2006年12月21日

おいしいバリ あこがれの日本人?

ジングルベルの鈴の音に、雪のイルミネーション。町はすっかりクリスマスに彩られる12月、ではないかと思います、しかしここは、南半球。赤道に程近いバリ。
実は今は1年で一番暑い!と言ってもいいのではないか!という暑さの続く毎日です。


そうは言っても世界的イベントであるクリスマス。バリのスーパーマーケットもこのとおり、クリスマスディスプレイは怠りないのですが、ああ、サンタクロースの姿を見るだけで、暑苦しくていけません。それにサンタクロースのお隣をフト見れば、当然のことのようにリゾートファッションや小物がディスプレイされています。夏と冬がお隣どおし。

従業員もこのとおり。男の子はサンタクロースの帽子をかぶり、女の子はトナカイのかぶりもの。しかし着ているのは半そでのポロシャツ。ああ、なんて似合わないの…バリのクリスマス。そういうわけでバリ島のクリスマス。こんなにも盛り上がらないイベントも珍しいかもしれません。




と、スーパーマーケットの入り口で思わずそんなことを考えてしまった私ですが、本日ご紹介するのは最近スーパーマーケットで見つけたお菓子、MEGUMIです。え?なんで私の名前がついてるの?しかもよく見ればこれ、なんとなつかしい日本のお菓子「かっぱえびせん」ではありませんか。
黒のパッケージは黒こしょう風味、グリーンのパッケージは青のり風味のかっぱえびせん。ネーミングはどちらも「MEGUMI」なのです。
お隣には、おさつスナックが並んでいます。こちらは「MINORI」さらにさらに、こちらではもうすっかりポピュラーなスナック菓子、「TARO」っていうのもあります。こちらは軽い味わいのポテトスナックです。「めぐみ」に「みのり」に「たろー」なんとも不思議なバリのスナック菓子のネーミングです。日本のスナック菓子に外国人の名前をネーミングしているものなど見たことないですよね。ポテトチップスの「マイケル」とか、コーンスナックの「ジュリア」とか。日本人の名前がついたバリの商品というのは実は今にはじまったことではなく、一番有名なのはとりがらスープの素で「まさこ」っていうのがあります。バリの人にとって日本人の名前って、もしかしてちょっとしたアコガレだったりするのかしら?
さて肝心のお味の方ですが、スナック菓子大好きな在住の日本人によれば「日本の製品より味が濃い。ジャンク好きにはたまらない」のだそう。これは多分香辛料のきいた料理を食べなれているバリ人仕様の味付けなのかと。「めぐみ」はビールのお供になかなかよろしいようです。どうぞお試しください。



めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年12月20日

おいしいバリ ジンバランのシーフード屋台

バリ島空の玄関ヌグラライ空港に程近いジンバラン地区
インターコンチネンタル、フォーシーズンズなどの高級ホテルが立ち並ぶリゾート地として有名なこのあたりは、もともとは静かな漁村でした

新鮮なシーフードの恵まれた地の利を生かし、ジンバランのビーチ沿いに魚を焼く屋台が登場し、人気を集めだしたのはかれこれ10年ちょっと前のこと。今ではジンバランと言えば、シフード屋台、と答えが返ってくるほど、バリ島ではその存在を知られるようになりました。それではおいしいシーフードを頂きに、ジンバランへ行ってみましょう。
目の間はすぐにビーチというなんとも素敵なロケーション。日差しの強い昼間は店内で食事をする人ばかりですが、夕方からはこのビーチにもテーブルと椅子が並べられ、夕暮れ時から夜にかけては、波の音をBGMに、空港の夜景をバックに、シーフードに舌鼓をうつ人たちでにぎわうのです

ビーチ沿いにずらりと並ぶシーフード屋台。お店はどこもほとんど同じシステム。入り口に並べられたスチロールの箱の氷の中に並べられたシーフードを自分で選び、調理方法を指定します。生簀の中ではロブスターが泳いでいます。今日は桜鯛、海老、貝を網焼きに、いかを衣をつけて揚げてもらいます。

おいしさの秘訣はなんといっても素材の新鮮さ。それに加えて、ココナッツの殻の炭火でじっくりと焼き上げるその焼き方。炭火焼のお魚は、外側はぱりぱりで中はふっくらとジューシー。ビールなど頂きながら海を眺めて待つことしばし。テーブルの上にはじゃがいも、サラダ、空心菜のいためもの、ご飯にデザートの果物、そしてお塩にレモン、唐辛子醤油、チリソースなどが並べられます。セットメニューなのでこれらは料金に含まれているのです。なんだかお得な気分
そしていよいよシーフードの登場。いかはぷりぷり、魚はジューシー、海老も、貝も、思わずお喋りを忘れて手づかみで頂くしあわせ。




これだけ頂いてひとり6万ルピアもいかない。日本円にして800円程度というお値段も嬉しいジンバランのシーフード屋台。ホテルをチェックアウトしたあと、帰りの飛行機までの時間、空港へ行く前に立ち寄るスポットとしてもオススメです。






めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年11月17日

おいしいバリ パッ セダン


ウブ殿南のはずれ、プンゴセカン。アルマ美術館のすぐ近くに位置する「パッ セダン」を、今日はご紹介しましょう。

「パッ セダン」のパッというのはインドネシア語で「Bapak」を省略したもので、「お父さん」「おじさん」といったように、目上の男性に対する尊称を表します。「パッ セダン」というのは、ですから「セダンおじさん」といったような意味。ちなみにずっと以前ご紹介したバビグリン(豚の丸焼き)で有名なワルンは「イブ オカ」このイブというのは「Ibu」こちらはインドネシア語でお母さん、おばさん。目上の女性に対する尊称です。なので「イブオカ」というのは「オカおばさん」という意味なのですね。

さて、セダンおじさんのこのお店はナシアヤム鶏肉のナシチャンプルが名物です。

朝早く、7時過ぎにはもう店は開店しています。食事に来た人、お持ち帰りを注文する人で朝から大賑わい。

鶏肉を香辛料と一緒に蒸しあげた鶏の蒸し焼き、野菜のあえもの、煮卵にサンバル、それにつくねのサテがこちらの定番。朝早い時間に行けば、つくねだんごのスープもついています。

こちらのお店でなんといっても人気NO.1なのは、このつくねのサテ。サテというのはインドネシアのピーナツソースの串焼き、もしくは焼き鳥として有名ですが、バリのサテは、素材の肉や魚を細かく細かくたたいてミンチにし、それに香辛料を一緒に練りこんで、串につけて焼く、ただの焼き鳥や串焼きよりもずっとずっと手がかかるものです。儀式やお祝い事があるとバリ人家庭では必ずこのサテを作ります。香辛料とやわらかいミンチのお肉が渾然一体となった複雑でスパイシーな味わい。一度食べたらやみつきになることうけあい。

こんなおいしいサテがついてくるセダンおじさんのナシチャンプル。もうひとつ特筆すべきことは、ここ、セダンおじさんの味付けはあんまり唐辛子を使っていないようなのです。慣れないは舌先が痺れて味覚がなくなってしまう唐辛子ではなくて、セダンおじさんが辛さを出すために使っているのは薫り高い胡椒。ぴりっとした胡椒風味の野菜のあえものなどは、われわれ日本人にもかなりなじみやすい味です。

