ウブドの市場のレポートを続けます。

ウブドの市場の入り口には、大きな木が1本、それを囲むように、祠がたてられていて、ここには神様が祀られています。
今から10年くらい前まで、今駐車場になっているこの場所には、毎夕方から夜にかけてナイトマーケットとしてにぎわいました。夕方の4時くらいから、ガスボンベや調理器具が運び込まれ、日が暮れる頃には盛大なナイトマーケット屋台街に変身していたものです。が、衛生上の理由から、ナイトマーケットは閉鎖されてしまいました。
そのあとウブドの市場は大改造計画のもと、今のような鉄筋の建物ができて、その中にお店が入るというかたちになりました。それまでは空き地のような場所で、毎日かごに入れた商品を持ったおばちゃんたちが地面に座って商品を売っていたのでした。だから雨の日などはとても大変だったのです。
さて、その、ウブドの市場大改造計画の時に、実は一度、このウブド市場正面にある木の一部が、切り倒されました。
けれどそれからしばらくして、市場改造計画のもと、出来上がった新しい建物で火事がありました。幸いボヤ程度で済んだのですが、なんだかそれがミソになってしまって、新しい建物にテナントが入りません。
そして、ウブドの人々は誰ともなくささやき始めました。「木を切ったからじゃないだろうか」。
日本でも「ご神木」というものがあるように、ここでも樹齢を重ねた木は特別に尊敬され、大事にされる存在です。そしてウブドの人々は遅ればせながらも、この、市場の入り口に聳える大木に儀礼をささげそのまわりに新しく市場のお寺をたて、毎朝必ずお供えものをするようになったのです。

ウブドの市場の入り口にひっそりとたつお寺、塀に囲まれているので外からはちょっとよくわかりませんが、一度のぞいてみてください。朝だったら沢山の市場関係者がそれぞれお供えを持ってお参りをしていることでしょう。そして樹齢を重ねたこの大木も、今は人々によって大事に祀られ、市場の入り口で、今日もウブドの人々の営みをじっと見守っていてくれるのです。

めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。

コメント (2)
こんにちは。初めまして。
今更ながらですがブログ形式であることに気づき、初コメントいたします(どきどき)
パサール関連記事は、熱気、人混み、食べ物の匂いが渾然となって蘇って来るような写真と文章で、1年に一度やっとバリへ行けるパサール好きとしては、とても嬉しい記事でした。
そして、この大木、確かに見覚えがあります!
大きいからああやって奉ってるんだと、単純に考えていたのですが、そんな出来事があったのですね。
これからは、朝のパサールほっつき歩きの度に感慨深く見上げることと思います。
続いての現地発信を楽しみにしていますね。
ただ連載の中で、一つ困ったことが・・・ご飯の写真と記事が美味しそうで。とっても困るんです(笑)
当方食いしん坊なので、写真が嬉しい!でも、食べられない。苦しい。ああ、嬉しいジレンマです。
投稿者: mao | 2006年06月15日 17:16
日時: 2006年06月15日 17:16
maoさん
こんにちは!コメントありがとうございます。
バリの人たちの、昔から続く伝統や習慣を大事に守る姿勢というものには、いつも感心させられます。彼らは実はとっても新しモノ好きなんだけど、自分たちが大切にしなくてはいけない自分たちの「核」のようなものをちゃんと知っている人たちなんだと思うんですよね。
市場ひとつとっても、そんなことが見えてきます。
おいしいものの写真、これからもどんどんアップしますから楽しみに待っててくださいね~。
投稿者: めぐみ | 2006年06月16日 11:38
日時: 2006年06月16日 11:38