ポンド(5,362リットル、ドラム缶27本分)の削減、またCO2排出量13,140kgの削減としていました。結果として、燃料5,718リットル(ドラム缶29本分)、CO2排出量14,196kgを削減でき、目標を達成しました。飛行距離1キロ当たりの削減効果は、昨年同型機でエコフライトを実施したユナイテッド航空の1.7倍だったそうです。
今後も同様の取り組みをデモフライトだけではなく通常のフライトにも実施し、消費燃料や排出ガスの削減を図っていき、少しでも環境への取り組みを進めていって欲しいと思います。