セダンおじさんの店はアルマ美術館のエントランスを出て右方向50メートルほどいって右側。プンゴセカンの大きなガソリンスタンドのお隣です。おかずがなくなり次第おしまいなのは言うまでもありませんが時々、サテや煮卵が先になくなってしまうこともあります。そうなると残ったおかずだけのナシチャンプルとなりますので、そんなことにならないように、遅くとも、お昼の12時くらいまでには行かれることをおすすめいたします。


ワルンの楽しみ方いろいろ

  

今まで色々な、バリのワルンについてご紹介してきましたが、ワルン、と一言で言っていますが実はワルンにも色々な種類があります。ワルン=食事処、というわけではありません。

もともとワルンというのは、飲み物やタバコ、雑貨などを売る、バリ庶民御用達のよろずやのようなもの。今みたいにスーパーマーケットやコンビニがあちこちになかった時代、町や村の中心の市場まで行くのは一苦労だった地域の人たちにとって、ワルンは必要不可欠のものでした。石鹸1個、洗剤やシャンプー一回分の小袋、インスタントラーメンや卵1個。ワルンへ行けばたいていのものは手に入りました。昔はタバコも1本売りで売っていました。1箱買うだけのお金を持っていないおじいちゃんも、野良仕事のあとワルンの店先に座って、1本のタバコと1杯のコーヒーで、つかの間の息抜きをしていたのですね。そこで売っているインスタントラーメンを「おばちゃん、ちょっとこれ作ってよ」「はいよ、ちょっと待ってな、卵は入れるかい?」なんて感じで簡単な食事ができたりする場合もありますし、料理自慢のお母ちゃんのお手製のサテや煮卵を、店先に並べて簡単な食事ができるようにしていたところもありました。ワルンをやっているのが評判の料理上手だったりした場合、人々が毎日おしかけ、しまいによろずやはどこかへ行ってしまってお食事処のワルンとなったりするわけです。もちろん食事類を提供していない、純粋に雑貨屋としてだけのワルンというものもあります

私がはじめてバリ料理を食べたのもそんなワルンのうちのひとつでした。レストランの料理のように、見た目きれいな色ではない茶色っぽいおかずばっかりのナシチャンプルを見て、正直最初はたじろいだのですが、一口つくねのサテを食べてそんな気持ちは吹っ飛んでしまいました。なんておいしい!それからとりこになりました。ワルンを見ればなにかおいしいものがないか、覗いてみないと気がすまなくなっていたあの頃。

さて、海沿いの村へ行くとワルンの店先でよくこんなものを見かけます。

  

これは「ペペス」。魚のとれる海沿いの村では、たいていのワルンでこれを作って売っています。
暑いバリでは、魚も肉も傷みがとても早いもの。そこでこの魚や肉に腐敗を防ぐ目的の香辛料をたっぷりとミックスし、それをバナナの葉に包んで蒸し焼きにしたもの、それが「ペペス」です。こうすることにより、暑い気候でも、肉や魚の腐敗を防ぎ、持ちをよくすることができるのです。それにたっぷりの香辛料が食欲をそそり、ご飯のおかずにはぴったり。

バリの田舎の村を歩けば必ずあるワルン。次回バリ旅行の際には、けしてガイドブックには載っていないだろうけど、こんな隠れたおいしい味を、あなたも探してみませんか?


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年11月08日

バリ テラスパディ

ウブドといえば、渓谷の風景と並んでイメージされるのは棚田、見事なライステラス

その、ライステラスの景観で有名な場所が、ウブドから北上すること15分、テガラランと呼ばれる一帯です。
絵葉書やガイドブックの写真でもおなじみの美しいライステラスの風景。けれど実はこの風景、今まではじっくりと鑑賞することがなかなか難しかったのです。それはナゼか。バリの観光地につきものの「物売りたち」、もしあなたが、この見事なライステラスの景色を見ようと車を停めて車から降りるや否や、次の瞬間あなたは物売りたちに囲まれて「コレ安イヨ、センエン」「サンコデセンエン」「ヤスイヤスイ」攻撃に襲われること必定。
物売りがいない時を見計らって車から降り、写真を2-3枚撮ったら物売りが現れる前にさっさと退散、そんな味気ない観光の方法しかなかった以前。そんなところへこのレストランが登場したのです。

テラスパディ。テガラランの、本当に一番有名なビュースポットの正面に、このレストランはあります。テーブル席のさらに下には、棚田の景色を目の前に眺められる気持ちのいいお座敷席もあって、ここに座って棚田の風に吹かれていると、あらまあ1時間くらいは、あっという間にたってしまっているという、本当に時間を忘れさせてくれる魔法の場所。これでしつこい物売りの攻撃からも身をかわし、じっくりとゆっくりと美しい棚田見物がやっと可能になりました。

お料理は、初めてのバリで誰もが食べたいナシゴレンやミーゴレン、ソトアヤム(チキンスープ)や、サンバルマタというバリのチリソースでいただくツナステーキなどの、いわゆるインドネシア料理、それからサンドイッチなどの軽いスナック。南のビーチエリアに滞在している場合、キンタマーニ高原やブサキ寺院の観光の際などに、ここに立ち寄って軽くお昼をいただくというのがいいと思います。料理はどれも、見た目も美しく丁寧に作られていますし、辛さも控えめですのでバリ初心者にも心配なし。もし辛さが足りなければサンバル(チリソース)を頼みましょう。自家製のおいしいサンバルを持ってきてくれますよ。

実はここでツナステーキのバリ風サンバルソースを注文した時のこと。うちのダンナ(バリ人)のところには辛さに容赦ない本格的なバリ料理サンバルが山ほどかかったツナステーキが運ばれてきました。が、しかし、同じものを頼んだ日本人の友人のところには、見た目は同じなれど辛さ控えめなサンバルが。確かに、バリ人仕様のサンバルは初心者にはかなり強烈。けれどもし「辛くなければ物足りない」バリリピーターの方でしたら、「サンバルは辛くして」とお願いすれば、本格的バリ人仕様のサンバルを召し上がれると思います。

もうひとつここで特筆したいのはフレッシュジュースのおいしさ。季節のフルーツなのでいつもあるとは限りませんが、もしあれば、マンゴジュースとアボガドジュースをぜひお試しあれ。これだけでお腹いっぱいになりそうな濃厚なトロピカルフルーツのジュース。スイカのジュースもすっきりとした甘さでおいしいですよ。

テラスパディのお座敷席で、棚田から吹いてくる風をうけてのんびりとフレッシュジュースをいただくひととき。とってものどかなバリの休日って感じです。あわただしい日本での生活がいつのまにか遥かかなたに飛んで行っちゃうこと請合います。ささ、のんびりしたければ、どうぞいらっしゃいまし。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年10月30日

バリ ワルンイタリア

スミニャックはジャランクンティ沿いに、イタリア料理のワルンがある、と聞いたのはいつ頃だったでしょうか。毎日ヨーロピアンで賑わうそれはそれはおいしくてリーズナブルなお値段のワルンなのだと、風の噂に引かれて行ってみたのはかれこれ1年くらい前だったと思います。いやほんと、ビックリしました。噂にたがわず、大満足のお店。今日ご紹介しますのは、ここ、イタリア料理のワルン「ワルンイタリア」です。
場所はクタのレギャン通りを北上し、スミニャックに入り、マデズワルン2を越したさらに先を右に入って、スーパー「バリデリ」のちょっと手前。「ワルンイタリア」の看板が目印です。
店に入ると目の前に、ショーケースにイタリア料理が並んでいます。これを好きなようにチョイスして、お皿に盛ってもらい、最後にパンかご飯をチョイスするというシステム。ふむふむ、確かにこの方法は「イタリア料理のワルン形式」ってヤツですね。


