会社更生手続き中の日本航空と管財人の企業再生支援機構は4月23日、6月末としていた東京地裁への更生計画の提出期限を8月末ごろまでに延期する方針を固めました。東京地裁と協議の上、近く正式に表明する予定です。この更生計画の延期に伴い、当初9月の予定であった企業再生支援機構からの3,000億円の資本増強は2010年末にずれ込む見通しとなります。
この更生計画の延期は、1月19日に公表した再建案からさらにリストラを強化(今年度中にグループの人員を1万6,000人削減)し、国内外の47の路線廃止を実施する方針を決めたため。これにより金融機関や国土交通省との調整に手間取っているためと、更生計画提出に必要な収益や財務見通しなどを大幅に見直す必要があるためです。
気になるのは国内外の47の路線廃止というところですが、現在のところ日本航空から正式な発表はありませんが、以下の路線について運休が濃厚となっています。成田国際空港では、サンフランシスコ・サンパウロ・ミラノ・デンパサール・コナ(ハワイ)線、関西国際空港では、国際線でバンコク・デンパサール・香港・北京・広州線と国内線の福岡線、大阪国際(伊丹)空港では国内線で三沢・松山線、名古屋(小牧)空港で帯広・秋田・山形・新潟・松山・高知・福岡・長崎・熊本線の全便、中部国際空港では国際線で天津・広州・バンコク線、国内線で新千歳・青森・仙台・鹿児島線でそのほかに新千歳空港で出雲線など4路線と、合計で国内線31路線、国際線16路線が運休の検討がされています。
この運休路線のなかでも大幅な撤退と考えられるのが、名古屋空港と中部国際空港の愛知県の路線です。特に名古屋空港は日本航空グループのジェイエアが運航する全路線からの撤退となり、名古屋空港から定期便の就航がなくなることになります。当初の再建案では、名古屋空港は市内から近く小型ジェット機による運航なら採算が採れると判断しており、中部国際空港の国内線の大半を名古屋空港に移管する計画でした。しかし国土交通省は、中部国際空港からは全日空が仙台・鹿児島線を運航しており、利便性のよい名古屋空港に移管を認めると、中部国際空港からの利用客が離れ全日空の収益が悪化し、最終的に日本航空と全日空の共倒れのリスクがあると判断したようで移管が見送られました。

ジェイエアの主力機として名古屋線に導入されているエンブラエル170。ジェイエアは名古屋空港に本社機能と格納庫を持つなど拠点空港として利用していますので、撤退が決定した場合、本社機能やベース空港などの移転を余儀なくされます。名古屋空港はリージョナル・ジェット機の運用空港としての機能が充実していましたので、定期便の撤退はとても残念です。(Image/Japan Airlines)
名古屋空港は以前にも本ブログでご紹介したように、ジェイエアの本社・ベースのある拠点空港であり、ビジネス機専用のターミナルや、隣接する土地では宇宙航空研究開発機構が国産ジェットの研究施設を設置しているので、国産のリージョナル・ジェット機「MRJ」の実証テストを行う予定があるなど、リージョナル・ジェットの拠点空港として今後が楽しみな空港でもありました。日本航空グループが撤退となると地域経済にも大きな影響を与えることとなりますし、また日本での地方空港のリージョナル路線のあり方にも影響が出そうです。
経営再建のために不採算路線からの撤退やリストラ策を採らなければならないのは企業として当然の考えだと思うのですが、利用者や地元、また航空ファンとしては、空港から定期便がなくなることや路線が減少するのは、影響が大きいものです。日本航空には、ぜひとも再建してもらいたいものです。

