羽田空港の新管制塔が1月12日より、運用が開始されました。新管制塔は、高さが115.7メートルで、空港管制塔としては、タイ・バンコク・スワンナブーム空港(132.2メートル)、マレーシア・クアラルンプール空港(118.5メートル)に次ぐ世界で3番目の高さとなります(新管制塔完成まで日本の国内最高は成田空港の管制塔87.3メートルでした)。

羽田空港の新ランドマークとなった新管制塔(写真左)。右は空港ビルと一体となっている旧管制塔。世界で3番目に高い管制塔となりました。P2駐車場からは間近に見ることができますので、駐車場を利用する際はじっくりと見てみるのもいいかもしれません。(Photo/国土交通省)
新管制塔の設置は、羽田空港のD滑走路や国際化に対応するためです。旧管制塔(77.6メートル)では、空港島沖合の海上に建設中のD滑走路全体を目視できないという物理的な問題があること、また、管制官の目視を高めることでD滑走路はもちろん4本の滑走路を統合的に管制する目的もあります。
また、2010年10月のD滑走路供用開始とともに、年間発着回数が現在の29.6万回から40.7万回に引き上げられることとなり、1日あたりでは810回から1,115回の増加となり、さらなる混雑空港となることが予想されます。そのため安全面から管制のより精密化・効率化が必要となり、新管制塔では機器の形状や配置を工夫することによりヒューマンエラーの抑止を図るとともに管制業務を効率化できると国土交通省ではコメントしています。
それでは新管制塔について簡単に紹介しましょう。
新管制塔が設置された場所は、羽田空港の「P2」駐車場ビルに隣接する「バスプールエリア」です。旧管制塔は空港管理ビルと一体化していましたが、新管制塔は地上から自立する「フリースタンディング」形式。羽田が海に近いことから、海風を受けても大丈夫なように風揺れ対策や、また最新の免震システム・耐震システムも導入されています。
新管制塔は1階のエントランス部分以外は、頭頂部にある管制室・事務室などのフロアがあるだけで、途中部分はエレベーターと階段だけとなっています。大きな特徴は、360度巨大なガラス窓に覆われた管制室内で、視界をさえぎる柱がないことです。管制官の視認度を高めるために、フロア中央の管制エリアは円形のステージ状になっていて、管制官に高い位置からの視線を確保しています。
管制システムも最新のものが導入されています。航空機が発信する電波により位置、便名、機種が管制室の端末画面に映し出される「マルチラテレーションシステム」が導入されています。さらに非常事態発生時には危機管理業務の拠点になる「統括コントロール室」も設置され、非常時にも対応できる体制を整えています。
さらに1月14日からは、羽田空港と成田空港周辺の空域の管制業務(ターミナル・レーダー管制業務)についても、羽田空港で一元的に行われることとなりました。一元管理により、首都圏の空域の有効活用や業務調整の円滑化が図られ、効率的な管制業務が期待されます。ただ残念なことに14日の運用初日にトラブルが発生したことは、皆さんもニュース等でご覧になっているかと思います。国土交通省では原因究明に努めるとしていますが、今後羽田のD滑走路、成田のB滑走路が本格的に供用開始したら、さらなるトラフィック増加が予想されるので、早急に原因究明して対応し、安全面を万全にしていただきたいものです。
なお、羽田空港の旧管制塔は、緊急時などのバックアップ設備や訓練用として当面残される予定です。

