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「Sushi」は言う間でもなくもう国際語です。前途にも書きましたが「寿司イコール日本食」はナンセンスといいつつも、寿司の普及がなければここまで日本食の国際化は進まなかったと断言できるでしょう。

新しい日本食レストランが次々と開店していくなかで、私がいつももっとも興味を抱くインタビューは開店20年とかの老舗日本食レストランのオーナーたちの苦労話です。生の魚を食べる習慣などなかったアメリカ人にまぐろ寿司を出し、「焼いてないものを出すとはなにごとだ!」と叱られたり、醤油をドレッシングのようにドボドボと寿司の上にかける客が続出したり。今となっては笑い話ですが、その当時の苦労は相当なものだと思います。そんな先人の開拓精神のおかげで今や寿司は自然食スーパーなどでもパックで売られるようになり、すっかり身近なものとなりました。とはいっても日本のオリジナルスタイルと比べればしゃりが通常より大きすぎたり、わさびは言わなければ横に添えられるだけだったりします。
ただ私がここで言いたいのは観光のみなさんにはその「違い」を楽しんで欲しいと言うこと。空輸で運んできた珍しい旬の魚を丁寧な職人仕事で出す寿司屋もマンハッタンではたくさんあります。お金を出せば伝統的なスタイルの美味しい寿司はいくらでも食べられるのです。でもちょっと変わった寿司はここニューヨークのような異国の地でしか食べられないものですよね。

その代表格と言ってもいいのがロール寿司と言われる「巻きもの」の数々です。カリフォルニアロールにレインボーロール、写真のようなドラゴンロールなどなど名前を聞くと??マークがつきそうな巻きものはここではメジャーです。ドラゴンはアボガドと味のついたウナギのロール。海苔は「インサイド・アウト」スタイルと言って中に巻き込まれています。これは海苔に食べ慣れないアメリカ人への工夫からだと思われます。偏見なしに食べれば、これほど美味しいものはないのです。実際に逆輸入という形で東京ではニューヨークスタイルの巻きものを出す店もあるそうです。私が取材した店の中には、揚げものを挟み、上からチーズをかけて少しあぶった「ボルケーノロール」と言うその名の通りすごい味としかいいようもないものもありました。でも新しい発見があり、またこの巻きものこそお店のオリジナルなスタイルが伺え、新しい味に出会えるものなのです。ネーミングも絶妙で笑ってしまう時もたくさん!

そしてもう一つお勧めしたいのが、伝統的な江戸前スタイルをアレンジした寿司の数々。ネタの上に直接繊細な味をトッピングしてあるものです。中にはハラペーニョやクリームチーズときにはフルーツを加えたソースをほんの少しだけ飾ってあり、そのネタとソースの絶妙なコンビネーションは思わず唸ってしまいます。
握っている人が日本人以外のアジア系移民なのは当たり前、メキシコ人大将だって存在しますし、回転寿司ですらマンハッタンにはあります。「こんなの寿司じゃない!」なんて否定したりしないで、ここまで普及したニューヨークスタイル「スゥシイ」を大いに楽しんでみてください!
アレンジ寿司お勧め店
●Sushi of Gari
402 E. 78th St., New York, NY 10021
tel 212-517-5340
真遊
文筆業。学生時代より音楽、ファッション、文学などを中心とした記事、コラム等を手掛ける。渡米後はNYのライフスタイルを詩的且つリアルな切り口で幅広いメディアに執筆している。