野菜類のおかずはだいたい1品3000ルピア程度(約40円)。お肉料理だと1品7000ルピア(95円)から9000ルピア(120円)くらいです。マッシュルームと鶏肉のクリーム煮、ラザニア、いんげんのソテーに紫キャベツの酢漬け、ポテトサラダ、トマトサラダ、ガラスケースの中はまったく目移りしてしまうほど料理がいっぱい。しかしお料理はそれだけではありません。別注文で、できたてのパスタやデザートもつくってくれるのです。しかもそれが安い。

スパゲティカルボナーラは大皿に盛られたパスタにおしげもなく生クリームとベーコンを使い、それでなんと驚きのお値段15000ルピア(約200円)です。実はバリでは、ベーコンや生クリームなどの輸入食材はとても高価なちょっとした高級品。ここ、ワルンイタリアのすぐそばにも、スパゲティカルボナーラのランチが有名なおいしいレストランがあるのですが、そこのカルボナーラのお値段は4万ルピア(約500円)ほど。生クリームを使った料理はそれくらいのお値段になってしまっても仕方ない、と思っていた私にとって、ワルンイタリアのカルボナーラは本当に驚きのお値段とボリューム。これからカルボナーラが食べたくなったら、ここですよ、ここ。(ちなみにカルボナーラの写真は、ありません。撮影するのをすっかり忘れてお皿にかぶりついてしまったワタクシです、失礼いたしました。)
こちらはデザートで頼んだティラミス。ふわふわの生地にカスタードの風味。本格的なデザートです。エスプレッソと一緒に。
たまにはこんなお料理で昼下がりの時間を過ごすのもいいもの。勿論ワインなども充実していますのでワイワイと賑やかに、ナイトクラビング前にお腹を満足させるにもぴったりのお店です。スミニャックのワルンイタリー、ほんとに安くてビックリしますよ。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年10月25日

おいしいバリ クデワタンのナシアヤムのお店

ウブドのバビグリンの有名店「イブオカ」に負けずとも劣らぬ人気を誇る、クデワタンのナシアヤムのお店「ジェロマンクゥ」をご紹介します。

 ビーチエリアからバトゥブランを過ぎて、まっすぐウブドに向かう道は、やがて「アマンダリ」「フォーシーズンズ」といった超超高級リゾートホテルの立ち並ぶサヤンへと続いていきます。さらに通り越して、クデワタンという地域に入り、これも有名な高級ホテル、クプクプバロンの少し手前の右側、ここ「ナシアヤム クデワタン」の名前で知られる「ジェロマンクゥ」の看板が見えてきます。
店内は広くて清潔。いつ行っても地元の人で大賑わい。西欧人の姿もちらほら。東屋風のおしゃれなガーデン席もあります。

メニューは1種類。ナシアヤムのみ。ナシアヤムとはアヤム(鶏)料理を主体にしたナシチャンプルのこと。その名の通り、香辛料でじっくり煮込んだ柔らかい鶏肉をメインに、内臓、レバーのから揚げ、野菜、煮込み卵などがバランスよくトッピングされています。
ごくごく個人的な好みを言わせていただくなら、実はここのナシアヤム、私にとってはバリで「一番!」のナシチャンプル。それはナゼ?私にとって、ナシチャンプルに「入っていたら嬉しいな」って思うおかずが、すべて揃っているからなんです。
まず、かりかりに揚げたピーナッツ。え?ご飯にピーナッツ?そうなんです。バリではご飯にふりかけみたいにしてかりかりに揚げたピーナッツをかけることをよくします。バリのピーナッツは日本の落花生の3分の1くらいの大きさ。これを油でじっくり揚げるとかりかりの食感がたまらない、やめられないスグレモノ。これをご飯にぱらぱらと降りかけていただくのです。それからまたしてもかりかりに揚げた内臓類。レバーや砂肝の類です。
これらと一緒にいただくのは、お皿の片隅に添えられた赤い唐辛子を揚げたものにお塩をまぶした、サンバルゴレン。インドネシアのチリソースサンバルにはいろいろな種類があります。たいていのお店では、唐辛子やにんにくなどにトマトを加えてすりつぶし油でじっくり香りを引き出すように炒めるたサンバルトマトが主流なのですが、このお店のサンバルは唐辛子をじっくり炒めたものに、お塩をまぶしただけのサンバルゴレン。しかしね、このぴりっとした単刀直入な辛さは、かりかりの揚げ物系に実にぴったりなのですよ。
そしてそして、ここでナシアヤムをいただく時に、私がいつも最後の最後にとっておくおかず。それは「煮卵」。このお店の煮卵は天下一品です。白身の部分くまなく色が変わっている、本当に味のしみ込んだ満足の煮卵なのです。煮卵愛好会をつくりたいくらい、煮卵大好きな私にとって、ナシアヤムクデワタンの煮卵、これにまさるおかずにはいまだかつて出会っておりません。そう断言してもいいくらい、おいしい!!
全体的にお味は辛くてしょっぱくて、かなりパンチがあります。それにさらにサンバルゴレンなどで辛味を補充するのですから、辛さに強い方にオススメのお店です。料理が売切れ次第終了ですので、できれば午前中、遅くとも午後はやめの時間に行かれることをオススメします。ナシアヤムクデワタン「ジェロマンクゥ」ほんとにおいしいですよ。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年09月20日

おいしいバリーティーブレイクしましょ。

バリのおいしいワルン紹介、今日はちょっと趣向を変えて「お茶しましょ」。ティーブレイクにおすすめのお店を3軒、ご紹介いたしましょう。

まずはウブド、ジャランラヤウブドがハヌマン通りを交差するすぐ近くにできた「カフェ モカ」。スミニャックでおなじみの「カフェ モカ」のウブド支店です。


ここはなんと言ってもお値段が安いのが嬉しい。こんなに大きなアップルパイが15000ルピア(190円)、手前の小さなミニケーキは1個6000ルピア(80円) です。ベイカリーを併設していて、クロワッサンやキッシュ、デニッシュなどパンの品揃えも豊富。朝ごはんの営業もしているので、ペストリーとコーヒーで軽い朝ごはんをとる西欧人の姿もちらほら。ケーキだけじゃなくて、サンドイッチやサラダ、スパゲッティなどの軽食メニューもあります。ウブドには珍しくエアコン完備の店内は、街歩きにちょっと疲れた時の休憩場所としても、一日中利用価値大、です。

さてさて、暑い日差しの中、待ち歩きに疲れたら、冷たくて甘いもの、飲みたくなりませんか?そこでオススメいたしますのがクロボカン「ワルン ブナナ」『Gokutabi BALI』でもご紹介しているお店です。

ぜひ味わっていただきたいのが、「エス テ タリック シナモン」シナモンアイスミルクティーです。「タリック」というのは「引っ張る」という意味。ごらんください。ミルクティーをつくる、この見事な職人技。お姉ちゃん、笑いながら引っ張ってます、ミルクティー。





こうやって引っ張ってできたシナモンアイスミルクティー。泡だってます。

優しい甘さが、街歩きに疲れたからだを生き返らせてくれるよう。みなさまもぜひぜひ、クロボカンにいらした際にはお試しくださいね。


最後は、ぐっとムーディーに。ナイトライフの締めくくりにちょっとコーヒーなどいただきたくなったら。ウブドはサッカーグラウンド脇の、「トゥットマック」のダブルエスプレッソ。二層になったエスプレッソコーヒーがおしゃれ。キャンドルの灯りの中でコーヒーをはさんでしっとりと恋人どうしの会話でも、どうぞお楽しみください。え?夜はやっぱりお酒がいい、って?はい、それはまた、改めてこちらでご紹介いたしましょう。バリのティーブレイク、あなたはどのお店に行きますか?


