バリの庶民の台所、市場は、昼にはまたまったく違う顔を見せてくれます。
ある日の昼下がり、ウブドの市場を訪れました。
バリでは、日の出とともに一日の生活が始まります。地元の人達が買い物に訪れて市場が活気付くのは朝の7時前後。市場では、肉も魚も野菜も果物も、冷蔵庫に保管されて売買されるわけではありません。なので朝早い、まだ涼しいうちに買い物に行き、新鮮な肉や野菜を買い求めたら、早く家に戻って早速料理にとりかかる、もしくは家庭の冷蔵庫などに保管する、というのがこちらでは常識。9時頃市場に行ったらお肉も魚も、いい部分はほとんど売り切れているでしょう。だから肉や魚を買おうと思ったら遅くとも朝の7時半までには市場に行かなければ。肉や野菜に比べれば、野菜や果物を売るお店は比較的遅い時間まで開いていますが、それでも12時まで。お昼頃に生鮮食品を扱うお店はすべてビニールシートをかぶせて、店仕舞いしてしまうのが普通です。


朝の市場の風景です(左)。朝の9時頃。そして昼下がり、午後2時頃に同じ場所を撮影したもの。果物の台にはしっかりシートがかけられて、お店の人はもう帰ってしまったあとです(右)。
だいたい午後2時のバリは、暑い。犬もお昼寝です。市場のおばちゃんもおねえちゃんたちも、一仕事終えてしまって、なごやかにおしゃべりなんかしながら、お菓子を食べていたり、お供えものをつくっていたりします。こんな感じ。


ところが、こんな昼下がりの市場が、突然賑やかに騒々しくなることがあります(左)。市場の正面にある駐車場、ここに続々と到着する大型バス。そしてその大型バスから降りてくるのは、台湾からの団体ツァーのご一行様たち。みなさん、お買い物の時間です(右)。
朝の市場が地元民のための台所、だとしたら、昼の市場、それは観光客と市場のたくましき売り手たちとの丁々発止のバトルが繰り広げられる場所。庶民の台所であるところの市場には「安くていいもの」があって当たり前。けど観光客が相手の場合、これが必ずしも「市場は安い」と言い切れない場合もある。なにも知らない観光客と、市場のソンビ婆の対決が繰り広げられる昼間の市場。かくして市場は、朝と昼ではまったく違う顔をみせてくれるというわけ。
次回は勇気を振り絞って、「ゾンビ婆の巣窟」昼間の市場へ潜入してみましょう。
めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。
