12月15日、ボーイングはボーイング787ドリームライナーのファーストフライトを実施しました。同社のエバレット工場のペインフィールドを従業員や招待客1万2000人以上が見守るなか、現地時間午前10時27分に飛び立ち、約3時間後の13時33分にシアトルのボーイング・フィールド(キング郡国際空港)に着陸しました。

12月15日にファーストフライトを成功させたB787ドリームライナー。ペインフィールドからボーイング・フィールドまで約3時間のフライトを行いました。現在の予定では2010年10月~12月期に全日空にデリバリーされる予定です。早く日本の空で見たいものですね!(Photo/Boeing)
ファーストフライトは、ペインフィールドを離陸後、ファン・デ・フカ海峡の東側上空を通るルートで飛行し、最高度1万5000フィート(約4,572メートル)まで上昇し、最高速度は180ノット(時速333キロ)で運航されました。実は現地は曇天の悪天候で、予定から30分遅れに離陸し、当初予定されていた高速飛行などを実施できなかったそうですが機体は良好とのこと。
本ブログでも何度も紹介していますが、B787ドリームライナーは機体の5割を東レが開発した炭素繊維と樹脂の複合材を採用し、強度を高めつつも軽量化を実現しています。また主翼部分を三菱重工業が、前方胴体・主翼固定後縁・主脚格納庫・中央翼部品を川崎重工業が、中央翼を富士重工業がそれぞれ担当しています。またエンジン部分でも、トレント1000に三菱、GEnxにIHIが参加しています。B787ドリームライナーは、機体の70%程度を海外メーカーなど約70社とともに開発した国際共同事業であり、そのなかで日本企業が占める割合は約35%とダントツなのです。
今後、今回のファーストフライトで使用した機体を含む6機で数ヶ月におよぶフライトテストプログラムが行われる予定です。ファーストフライトで使用した機体は、ロールスロイス製トレント1000のエンジンを搭載したもので、テスト機6機のうち4機がトレント1000、2機がGE製GEnxエンジンが搭載されます。
B787ドリームライナーは、度重なるトラブルにより計画から約2年半という大幅な遅れをとりましたが、同サイズの他の旅客機と比べ、乗客1人当たりで20%の燃費向上、貨物搭載量は45%増量といった最新のエコプレーンです。またキャビン内は従来よりも20センチほど天井が高くなり、約1.6倍の大型の窓の設置、窓のシェードにはエレクトロクロミズムを使った電子カーテン、客室内の灯りはLED、新型フィルターを使用した空気清浄を兼ね備えた加湿器が設置されるなど、乗客にとっても快適な要素がたくさん盛り込まれています。
現在のところ55社から840機が発注されており、ローンチカスタマーである全日空への第1号機は2010年10月~12月期に引き渡しが行われる予定です。また、デリバリー前に世界各地でのデモンストレーションフライトなども行われる予定ですので、商業フライト前にその姿を見ることができるかもしれません。現在のスケジュールですと、全日空により行われる世界で初めての商業フライトは、2011年1月ごろかと思われます。早く日本の空でB787ドリームライナーの勇姿を見たいものですね。