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年09月15日

おいしいバリーデンパサール&ウブド「ミー アヤム ジャカルタ」 

バリは「白飯文化」のお土地柄。たとえおかずは少しでも、たっぷりの白いご飯がなければ、バリ人は食事をした気になりません。ということで、中国人の文化「麺」は、ここでは決して「食の主役」になれない役回り。でもでも、日本人は麺好きですよね。なにをかくそう、この私も、日本にいた頃は一週間毎日麺でもいいくらいの麺食い人間。バリでおいしい麺料理、めぐりあえないとなおさら募る思い。

デンパサールは昔から華僑系のインドネシア人が多く住む街。なので、デンパサールにいけば必ず食べられるおいしいインドネシアの麺がありました。それが「ミー アヤム ジャカルタ」。小ぶりのどんぶりに、麺、青菜、そして鶏肉を甘しょっぱく煮付けたそぼろが載っています。一緒に出てくる小さな器には、鶏ダシの透明なスープ。つけ麺にして食べるもよし。麺のどんぶりにスープをぶっかけて食べるもよし。透明な鶏ダシスープが、甘しょっぱく煮付けた鶏そぼろと混じり合って、スープの色がいい感じに濁ってきます。この、基本の「ミー アヤム ジャカルタ」にトッピングをいろいろと。ミー アヤム バッソーはバッソー(つみれ団子)いり。ミー アヤム パンシットはパンシット(ワンタン)いり。ミー アヤム ジャムールはジャムール(マッシュルーム)いり。そしてミー アヤム コンプリットは、コンプリット(完全)、すべてのトッピングつき。

麺好きの私を限りなくひきつけるこの「ミー アヤム ジャカルタ」の支店が、昨年末とうとうウブドにもオープンいたしました。ウブド大通りがハヌマン通りと交差する角近くに、ミー アヤム ジャカルタウブド店、営業しています。
安くて早くておいしくて、ちょっと小腹が空いた時には、ぴったりのこのミー アヤム ジャカルタ。私のお気に入りは「ミー アヤム パンシット ジャムール」です。その名の通り、ワンタンとマッシュルームいり。
注文して、でてきた状態が、これ。ん?ワンタンがない?


ワンタンは麺の底に埋もれています。お肉たっぷりの大きなワンタンが2個。はい、こんな感じ。

このお店では、ミー アヤム ジャカルタの他にも、魅力的な麺メニューと「辛くない」チャイニーズテイストのメニューを揃えています。旅行者の皆さんが滞在中に一度は口にするであろうバリを代表する料理(?)ナシゴレンにミーゴレン、野菜炒めを焼きそばのうえに載せたミー シラムなどなど。そしてどれもとってもリーズナブルなお値段が嬉しい。基本のミー アヤム ジャカルタは8000ルピア(100円)。ワンタンとマッシュルームいりの私のお気に入り、ミー アヤム パンシット ジャムールでさえ、10000ルピア(130円)です。
ローカルも在住者も旅行者も、じゅうぶん満足させてくれる「ミー アヤム ジュカルタ」ウブド支店。毎日朝の9時半から夜の11時まで営業しています。私も週に一度は通ってます。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年09月06日

おいしいバリーサヌール「マックベン」 

サヌールのランドマーク、バリビーチホテルからさらに海に向かって進むと、左側にいつも大賑わいのワルンがあります。今日ご紹介するのはここ、「ワルン マックベン」

お店の先は、もうサヌールビーチ。眩しい海がすぐそこです。



マックベンはいつ行ってもお客さんがいっぱい。座れないかな、って状況もたびたびです。でもここのお料理は一種類だけ揚げた魚に、魚のスープ、そしてご飯のセット。食べ終わった人からどんどん席をたって行きますので、混んでいてもちょっと我慢して待っていましょう。

席を見つけて座るとお店の人が飲み物の注文をとりにきます。そして飲み物と一緒に、マックベン揚げ魚定食、すぐに運ばれてきます。


こちらがマックベンの揚げ魚定食。



からりとあがった揚げ魚は、小骨ならばりばりと噛み砕いて食べてしまえるくらいです。注意すべきは添えられているサンバル(チリソース)。これ、半端じゃなく辛いです。辛さに強いうちの旦那(バリ人)でさえ、「辛い」と驚いたサンバルです。けど、おいしいのです。やっぱりサンバルを使わない揚げ魚なんて、食べられません。たっぷりつけて、いただいてください。リモーというバリの「すだち」のような果物が、サンバルに添えられてきますので、これをサンバルの上にちょっと絞ってみましょう。少しだけ辛さが和らいで、さわやかな味になります。

さて、特筆すべきはここのスープ。これも魚がまるごと1尾入っているスープには、なんときゅうりの煮込みが。2センチくらいの厚さで輪切りにしたきゅうりが、柔らかく煮込まれているのです。きゅうりの煮込み。最初はびっくりしたんですけど、スープの味がしみこんでなかなかいい味わいに仕上がっています。そう、しいていえば「冬瓜」のような味わい。きゅうりの煮込み、いけますよ、みなさん。

マックベンの揚げ魚定食は、3点セットで16,000ルピア。200円ちょっと、です。ローカルワルンにしては、ちょっと高めのお値段ですけれど、いつもいつも賑わっています。お昼時になると近くで働く公務員のインドネシア人が、きりっとした制服姿で店を占領、なんて光景もしばしば。とっても込み合うお店なので食事がすんだらさっさと席をたつのが、エチケットですね。

目の前はサヌールビーチ。ジュースでも買ってビーチを眺めながら、辛さで熱くなった口の中を覚ますのもいいんじゃないかと思います。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年08月30日

おいしいバリーウブド「マンガ マドゥ」

ウブド大通りがプリアタン通りと交差する角からさらに東、マヤウブドという高級ホテルへ向かう道に入って50メートルほど行ったところに、「マンガ マドゥ」という小さなワルンがあります。




ワルンとは言え、こじんまりと清潔な店構え、そしてワルンの名に恥じないリーズナブルプライスとおいしいお料理で、ローカルにも旅行者にも在住者にも人気のこのお店。今日はこのお店をご紹介いたします。

