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私の今の夢の一つに日本に帰り、銀座辺りの老舗蕎麦屋さんのお座敷で着物くらい着付けて、ゆっくり日本酒と共に美味しい蕎麦を味わうというものがあります。

ニューヨークでも数年前からその私の欲望をお座敷こそないけれど、叶えてくれるお店が登場しました。「蕎麦こう」です。蕎麦を扱うお店はそれまでも何店か存在していてみなさんが知っている有名ドラマのロケ等で使用されたりするくらい少しずつ「soba」はブレイクの予感がする日本食の一つでした。実はマンハッタン内で蕎麦を扱うすべてのお店を取材済みなのですが、その中でも一押しのお店なのです。
このお店で使用しているそば粉は、100%米国産のオーガニックで石臼引きの内層粉。石臼引きにすると摩擦熱を持ちにくくなり、そばの実の香りや味を多く残すことができるので、おいしい蕎麦が作れるというわけです。日本から粉をわざわざ取り寄せるより、米国産のものを使用することで粉の鮮度も保たれているそう。舌触りがさらっとして、薄めの麺は本当に上品な美味しさです。また、蕎麦つゆも日本から独自に仕入れた “厚削り”のかつお節を使用するなど、オーナーの高橋さんの徹底したこだわりぶりをうかがうことができます。機械を使う蕎麦レストランも多いなか、その日売り上げる分だけ手打ちをすることで数は限られますが、それだけの価値ある味が楽しめるのです。

メニューは蕎麦のほか、ゆず、みょうがなどを使用したサラダや、さんしょうを使用した焼きもの、蕎麦がきや茶わんむしなどのアペタイザーなども、とても充実しています。日本の地酒も20種類ほど味わえるので、蕎麦のまえにアペタイザーで一杯、というのもいいですね。店内はジャズが流れ雰囲気もくつろげる大人空間。ただしオーナーの意向でキッズフレンドリー(家族連れも歓迎)でもあるそうです。
その他稲庭うどんや熊本ラーメンなど日本でもローカルな麺類を扱うレストランも続々と登場。つまりニューヨークでは麺類も日本の本格的な味を気軽に楽しめる時代になってきているのです。
Sobakou (蕎麦こう)
309 East 5th Street (bet 1st Ave. & 2nd Aves.)
212-254-2244
真遊
文筆業。学生時代より音楽、ファッション、文学などを中心とした記事、コラム等を手掛ける。渡米後はNYのライフスタイルを詩的且つリアルな切り口で幅広いメディアに執筆している。
