連日、最低気温はマイナス、日中も帽子がないと耳がちぎれそうなほど寒い日が続いている北京。乾いた北風が舞う道端に、帽子やマフラーで防寒したおじさんやおばさんが、ドラム缶の脇に立っている姿がちらほら見られます。焚き火?と思って近づくと、ドラム缶の上には、大きなサツマイモがごろごろ。実はこれ、冬の北京名物「焼き芋屋さん」
なのです。

北京では、冬になると、街のあちこちに焼き芋屋さんが登場します。リヤカーや軽トラックで「♪いしやき~いも~」と売りに来る日本の焼き芋屋さんとは異なり、北京の焼き芋屋さんは自転車&ドラム缶が商売道具。ドラム缶の中でサツマイモを蒸し焼きにし、ドラム缶と連結させた自転車に乗って、持ち場まで移動すると、道端にじっと静かに立ってお客さんを待っています。


ドラム缶の上に並ぶ、こんがり焼き色のついた焼き芋は、日本のものよりもひとまわり大きな印象。おばちゃん曰く「約2時間、蒸し焼きにする」
という焼き芋は、2個で約1kg、15元(約225円)。コレとコレ、と芋を指差すと、おばちゃんが昔懐かしい天秤で重さを量ってくれます。私が購入していると、通りがかりの男性が立ち止まり2個購入。以前もとある焼き芋屋さんに男性が群がっていたし、もしかして、北京の男性は焼き芋好き? 焼き芋といえば、女性のおやつ、と相場が決まっているのに…なんてぼんやり考えていたら、おばちゃんが「はいよ」と焼き芋を入れた袋を渡してくれました。

購入した焼き芋は、ずしっと重く、特有の甘い香りがぷんぷん。急ぎ足で家に戻り、半分に割ると、中には黄金色の芋がぎっしり詰まっていました。キラキラキラっと輝くお芋さん。がぶりっ。一口かぶりつくと、ホクホクではなく、ベチャベチャっとした予想外の食感…。実は、以前上海に住んでいた友人が、「道端で焼き芋を買って、半分に割ったら、ベチャベチャで垂れてくるから、その場で大急ぎで食べた」と言っていたのですが、その通りでした。ホクホク派の私としては、ちょっぴり不満な焼き芋。でも、甘みは十分。スプーンで中身をほじほじしながら、ぺろりと食べてしまいました。
長さ20cm超の、巨大焼き芋。おやつには十分すぎる食べ応え。余りは皮をむき、バター、砂糖、生クリームと合わせて、スイートポテトにしたら、それまた美味でした。甘美な時間が堪能できる焼き芋。冬が終わらないうちに、ぜひどうぞ。
みわあや
フリーの編集・ライターを経て、2005年10月、結婚を機に中国・北京へ。北京の「美味しいもの・カワイイもの」を探し訪ねる毎日(やや散財気味)。中国語がまったくできず、悪戦苦闘中…。