ここのオーナーはもともと、ウブド一番の繁華街、モンキーフォレスト通りで老舗として知られているディアンレストランのオーナーだったおばあちゃま。何年か前にディアンの経営を息子さん夫婦に譲り、悠々楽隠居すればいいのですが、もともと料理上手なうえに料理をつくって人を持て成すのが大好きなこのおばあちゃま。楽隠居なんてしてるのは性にあわない、それじゃちょっとちっちゃな店でもやろうかしらね、ってことで、はじめたお店がここ、マンガ マドゥ。料理がおいしいのは当たり前なのです。

ジャワ出身のオーナーのレシピによりこちらのお料理は、ジャワ料理がメイン。辛さ控えめのお味は、旅行者にも抵抗なくいただけます。ナシチャンプールが9500ルピアと驚きの安さなのですが、私がここに来ると必ず注文する2品を今日はご紹介しますね。




まずはソトアヤム、インドネシアのチキンスープです。チキンのだしがきいたスープの中には、揚げたチキンを細く裂いたもの、春雨ときゃべつ、そしてゆで卵が。トッピングがなんとポテトチップ。これがいけるのです。一緒についてくるのは、インドネシアの辛いサンバルソース(唐辛子ソース)とレモンが一切れ。レモンを絞っていただけば、さわやかな酸味が口いっぱいに広がって、最後の一滴まで残すことなくいただいてしまう、ほんとにおいしいスープです。ご飯がついて6000ルピア(80円)

もうひとつはカンクン ウダン。カンクンとは空心菜、ウダンとはえびのこと。空心菜と小エビのいためものです。空心菜は安価で、こちらではしょっちゅう食卓に上るポピュラーな食材ですが、ここ、マンガ マドゥの空心菜いためは、空心菜がとにかく新鮮。空心菜は育つのも早く、あっというまに茎が硬くなってしまうのですが、こちらでいただく空心菜はいつも若くてフレッシュ、とってもやわらかいのです。そんなおいしい空心菜に、これでもかとにんにくをきかせて、小エビと一緒にお醤油ベースで炒めたこのカンクン ウダン。お値段もなんと5000ルピア(70円)です。

ソトアヤムとカンクンウダンで、ほんとうに幸せになってしまうのだから、マンガ マドゥ、やめられません。

ほかにもメニューはたくさんあります。ツナやチキン、カレーや、もちろん有名なナシゴレン、ミーゴレンも。アヤム ケジュといって、チキンの胸肉にチーズをはさんで揚げたものにたっぷりのフライドポテトを添えた料理なども。これ、旅行者相手のレストランでは平気で3万ルピアくらいのお値段で出しているものなんですけどマンガ マドゥでは19000ルピアで頂けてしまいます。お得です。

近くには、ウブドいちおしの楽しいお買い物スポット、スーパーマーケットのデルタデワタもあります。マンガ マドゥ、次回デルタデワタのお買い物の帰りに、ぜひとも足を伸ばして、たくさんのメニューの中からあなたのお気に入りを見つけてください。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年08月11日

おいしいバリ サヌール「ワルン プラヤンガン」

サヌールはクタ、ヌサドゥアと並ぶバリを代表するビーチリゾートです。波が穏やかで遠浅、サーフィンやマリンスポーツ向きではないけれど、その落ち着いたたたずまいを好んで、昔から欧米からの長期滞在者が多かった場所。一時、発展から取り残されてしまって、「さびれたビーチリゾート」などと言われていたサヌールですが、最近はむしろこの静かさが在住外国人に好まれ、しゃれたイタリアンレストランやカフェも登場してきました。

さて、このサヌールのメイン通りが、ホテルの立ち並ぶタンブリンガン通りです。今日ご紹介するのは、このタンブリンガン通りをクタ方面に進み、突き当たった右側にあるローカルワルン「ワルン プラヤンガン」です。

いつ来てもローカルで大賑わいのワルン。ローカルが多いというのは、安くておいしい証拠です。お昼時になると近隣のオフィスで働いているビジネスマンらしきバリ人や、公務員のみなさんもお昼を食べに大挙してやってきます。広いキッチンにたくさんのスタッフの女の子たち、いつ行っても忙しそうです。

実は私はこのワルンでは、注文するものがいつも決まっています。焼き魚と魚のスープです。それに野菜を1皿。魚はその日の仕入れ次第で種類が違いますが、新鮮なものがいつも用意されています。それを「焼く」か「揚げる」か、調理法を選んで注文します。注文を受けてから焼いてくれるので、少々お時間がかかりますが、ココナッツの殻の炭火で焼きあげたお魚、おいしさは保証つき。この焼き魚は「イカン(魚) バカール(焼く) プダス(辛い)」と言って、そのナの通り、唐辛子のソースをたっぷりとつけながら焼きます

魚のスープはぶつ切りにした魚が、これもまるまる1匹入っています。レモングラスやターメリックや生姜などの香辛料を利かせたスープは、トムヤンクン風味わい。私はいつも唐辛子をたっぷり入れて辛くしてもらいますが、唐辛子抜きの注文にも応じてもらえます。

これだけではちょっと野菜が足りないので、そこに茹でた空心菜ともやしを追加します。上にかかっているのはインドネシアの辛い辛いサンバルソース(唐辛子ソース)。サンバルと野菜をあえて頂いてもいいのですが、この、さっと茹でた野菜を魚のトムヤンクン風スープにぶち込んで、スープの辛さを調節しながらいただけば、野菜も一緒にとれるし、◎。

ビーチに近いエリアには、このようにお魚をメインで出す食堂がたくさんあります。この量で、ご飯をとってふたりで食事してじゅうぶん満足の量。ご飯と飲み物を注文して、ふたりで予算はだいたい5万ルピア(700円くらい)。ローカルプライスは嬉しいですね。お腹がいっぱいになったら、ぶらぶらとビーチをお散歩するのもおすすめです。サヌールのメイン通りからはちょっと離れていますが、ワルンプラヤンガン、探していく価値大!ですよ。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年07月28日

おいしいバリ タガス「ワルンタガス」

ウブドのお隣の村プリアタンのはずれには、タガスという村があり、ここに昔からおいしくて有名なナシチャンプル屋さんがあります。今日はこのお店「ワルンタガス」をご紹介しましょう。



バリ人にも、在住外国人にも大人気のこのワルン。人気の秘密はやっぱり「味」です。ワルンタガスのナシチャンプルは、辛くない。

だいたいにおいてバリ料理というのは、しょっぱくて辛いのが特徴です。唐辛子とにんにくと塩を多用して、脳天を直撃するような強烈な味つけです。インドネシアでも別の島では、ココナッツミルクを使ってマイルドな味付けのものや、甘酸っぱい味付けのものがあったりもするのですがバリ島の料理は、ただもう、辛くてしょっぱいものが多い。私、実は密かに「下品な味」と呼んでおります。でも誤解なさらないでね、「下品な味」って人を惹きつけるのよね。やめられなくなっちゃうのよね。はい、それはそれで、はまったら抜けられないおいしさ、なのです。バリ料理。

ところが、ここ、ワルンタガスの料理、はっきり言って「辛くない」のです。そのかわりに素材の味がしっかりと生きています。ここがポイント。日本料理が「素材の持ち味をいかす」料理だとしたら、バリ料理というのは「香辛料を多用して素材の持ち味を徹底的になくす」料理、と言いかえていいかもしれない、と私は思っているのですが、ワルンタガスのお料理は、野菜の味や肉の味が、控えめな香辛料とからまって、しっかり残っているのです。

