日本代表残念でしたね。120分の死闘を戦いきり、全力を尽くした選手たちにお疲れさまと言いたいです。さて今回はグループリーグ、決勝トーナメントで日本代表と戦った4チームの国々の航空事情について紹介したいと思います。
●オランダ
「オレンジ軍団」という愛称を持つオランダ代表。オランダはかつて海洋王国として名をはせ、数多くの植民地を持っていました。航空の発展とともにその植民地への運送手段を航空に移したのは、当然のことだったのでしょう。そのためか、オランダのフラッグ・キャリアである“KLMオランダ航空”は、1919年設立と世界で最も長い歴史を持つエアラインです。そして現存する航空会社としては、「世界初」というタイトルを数多く持つエアラインでもあります。世界初の国際定期便の運航、世界初のチャーター便の運航、世界初の航空貨物輸送などなど、さすが歴史のあるエアラインといったところです。日本との関係も古く、1951年12月と非常に早い時期から乗り入れを開始しています。現在でも成田国際空港、関西国際空港の2路線はデイリー運航(アムステルダム線)で就航しています。2004年5月にエールフランスと持株会社方式での経営統合(エールフランス-KLM)を行いました。

KLMオランダ航空のスカイチーム・スペシャル・マーキング機のボーイング777-300ER。日本でもお馴染みのKLMオランダ航空は、成田・関空/アムステルダム線にデイリーで就航しています。(Photo/KLM)
●デンマーク
「ダニッシュ・ダイナマイト」という愛称を持つのがデンマーク代表。デンマークのフラッグ・キャリアといえば“スカンジナビア航空”です。スカンジナビア航空の運営形態は、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの北欧三国による共同組織のエアラインで、複数国による国際航空会社としては最も大規模なエアラインです。出資はスウェーデン4、デンマークとノルウェーがそれぞれ3の割合となっていて、各国政府が自国出資比率の50%の株を保有しています。スカンジナビア航空は北極ルートのパイオニアとしても知られ、「ポーラー・ルート」(1954年に初のコペンハーゲン/ロサンゼルス線の定期便を就航)を独自の運航技術で開発したことは航空史に残る大功績といっていいでしょう。前述のKLMオランダ航空と同様に、日本への乗り入れも早く1951年4月に南回りのバンコク線を延長する形での乗り入れで就航しています。現在は、成田国際空港からコペンハーゲンへデイリーで運航しています。

スカンジナビア航空のエアバスA340-300。日本線は成田/コペンハーゲン線にデイリーで就航しています。ポーラー・ルートの開拓など独自の運航技術には定評があります。(Photo/Scandinavian Airlines)
●カメルーン
「不屈のライオン」の愛称を持つのはカメルーン代表。カメルーンの航空の歴史は1961年のヤウンデ条約からはじまります。1961年3月28日にカメルーンの首都ヤウンデで調印されたこの条約は、西・中部アフリカ11か国が調印した航空運輸の権利を扱ったもので、ダホメ(現ベナン)・オートボルタ(現ブルキナファソ)・中央アフリカ共和国・チャド共和国・コンゴ共和国・コートジボワール・カメルーン・ガボン・モーリタニア・ニジェール・セネガルの11か国にエールフランス、UAT(後のUTA)の合弁企業であるSODETRAFが参加して“エール・アフリック”というエアラインを設立しました。カメルーンは1971年に脱退し、1971年7月26日にカメルーン航空を設立します。しかし、2005年フランス民間航空局が安全懸念のためにカメルーン航空のフランスへのフライトを禁止(後に解除)するなど、安定した業務を続けることができず2008年3月に運航停止となってしまいました。その後カメルーン政府は、自国エアラインの復活を目指し活動中で“Camairco”という航空会社を設立し、2011年4月の運航を目指しテストフライトなどを行っているそうです。
●パラグアイ
先住民のグアラニー族にちなんで「グアラニー」もしくは白と赤という意味の「アルビロハ」という愛称を持つパラグアイ代表。今回の決勝リーグで日本代表のベスト8入りを阻みましたが、パラグアイにとってもワールドカップでベスト8入りというのは、過去最高の戦績となります。日本代表のためにも勝ち進んでもらいたいものです。そんなパラグアイの航空事情は、ブラジルの航空会社TAM航空が深く関わっています。1962年に設立された国営航空会社であったラプサ・エア・パラグアイを1996年にTAM航空の子会社であったARPAが買収。南米各国に就航するTAMメルコスールとなり運航していましたが、2008年にTAM航空と同一のCIを採用し、社名をTAM航空と変更しました。現在はパラグアイの国内線とアルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、ウルグアイへ国際線を運航しています。

2010年5月13日にスターアライアンスに加盟したTAM航空のボーイング777-300ER。ブラジルのフラッグ・キャリアですがパラグアイでも同社の子会社がTAM航空として運航しています。(Photo/TAM Linhas Aereas)
ワールドカップもいよいよベスト8が出揃い優勝チームの行方が気になるところです。日本代表は残念でしたが、世界に“日本は良いチームである”という存在感を残したと思います。健闘をたたえたいと思います。感動をありがとうございます!

