2010年4月14日に噴火したアイスランドのエイヤフィヤットラヨークトル火山の火山灰の影響で、ヨーロッパの各空港が閉鎖され欠航が続き、現在ヨーロッパ便では混乱が続いています。近々に該当地区に旅行される方は、航空会社の情報などを確認してください。
4月17日時点(日本時間)でユーロコントロール(ヨーロッパの航空管制を統括)によると民間航空機の運航が認められていない空域は、オーストリア、ベルギー、クロアチア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、大部分のフランス、大部分のドイツ、ハンガリー、アイルランド、北イタリア、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ルーマニア、セルビア、スロベニア、スロバキア、スウェーデン、スイス、ウクライナとイギリスとヨーロッパの多方面にわたっています。またBBCによるとスペイン、ギリシャを除く27か国で空港を閉鎖・部分閉鎖していると伝えていますので、ヨーロッパのほぼ全域に広がってしまいました。
ユーロコントロールによると、16日の欠航実績は18,600便(通常便の64%)。IATAによると現在の混乱が続くと、航空業界の減収は1日当たり2億ドル(約185億円)超になるとの試算を発表しています。
こんなにも各国の航空当局が空域や空港を閉鎖しているかというと、火山灰雲に含まれる岩やガラス・砂の微粒子が航空機のジェット・エンジンを止めてしまう可能性があるからなのです。実際に、1991年のピナツボ火山(フィリピン)の噴火で、航行中の航空機のエンジンが停止するなどの被害が発生しています。
ジェット・エンジンは、前方から取り入れた空気を回転式のコンプレッサーで圧縮し、燃料を混ぜて点火し、その排気ガスを勢いよく後方に噴出し、この反動で推力を得ます。こうしたエンジンは精密部品で構成されていますから、不純物を多く含んだ火山灰が内部に入り込むことで不具合が起こる可能性が高くなるのです。
さらにエンジンだけではなく、ピトー管(機首や主翼前縁に取り付けられている管。対気速度を測定するセンサー)が火山灰の不純物で詰まってしまった場合、計測値が正確に送れなくなり、航空機が正しい高度・速度を検出できなくなって、深刻な事態を起こす可能性があります(1996年のアエロペルー603便墜落事故は、ピトー管に取り付けられたマスキングを外さないまま離陸してしまったために正しい高度・速度が検出できず墜落してしまったという事故があるように、ピトー管はとても大切な計測センサーなのです)。
これからヨーロッパ方面に旅行される方は欠航などで大変だと思いますが、航空機の安全運航のため、乗客の安全を守るための空域・空港閉鎖ですので納得していただけたらと思います。日本線の状況は、18日の運航に関しては、日本航空でヒースロー、シャルル・ド・ゴール、アムステルダム、フランクフルト、ローマ・フィウミチーノで全便欠航、全日空でヒースロー、シャルル・ド・ゴール、フランクフルトで全便欠航と発表されています。外資系エアラインでも同様ですので、まだまだ混乱が続くことが予想されます。19日以降に当該地区に旅行の予定の方は、各航空会社のフライト情報を確認の上、空港に向かってください。