バリの人だって、そうそう毎日脳天直撃の強烈な味ばっかり食べていたら、たまにはあっさりいきたいな、ってことだってあるわけですよ。というわけでこの、ワルンタガス、バリ人にも、そしてなんと言っても、辛いものが苦手な在住外国人には強い強い味方。あ、でもね、外国人向けのレストランのように、必要な香辛料まで抜いて辛さを弱くした無国籍な味付けには決してなってはおりません。料理は正真正銘、正統的なバリ料理

お店の奥のガラスケースで奥さんが、白いご飯と一緒にお料理の数々をお皿に盛り付けてくれます。ちなみにここの奥さんは評判の美人です。このとおり。




ごらんください、このおかずのラインナップ。「ガルンガン」の項目で以前にもご紹介した、生血で和えたラワールまで入っています。なかなか食べられるものじゃありません。正統的なバリ料理のオンパレード。ちなみにこれは「豚肉のナシチャンプル」、まあ、「豚定食」ってところですか。他にも「鶏肉のナシチャンプル」「ベジタリアンアシチャンプル」など、お好みで注文できます。


さっぱりとしたナシチャンプル。辛いものが苦手な方にも自信を持っておすすめできるワルンタガスのナシチャンプル。とっても有名なお店ですので、ウブド周辺では誰もが知っています。バリは好きだけど、辛いものがどうしても苦手、という方にはもちろん、辛いものが大好きで料理にも唐辛子やサンバル(チリソース)をいつもどっさりかける、という方にも、一度味わっていただきたい。バリ料理に対する印象が、ちょっと変わりますよ。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年07月21日

おいしいバリ プリアタン「バッソーソロ」

今日はみなさまに「バッソー」をご紹介します。
バッソーとは「BAKSO」と書きます。kは発音してはいけません。バッ(ク)ソー、と、飲み込んで発音します。「バクソ」とはっきり発音すると、なんだか食べる気しなくなりますよね?

バッソーはバリ人、いやインドネシア人はみんな大好きな、つみれ団子の入ったスープです。夕方になるとどこからか、チリンチリンと鈴を鳴らしながらやってくる移動式屋台のお兄ちゃんたち。その中でもバッソーはバリ人の大好物。大鍋にぐらぐら沸いているスープの中にはつみれが浮かんでいます。きゃべつと春雨をお椀にいれて、そこにこのつみれ団子いりスープを注ぐ。お好みで豆腐やワンタンやゆで卵をトッピングして、お醤油やチリソースでこれもお好みの味に調節していただくバッソーは、おやつとしても、軽い食事としてもとっても手軽でおいしいのです。

ところがこの移動式屋台のバッソー屋さん、これがこの春突然ウブドから姿を消しました。こういう移動式屋台をひいて商売をしているのは、バリ人ではなくて出稼ぎで外の島からやってきた人たち。昨今の情勢不安定なインドネシアの中で、治安の悪化に頭を悩ませたバリ島ギャニヤール県ウブド地区では、一斉にこの「出稼ぎ移動式屋台」のお兄ちゃんたちを一掃したのでした。

というわけで、移動式屋台のバッソーが食べられなくなってしまったウブド地区。でも、大丈夫です。実はウブドのお隣プリアタン村に、昔から有名なおいしいバッソー屋さんがあるのです。今日はその、プリアタンの「バッソー ソロ」をご紹介いたします。

プリアタンの王宮前、バッソーソロはとっても小さなお店です。でも見逃す心配はありません。ここはいつ来てもローカルのお客さんでいっぱい。午前中は軽い朝ごはんがわりに立ち寄る人、お昼時にはお昼をさっとすませようと子供を連れたお母さんが、午後になると学校帰りの高校生や仕事を終えた人たちが、そして土曜日にはカップルのデート、ファミリーの軽い食事に、と、いつ来ても大賑わいのお店です。

メニューは3種類。大きなバッソーの入った「バッソー アヤム」と、甘く煮た鶏肉をトッピングした「ミー アヤム」、そしてそのふたつが合体した「ミー バッソー アヤム」。
注文を受けると店の奥の大鍋をしつらえた台のところで、お兄ちゃんたちが手早くちゃっちゃっと作ってくれます。青菜をさっと茹でてお椀にいれ、そこに大鍋からスープを注いでできあがり。





どんなにおいしくてもバッソーというのは言ってみれば屋台料理。レストランでかしこまっていただくものではありません。早い、安い、うまい、がバッソーの条件。こちらのバッソーソロはバッソー1杯なんと3000ルピア(40円)。小腹がすいた時にちょっと立ち寄れる手軽さは、まさにバリのファストフードのチャンピオンといったところでしょうか。ビニール袋にいれたバッソーをお持ち帰りする人もいます。

「バッソーソロ」のバッソーはつみれ団子が大きくて、なかなかのボリュームです。これに白いご飯を別注文して、立派に1食としてしまうバリ人もいます。これに比べると移動式屋台のバッソーはつみれも小さいのですが、とはいえ移動式屋台を呼び止めて、道端に座り込んでいただくバッソーというのもまた楽しいもの。移動式屋台禁止令が解かれて、またあのチリンチリンとしたのどかな鈴の音を楽しみに待つ夕暮れが来ないかな、と心密かに願う私です。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年07月12日

おいしいバリ ウブド「イブオカ」

庶民の台所、市場の魅力をお伝えするこのウエブブログ。今日からはちょっと趣向を変えて、庶民の食処、ローカルの集まるおいしい食堂をご紹介していきたいと思います。

インドネシアはご承知の通り、世界最大のイスラム人口を抱える国ではありますが、その中にあってバリ島だけはヒンドゥー教の島。ということで、バリでは、インドネシアのほかの地域では食べられないおいしいものが実はたくさんあるのです。

ここまで言えば、バリリピーターの皆様はもうおわかりのはず。そう、本日はバビグリンをご紹介しましょう。バビとは豚、イスラムではタブーの豚肉も、バリではおいしい料理に変身です。バビグリンとは「豚の丸焼き」のこと。

バビグリンで有名なウブド王宮近くのワルン(食堂)「イブオカ」です。

今も王家の末裔が住むウブド王宮前は、ウブドのランドマーク。昼間はクタやヌサドゥアなどのビーチエリアから「ウブド一日観光」でここを訪れるお客様たちの乗ってきた車がずらっと並びます。王宮前の集会所ではお客様を待つガイドたちがおしゃべりに花を咲かし、ガイド目当てにお菓子売りやコーヒー売りのおばちゃんたちも大忙し。



そしてそこから歩いて10メートルも離れていないところに、この、バビグリンで有名なワルン「イブオカ」があります。
訪れたのは昼の1時過ぎ。本日2頭目の焼きあがった豚の解体作業のまっ最中でした。あめ色に輝く皮の部分と、肉の部分が切り分けられていきます。


バビグリンのつくりかたは、豚の喉元を切って息の根を止め、そこから血をすべて流します。そのあと豚の表面を焼いて毛をきれいにし、そのあとお腹を裂いて内臓類を取り出したあと香辛料を詰め、もう一度お腹を閉じて、今度は豚のからだに棒を突き刺し、表面にココナッツオイルを塗りながら棒をゆっくりまわして遠火で豚を焼き上げる、というもの。1頭焼き上げるのに4-5時間かかるスローフードです。こうして書いてみるとずいぶん残酷な気もしますが、本来「命あるもの」をいただくというのは、残酷な場面を抜きにしてはありえないこと。だからこそ、命に感謝して、残さずおいしくいただくというのが正解ではないでしょうか。ワルンのまわりには犬もたくさんいて、おこぼれを待っています。捨てられた骨も、この犬たちがばりばりと食べるのです。だからイブオカ近辺に棲息する犬たちは、ありあまるほどにいつも元気です。

