2010年4月24日記事「日本航空、更生計画提出を8月末ごろまでに延期」の続報です。4月28日に日本航空から正式に2010年度路線便数計画の変更が発表されましたので、ご紹介します。
計画によると国際線15路線と国内線30路線を運休するとしています。地域からの撤退は、国際線でサンパウロ、アムステルダム、ミラノ、ローマ、ブリスベン、デンパサール、コナ、デンパサールの7地点、国内線で名古屋空港(小牧)、広島西、北海道エアシステム路線の丘珠、奥尻の4地点の合計11地点となりました。2009年度の運休・減便などとあわせると、国際線は28路線を運休して11地点から撤退し、国内線は50路線の運休で8地点から撤退することになりました。座席供給量は国際線が2008年度比で約4割減、国内線が約3割減となります。
今回の路線便数計画は、「将来の需要拡大に頼らず、あらゆる経済環境にも耐えうる収益構造を構築して、早期黒字化を実現させること」を目標としているとのこと。また、機材も保有機材の削減(ボーイング747-400、エアバスA300-600Rの年度内退役)や使用機材のダウンサイジングを進めて収益性の向上を図るとしています。
一方で10月に羽田空港の発着枠が増加することを見込んで、ソウル(金浦)、北京、上海、香港、台北、サンフランシスコ、ホノルル、バンコク、パリに路線開設を計画しています。羽田発着の国際線運航便数は現在の1日5便から1日14便に増加する。羽田/サンフランシスコ線が確定した場合、成田/サンフランシスコ線は運休します。
羽田発着の国際線を増やすことにより、大幅に削減されることとなる国際線ネットワークでも必要なネットワークは維持されるとしており、豊富な国内線との接続で日本各地へのアクセスの利便性も図れるとしています。
運休・新規開設路線は以下の表を参照してください。
■日本航空2010年度路線便数計画変更点(運休・開設線)
※国際線の便数は週ベース(便/週)、国内線は日ベース(日/便)で表記しています。
●国際線運休路線
| 路線 | 変更点 | 運休時期 | 備考 |
| 成田/ニューヨーク/サンパウロ | 2便→0便 | 2010/9/30 | サンパウロ撤退 |
| 成田/アムステルダム | 7便→0便 | 2010/9/30 | アムステルダム撤退 |
| 成田/ミラノ | 4便→0便 | 2010/9/30 | ミラノ撤退 |
| 成田/ローマ | 3便→0便 | 2010/10/1 | ローマ撤退 |
| 成田/ブリスベン | 7便→0便 | 2010/9/30*1 | ブリスベン撤退 |
| 成田/デンパサール | 7便→0便 | 2010/10/1 | デンパサール撤退 |
| 成田/コナ/ホノルル | 7便→0便 | 2010/10/30 | コナ撤退 |
| 関空/デンパサール | 7便→0便 | 2010/9/30*2 | デンパサール撤退 |
| 関空/グアム | 7便→0便 | 2010/9/30*3 | |
| 関空/香港 | 7便→0便 | 2010/10/1 | |
| 関空/広州 | 3便→0便 | 2010/10/1 | |
| 関空/北京 | 7便→0便 | 2010/10/1 | |
| 中部/バンコク | 7便→0便 | 2010/10/1 | |
| 中部/広州 | 4便→0便 | 2010/10/1 | |
| 成田/サンフランシスコ | 7便→0便 | 2010/10/31 | 羽田路線確定後 |
*2 デンパサール発は2010/10/1
*3 グアム発は2010/10/1
●国際線開設路線
| 路線 | 便数 | 開設日 | 備考 |
| 羽田/台北(松山) | 14便 | 2010/10/31 | |
| 羽田/サンフランシスコ | 7便 | 2010/10/31 | 羽田線開設後成田線運休 |
| 羽田/ホノルル | 7便 | 2010/10/31 | |
| 羽田/バンコク | 7便 | 2010/10/31 | |
| 羽田/パリ | 7便 | 2010/10/31 |
●国内線運休路線
| 路線 | 変更点 | 運休時期 | 備考 |
| 中部/仙台 | 2便→0便 | 2010/10/1 | JEX運航 |
| 中部/青森 | 2便→0便 | 2010/10/31 | JAL/J-AIR運航 |
| 中部/鹿児島 | 3便→0便 | 2010/10/31 | JEX運航 |
| 名古屋(小牧)/帯広 | 1便→0便 | 2010/10/31 | JAL/J-AIR運航 |
| 名古屋(小牧)/山形 | 1便→0便 | 2010/10/31 | JAL/J-AIR運航 |
| 名古屋(小牧)/福岡 | 5便→0便 | 2010/10/31 | JAL/J-AIR運航 |
| 名古屋(小牧)/長崎 | 1便→0便 | 2010/10/31 | JAL/J-AIR運航 |
| 名古屋(小牧)/秋田 | 2便→0便 | 2011/3/1 | JAL/J-AIR運航 |
| 名古屋(小牧)/松山 | 2便→0便 | 2011/3/1 | JAL/J-AIR運航 |
| 名古屋(小牧)/新潟 | 2便→0便 | 2011/3/27 | JAL/J-AIR運航 |
| 名古屋(小牧)/高知 | 2便→0便 | 2011/3/27 | JAL/J-AIR運航 |
| 名古屋(小牧)/熊本 | 3便→0便 | 2011/3/27 | JAL/J-AIR運航 |
| 新千歳/山形 | 1便→0便 | 2010/10/31 | JAL/J-AIR運航 |
| 関西/福岡 | 2便→0便 | 2010/10/31 | JAL/J-AIR運航 |
| 伊丹/三沢 | 1便→0便 | 2010/10/31 | JAL/J-AIR運航 |
| 伊丹/松山 | 5便→0便 | 2010/10/31 | JAC運航 |
| 広島西/宮崎 | 1便→0便 | 2010/10/31 | JAC運航 |
| 広島西/鹿児島 | 3便→0便 | 2010/10/31 | JAC運航 |
| 鹿児島/岡山 | 2便→0便 | 2010/10/31 | JAC運航 |
| 鹿児島/高松 | 1便→0便 | 2010/10/31 | JAC運航 |
| 那覇/松山 | 1便→0便 | 2010/10/31 | JTA運航 |
| 新千歳/出雲 | 1便→0便 | 2011/3/27 | JAL/J-AIR運航、7・8月季節運航 |
| 新千歳/徳島 | 1便→0便 | 2011/3/27 | JAL/J-AIR運航、7・8月季節運航 |
また日本航空は、これまで北海道と共同出資で運営してきた北海道エアシステム(以下HAC)の経営から撤退する考えで、出資比率を51%から15%未満に引き下げて連結決算の対象から外します。HACの新しい経営方針を示す「事業プラン」は、4月中にも策定される予定で、日本航空と北海道では関係自治体や民間企業に出資を要請し、6月末に経営体制を固めるとしています。現在、HACは丘珠/釧路・函館、新千歳/釧路(函館は12月~3月季節運航)、函館/旭川・釧路・奥尻の6路線13便をサーブ340B(36席)×3機で運航していますが、日本航空の経営撤退により運航コスト増が見込まれ、収支改善のための路線再編が考えられます。こちらも関係自治体の足並みがそろわず、運休路線が出てきそうです。
今回の計画では路線の調整を進め、早期の黒字転換を目指す方針が見えますが、国内線の地点撤退などですでに地方自治体からは再考を求める要望も出されており、調整は難航する可能性があります。

