バリのスグレモノ紹介その3 ジャムゥ「トラック アンギン」

 暮れの29日に骨折した足はどうやらリハビリに入りました。そろそろと歩いている、バリ島在住の中田恵です。
 さて、バリ島で出会えるスグレモノ。前回はジャムゥについてご説明しましたが、今回は数あるジャムゥの中でも、イチオシのお勧め、「トラック アンギン」をご紹介します。

  

 「TOLAK ANGIN」TOLAKとは「拒絶する、断る」、ANGINとは「風邪」の意味。そのものズバリ風邪をひいた時に飲むジャムゥです。成分は米、丁子、生姜、ミント、その他のハーブ類や木の葉、自然のオイル成分などなど。袋を開けると深緑色の、というか、ドブ色の粉末。これを熱いお湯にとかしていただきます。熱いお湯にとかしただけではとてもいただけないようなシロモノなので、ここに蜂蜜やレモンの絞り汁などをいれ、一気に飲めるくらいにお湯の温度が下がったところで、息をしないで一気にいただくのがコツです。
 このジャムゥにはいろいろなバージョンがありまして、豪華版「TOLAK ANGIN KOMPLIT」には、蜂蜜や生姜の粉末、それに朝鮮人参の錠剤まで入っています。これならお湯をわかすだけでオーケー。

 さて、これが普通の風邪薬とどう違うのか。ご説明いたしましょう。
 「なんだか喉がいがいがするな‥」と思ったら、その夜にトラック アンギンを飲んで寝ます。翌日の朝、どうなっているか。「痰がきれる」状態になっているのです。わかります?「風邪の症状が消える」のではないのです。「風邪の症状が出る」のです。これ、すごいと思いませんか?ケミカルな薬の大部分は、熱や痛みのもととなる物質に働きかけてそれを抑える役目をします。けれどこのジャムゥは、「抑える」のはなく、「外に出す」のです。悪いものを外に出してくれるのですよ。「ちょっと熱っぽいな」と思ったら、トラックアンギンを飲んで寝ます。寝ている間にびっくりするくらい汗をかいて、熱がどんどん外へ出て行きます。「抑える」のではなくて「外に押し出す」のです。

 バリ島は熱帯です。熱帯の生命力あふれる自然は、人間のちからでコントロールすることがなかなか難しいのです。人々は自然をコントロールするのでなく、自然とおりあいをつけて生活します。戦うのではなく、自然のちからを尊重して。からだの不調もそのひとつ。たまった疲れがからだを使って危険信号を出してきたら、ここの人たちは「押さえつける」のではなく、それをスムーズに外に出してあげる方法を考えたのでしょう。なかなか侮れない、それは先人の知恵だと思います。

 そういうわけで「TOLAK ANGIN」、私は常に常備しています。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


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コメント (3)

monayuka:

めぐみさん、こんにちは!
コレ、ほ、欲すぃです。今年風邪の当たり年みたいで(私もだけど周りも)なんども風邪引いています。ケミカル薬は飲まない主義なので、葛根湯飲んだり、大量の生姜を紅茶に入れて飲んだりしてしのいでます。年のせいか熱が上がりにくくて治りもおそいです。今度バリ行ったら買ってこようっと。これからもこちらのBlogの記事も楽しみにしてます~。

ベゴ:

めぐみさん。このコーナー、毎回楽しく拝見させていただいています。
ジャムウ<話には聞いていたし、オバサンの絵の描いてある有名なカンバンも目にしていましたがまだ試したことありません。 病気を「抑える」のではなく「外に出す」発想。近代西欧ではあまり無いのでは? 例えは悪いですが、病気を「強盗」にたとえれば、1)コテンパンにやっつける。
2)武器を取り上げ無力化する。3)強盗のターゲットと思わせない。4)入られても「眠ってもらう」。
ジャムウの発想は 侵入られても、そのまま裏口から出て行ってもらう・・・でしょうか?
ところで、男性にオススメのジャムウがあったら教えてください(笑 ぼくには未だ必要ないかな。

めぐみ:

monayukaちゃん
これは風邪だけじゃなくて、「ちょっと体調が悪い」なんて時もいいみたい。
KOMPLETで3000ルピアくらいだから今度いらした時には箱買い?
病気を頭から悪いものと決めつけて怖がるのではなくて、からだが発するひとつの信号としてとらえてからだにもっと気を使う、バリに限らず東洋の「治療」の根本ってそんな感じがします。
大切なのは「自分で治す」ってことだと思いますね。

ベゴさん
男性に必要なジャムゥ?たくさんありますよ~
「肉体疲労時の栄養補給」みたいなのはうちのだんなもしょっちゅう飲んでいます。
バリの「病気に対する考え方」は、…侵入られたら「なんで?」って考えてその原因を探る。
で、その原因を改善する方法を考える。対症療法じゃなくてね。
私の骨折した膝はもうすでに完治しているのですが、まだ膝が硬いのです。
それは膝ではなくて、腰のゆがみから来ているのだそうです。
膝を治すことではなくて、腰からの血液の流れをスムーズにしてあげること、と、ウブドのかの有名なカリスマヒーラー、アルサナ氏より言われました。
バリの医療は奥深いのでした。

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