焼きあがったバリグリンのお肉はとても柔らかく、油も思うよりしつこくありません。皮によって肉の部分が直接火に触れることなく、皮の内側で肉は「蒸し焼き状態」になります。上品に蒸しあげられたローストポーク、とでもいいましょうか。バビグリン定食ともいうべきこちらのメニューは、この豚肉に、血のソーセージ、ぱりぱりの食感が楽しい皮の部分と、内臓のかりかり揚げ、それにいんげんとココナッツフレークの合えたもの。

とにかくいつ行っても大人気のこのワルン「イブオカ」できれば午後2時前に訪れることをお勧めします。3時を過ぎたらこの2頭目の豚も売り切れ御礼も珍しいことじゃない。ウブドに来てイブオカのバビグリンを食さず帰るのは、間違いですよ、みなさま。ぜひぜひお試しくださいね。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年06月19日

バリ ガルンガンとクニンガンその3

ガルンガン当日は、用意したお供えものを持ってまずはお寺へ詣でます。


果物を高く積み上げたお供え物。これはガボガンと呼ばれます。このガボガンを頭の上に載せて女性たちが行列している姿を、バリ島の絵葉書などで見かけた方も多いことと思います。

朝一番にこのガボガンを持って人々はお寺に詣で、お祈りを捧げます。そのあとガボガンを持ち帰り、それぞれの家にある家寺にて、家々のあちこちに聖水をかけてお浄めをします。これは女の仕事。それが終わったら、家族揃って祖先の霊に祈りを捧げます。



お祈りが無事すんだら、ガルンガンの大事なお勤めはおしまい。あとはみんなのんびりムード、お祭りムード。子供たちはガルンガンのお小遣いをもらって、アイスクリームやお菓子を買いに行ったり。大人たちもカードゲームに興じているようです。


ガルンガンの10日後には祖先の霊が天界に戻るとされるクニンガンという祝日があります。このクニンガンも基本的にガルンガンの時とまったく同じ準備をします。ペンジョールを作ることこそしませんが、あとは豚をつぶすのから、料理から、お供え物の準備、すべて同じ。ガルンガンだけでも大変なのに、10日後にまったくおんなじことをやるバリ人って、…毎回私を驚嘆させる、恐るべしバリ人の祭りにかけるエネルギー、といったところでしょうか。

ガルンガンからクニンガンの間、準備の期間も含めて2週間、バリの学校はお休みになります。官公庁や銀行や会社などもガルンガン、クニンガンをはさんだそれぞれ3日の間はお休みになります。街のあちこちに、バロンという、日本で言えば獅子舞のような行列が練り歩きます。心付けをあげるとその場で踊ってくれます。こんなところはまるで日本のお正月のような風景。なんだか楽しくなってしまいます。

ガルンガンはウク暦というバリ独自の暦に従って巡ってきます。このウク暦は210日を1年としています。だからこの、ガルンガンとクニンガン、年に2度、巡ってくるんですよ!!今年はもう一度、11月29日がガルンガンになります。そしてその10日後12月9日がクニンガン。今から計画をたてて、次のガルンガン、クニンガン、あなたもバリにいらっしゃいませんか?


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年06月14日

バリ ガルンガンとクニンガンその2

ガルンガンの前日は朝から大忙しです。この日は朝3時起床で大事な仕事があります。豚をつぶすのです。

豚料理はガルンガンにははずせない大事なごちそう。そのために生きた豚をつぶします。自分の家でつぶすところもありますが、たいてい町内会でお金を出し合って豚を購入し、村の人々が集まって豚をつぶしたあとは、それぞれ平等に分けられた肉を自宅に持ち帰る、こういう方法をとっているところが多いようです。

朝6時には豚肉を持って男たちが家に帰ってきます。そうしてすぐに、新鮮な、今つぶしたばかりの豚を使ってのガルンガンのご馳走料理づくりが始まります。


この、ご馳走料理づくりは、男の仕事です。ガルンガンの料理に限らず、バリでは祭礼の際の料理を担当するのは男と決まっています。だからバリの男たち、包丁さばきも慣れたものです。

料理は、豚の皮やレバーを茹でたものに、野菜と香辛料を混ぜてつくるバリの代表的な料理ラワール。バリの人々はラワールが大好物。ガルンガンのラワールは新鮮な豚を使っているので最後に真っ赤な豚の「生血」を和えます。真っ赤なラワールはガルンガンの前日しか味わえない「ナマモノ料理」朝作って出来上がったらすぐに頂きます。長く保存できるものではないので、残ったものはバナナの葉に包んで蒸し、保存しておきます。これをガルンガンの祝日の間、毎食毎に蒸しなおしていただくのです。




ラワールのほかには、サテが準備されます。サテとはインドネシアの焼き鳥のこと。甘辛いピーナッツソースをつけていただくインドネシアのサテが有名ですが、バリのサテはちょっと違います。香辛料も含めて肉を全部ミンチにしてしまい、それをつくねのように串に塗りつけて焼く、もしくは揚げます。ぴりっとした香辛料の刺激が食欲をそそる、バリ島のつくねのサテは絶品ですよ。




こうして朝から忙しいガルンガン前日。お昼過ぎには準備もすべて整い、いよいよ明日のガルンガン当日を迎えるのみとなりました。

では次回はガルンガン当日の様子をご報告いたしましょう。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年06月12日

バリ ガルンガンとクニンガン


バリには西暦の他にこの島独自の暦があります。バリの人々は今でも大事な儀式の日取りや祭礼の準備など、この暦に従った日々の生活を送っています。

5月3日、バリのウク暦に基づいて行われるもっとも重要な祝日といえる、ガルンガンの日が巡ってきました。

すべての祖先の霊がこの世に戻ってくる日といわれ、日本でいえばお盆のようなものでしょうか。ガルンガンを前にしてだいたい3日ほど前から準備のために、特別なお供え物や料理に使う材料を買い求める人々で市場は活気づきます。
この時ならではの特別なお供えものの数々が市場に並びます。バリのお供え物は色とりどりの花々や、椰子の若い葉やバナナの葉などを使い、それらをナイフで切ったり、編んだり、切り込みを入れたものを組み合わせて複雑なかたちをつくったりして、ひとつひとつ手作りで作られていきます。

ガルンガンなどの大きな祝日となると日々のお供えものに比べて準備するお供えの数も倍以上になりますので、1週間くらい前から一家の主婦は少しづつ少しづつパーツを作って準備を始めます。



ガルンガンの前日には、ペンジョールを家々の前にたてます。ペンジョールとは、竹に、椰子の葉で飾りつけをしたもので、これが家々の前にたつ姿は、いかにもガルンガンの風景。
お供え物の椰子の葉を編むのは女の仕事ですが、ペンジョールつくりは男の仕事です。一家の男たちが総出で、椰子の葉を竹に巻きつけ、競うように綺麗な飾りをつくって、ペンジョールを完成させていきます。

