羽田空港のD滑走路が供用を開始することから、再国際線化が進んでいる羽田空港。D滑走路の供用開始が10月21日(旅客ターミナルビル、貨物ターミナル、エプロン、東京モノレールおよび京浜急行電車の新駅の各施設も同日)、国際線定期便の就航開始日を10月31日と決定されてから各航空会社で就航路線が発表されるなど、着々と準備が進んでいます。今回は進む羽田最国際線化の現在の状況についてご紹介したいと思います。
まずアメリカの動きです。アメリカでは7月6日、米国運輸省(DOT)が5月7日に仮決定していた羽田/米国線の4路線について正式に承認しました。該当の路線は、アメリカン航空の羽田/ニューヨーク線、デルタ航空の羽田/ロサンゼルス・デトロイト線、ハワイアン航空の羽田/ホノルル線。これから各航空会社は、事業計画の設定または変更と運賃の設定を国土交通省に申請することとなります。ハワイアン航空は、日本初就航となるため、これから外国人国際航空運送事業を申請し許可を取得する必要があります。各社の具体的な計画は以下のとおり。
●アメリカン航空
羽田/ニューヨーク(JFK)線を2011年1月22日よりボーイング777にて運航開始を予定。
●デルタ航空
羽田/ロサンゼルス・デトロイト線の2路線の就航予定ですが、就航日は現在のところ未定ですが、今後数週間以内にスケジュールを発表予定。
●ハワイアン航空
羽田/ホノルル線を10月31日よりボーイング767-300ERにて運航開始を予定。その後エアバスA330-200の導入も計画している。
アジア系の航空会社の動きも出てきました。マレーシア航空は、深夜早朝時間帯で羽田/コタキナバル線の就航を申請しています。就航日は11月15日で週3便の予定。使用機材はボーイング737-800。キャセイパシフィック航空は、10月31日から羽田/香港線を毎日2便で昼間時間帯に就航することを決定。成田線を1便減便しますが、キャセイパシフィック航空が運航する東京/香港間は10月31日以降、毎日7便となり、現在よりも1便増加することとなり、香港への圧倒的なアクセスの利便性をアピールしていく方針。タイ国際航空は、羽田/バンコク線を10月31日からデイリーで運航する計画(機材はエアバスA330-300)。羽田/バンコク線は、日本航空と全日空も就航を発表していますので、競争が激化する注目路線です。シンガポールも同様にシンガポール航空と日本航空、全日空が羽田/シンガポール(チャンギ)線へ10月31日からの就航を発表している激戦路線です。シンガポール航空は毎日2便、日本航空と全日空は毎日1便の予定です。日本航空は成田/シンガポール線を1便減便しますが全日空とシンガポール航空は増便となりますので、シンガポールへのアクセスはより多様になるかと思われます。
そして気になる日本航空と全日空ですが、それぞれ就航路線を発表しています。まず日本航空は10路線の羽田線の就航を発表しました。新路線は6路線で、羽田/シンガポール・パリ・サンフランシスコ・ホノルル・バンコク・台北(松山)線で、台北線が1日2便で他路線は1日1便。また、現在チャーター便として運航中の羽田/ソウル(金浦)・上海(虹橋)・香港線は、ソウル線を1便増便する計画で定期便に格上げします。
一方全日空は、9路線の羽田線の就航を発表しています。新路線は5路線で、羽田/ロサンゼルス・ホノルル・シンガポール・バンコク・台北(松山)線で、台北線が1日2便で他路線は1日1便。日本航空と同様に現在チャーター便として運航中の羽田/ソウル(金浦)・北京・上海(虹橋)・香港線は、ソウル線を1便増便する計画で定期便に格上げします。
両エアラインともに、チャーター便の格上げと需要旺盛な路線を押さえたものとなっていますが、競合路線も多く運賃等が気になるところ。現在発表されている価格に関しては、日本航空は、ホノルル線とソウル線は成田発着よりも高く設定されており、全日空は全路線で成田発着よりも高く設定しています(羽田/ホノルル線でいうと日本航空はエコノミークラスの「ダイナミックセイバー」で6万5000円から。全日空は「エコ割7」で6万4400円から)。
気になるところは中国向けに用意されている最大1日20便の発着枠ですが、現在、日中航空交渉が止まってしまっていて、北京・上海線についての動向が不透明となっています。北京・上海とも国際・国内線ともに就航需要が旺盛で、日本側のリクエストに応じにくい状況であることが理由です。国土交通省では、交渉再開に向け努力していくとしていますが、タイミングによっては1日20便の発着枠が他国へ配分される可能性もあり注目しておきたいところです。
10月まであと3か月。羽田の再国際線化で成田空港も含む日本の航空事情がどう変わっていくか、両空港のダブル・ハブ化は成功するのか、日本がアジアのハブ空港競争に打ち勝てるのか、課題や問題は多くありますが動向に注目です。

