
前回紹介した「前門大街」。書き忘れましたが、現在この辺り一帯は大改装工事中。通り沿いの店は大部分が閉まっていて、代わりに大きな目隠し用の工事用看板が立てられています。
看板に描かれている絵から察するに…古い街並みを模した、新しいショッピング街が造られる模様。1年半前に訪れた時は、まだ工事が始まっていなかったので、通りは活気に溢れ(というよりは、人と車が入り乱れ、ものすごい喧騒だった…)、昔ながらの雰囲気が漂っていましたが、今は閑散としていて、少し寂しい感じです(前回紹介した漬物屋、靴屋、漢方などの老舗は、通りを一本入ったところにあり、変わりなく営業してますので、ご安心を)。


さて。そんな前門大街の漬物屋を訪れた帰り、角の小さなタバコ屋で気になるものを発見しました。その名は「蜂蜜餅」。ぷにぷにっとした感触の甘いもの、が想像されますが、店先に並んでいるのは、黄色い色をした、分厚い板状のもの。物珍しそうに眺める私に、タバコ屋のお姉ちゃんが、細かく砕いたものを「ほれ、試食」と差し出してくれました。
口の中に入れると…なんともいえない懐かしい味。お砂糖がしゅわっと溶ける感覚。そう、よく縁日などで売っていた「カルメ焼き」に似てるんです。でもカルメ焼きほど甘くないのが、この蜂蜜餅。白ゴマが乗っている硬い表面と、さくさくの蜂の巣状という2層構造になっていて、ちょっぴり香ばしいゴマの味を感じながら、蜂の巣層が口の中でしゅわっと溶けます。そんな不思議な感触と味わいが楽しめる蜂蜜餅は、1枚10元。お茶請けに最高です。

この蜂蜜餅、古くから北京で親しまれてきた「老北京」のお菓子と謳って売られていたのですが、北京っ子の友人に尋ねたところ「そんなの、食べたことない」との答え。そう謳っているだけで、本当は南方のお菓子なのだそうです。その友人が「老北京のお菓子といえば、驢打滾(リューダーグン)よ!」と教えてくれました。驢打滾とは、柔らかい餅の間に小豆の餡を挟み、ぐるぐるっと渦巻状に巻いて、きな粉をまぶしたお菓子。漢字の意味は「ロバが転がる」(!?)というもので、辞書によると、ロバが道で転がると、全身泥だらけになるということから、「利息がついてふくらむ」という意味で使われる言葉だとか。お菓子を作る工程と見た目が、「道端で転がるロバ」を連想させるため、そういうネーミングになったのでしょう。命名者に座布団一枚あげたいです。
驢打滾の香りや味は「あべかわ餅」そのもの。でも、「全く甘くない」という最大のオチ付き!(お店によって多少味が異なるとは思いますが、友人曰く「基本的に、あまり甘くない」お菓子なのだそう)。なんで?? 絶対甘いほうが美味しいのに…。しょうがないので、蜂蜜をたっぷりかけて食べました。♪道端で転がり、泥だらけになるロバに、蜂蜜たっぷりかけて~ と、妙な鼻歌を歌いながら……。
みわあや
フリーの編集・ライターを経て、2005年10月、結婚を機に中国・北京へ。北京の「美味しいもの・カワイイもの」を探し訪ねる毎日(やや散財気味)。中国語がまったくできず、悪戦苦闘中…。