こんなところにも一家の男の威信がかかっているのかもしれません。そう思えるほどみんな真剣。
そしてガルンガンの前日の夕方には、道々に新しくてきれいなペンジョールが並びます。
次回はガルンガンの料理についてご紹介いたしましょう。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年06月08日

バリ 市場の神様

 ウブドの市場のレポートを続けます。


ウブドの市場の入り口には、大きな木が1本、それを囲むように、祠がたてられていて、ここには神様が祀られています。

今から10年くらい前まで、今駐車場になっているこの場所には、毎夕方から夜にかけてナイトマーケットとしてにぎわいました。夕方の4時くらいから、ガスボンベや調理器具が運び込まれ、日が暮れる頃には盛大なナイトマーケット屋台街に変身していたものです。が、衛生上の理由から、ナイトマーケットは閉鎖されてしまいました。

そのあとウブドの市場は大改造計画のもと、今のような鉄筋の建物ができて、その中にお店が入るというかたちになりました。それまでは空き地のような場所で、毎日かごに入れた商品を持ったおばちゃんたちが地面に座って商品を売っていたのでした。だから雨の日などはとても大変だったのです。

さて、その、ウブドの市場大改造計画の時に、実は一度、このウブド市場正面にある木の一部が、切り倒されました

けれどそれからしばらくして、市場改造計画のもと、出来上がった新しい建物で火事がありました。幸いボヤ程度で済んだのですが、なんだかそれがミソになってしまって、新しい建物にテナントが入りません。

そして、ウブドの人々は誰ともなくささやき始めました。「木を切ったからじゃないだろうか」。

日本でも「ご神木」というものがあるように、ここでも樹齢を重ねた木は特別に尊敬され、大事にされる存在です。そしてウブドの人々は遅ればせながらも、この、市場の入り口に聳える大木に儀礼をささげそのまわりに新しく市場のお寺をたて、毎朝必ずお供えものをするようになったのです。


ウブドの市場の入り口にひっそりとたつお寺、塀に囲まれているので外からはちょっとよくわかりませんが、一度のぞいてみてください。朝だったら沢山の市場関係者がそれぞれお供えを持ってお参りをしていることでしょう。そして樹齢を重ねたこの大木も、今は人々によって大事に祀られ、市場の入り口で、今日もウブドの人々の営みをじっと見守っていてくれるのです。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年06月07日

バリ 市場の昼下がり2

 バリでの買い物は値段交渉が基本。売り手と友達になる感覚で、世間話を交えながら値切っていこう…なんて、ガイドブックには書いてありますけど、あなた! 時間に余裕のあるフリープランの長期滞在ならばいざ知らず、オプショナルツアーで数時間ウブドを訪れる観光客に、はっきり言ってそんな余裕はない!かくしてウブドの市場、オプショナルツアーで訪れるガイド同伴の日本人観光客が限られた時間の中で買い物をしようとするあまりに、市場のゾンビ婆の言い値を受け入れてしまったという過去を持ち、それに加えて昨今の台湾人団体旅行ご一行様の昼下がりの定番コースである「ウブド市場でお買い物」。ゾンビ婆は休むことなく増殖し続けていますね。



勇気を出して、昼間の市場に入ってみます。限られた時間でいいものを手にいれようと、品定めする旅行者たち。それを手ぐすね引いて待っている市場に巣食うゾンビたち(?)。

「ヤスイよ、ミルダケ、ダイジョーブ、トケイ、トケイ」の声につられていけば、陽気なおにいちゃんたちが。見るからにイミテーションの時計の数々。これ、よくビーチエリアなんかで道を歩いていると物売りのお兄ちゃんが寄ってきて、持っているかばんをぱかっと開くと中にはこういうふうにイミテーションの時計や安い銀のアクセサリーがびっちり詰まっていたりしますが、あれとおんなじ。最初は「千円」。「高い」というと「じゃあ2個で千円」あっという間に値段が半分に落ちる…。。
「ヤスイよ、コレ、ろれっくすネ」「まさか」「ホンモノよ、センエン」…なわけがない! けど陽気なお兄ちゃんたち。

以前「市場で朝ごはん」レポートでご紹介した、スモークチキンのワルンです。ご飯を売り切ってしまった昼にはすっかり店仕舞いをしてしまってそのあとに、こんな感じでお土産ものを並べています。お土産にぴったりなかわいいパッケージに詰められたお香、石鹸やオイルなどのアロマググッズ。最近のバリ土産の定番です。

日本でここ何年か人気のガムランボールもよりどりみどり。お気に入りの「癒しの音」を探したら、ペンダントにするもよし、キーホルダーにするもよし。

インドネシアのテキスタイルは世界的に有名。シルクのバティック(染め布)の数々。シンプルなモノトーンのトップにあわせてさらりとこの布を腰に巻けばとってもお洒落、高級ホテルのレストランにだってものおじせずに入れてしまいます。海辺でも水着の上にさりげなく羽織ってもいい。一枚持っているととても便利。一枚買うともう一枚欲しくなる…。

テンガナンという村特産のアタという水草からつくられたバッグの数々。これも日本ではもうおなじみのアイテム。ちょっとお値段は張りますが、見た目に反してとても丈夫で長持ち。いいものを選べば一生使えるアイテムです。

でも、中にはこんなような…「いったい誰が買うの?」っていうような不思議なものもあったりして…「がいこつの人形」。ティモールやニューギニアの方のアンティークでしょうか。コメントなし。

というわけで、市場は確かにお土産ものの宝庫。ここにくれば、ないものはない。たくましき市場のゾンビ婆に負けない覚悟を持って、昼下がりのミラクルワールドを訪れてみるのもおすすめ。
最初はゾンビ婆の攻撃にたじたじとなってしまっても、暑い日差しの中でエキサイティングなバトルを繰り広げるうちにいつしか、あなたもゾンビ婆とお友達になっている、かもしれません。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年06月05日

バリ 市場の昼下がり1

 バリの庶民の台所、市場は、昼にはまたまったく違う顔を見せてくれます。
ある日の昼下がり、ウブドの市場を訪れました。

バリでは、日の出とともに一日の生活が始まります。地元の人達が買い物に訪れて市場が活気付くのは朝の7時前後。市場では、肉も魚も野菜も果物も、冷蔵庫に保管されて売買されるわけではありません。なので朝早い、まだ涼しいうちに買い物に行き、新鮮な肉や野菜を買い求めたら、早く家に戻って早速料理にとりかかる、もしくは家庭の冷蔵庫などに保管する、というのがこちらでは常識。9時頃市場に行ったらお肉も魚も、いい部分はほとんど売り切れているでしょう。だから肉や魚を買おうと思ったら遅くとも朝の7時半までには市場に行かなければ。肉や野菜に比べれば、野菜や果物を売るお店は比較的遅い時間まで開いていますが、それでも12時まで。お昼頃に生鮮食品を扱うお店はすべてビニールシートをかぶせて、店仕舞いしてしまうのが普通です。



朝の市場の風景です(左)。朝の9時頃。そして昼下がり、午後2時頃に同じ場所を撮影したもの。果物の台にはしっかりシートがかけられて、お店の人はもう帰ってしまったあとです(右)。

だいたい午後2時のバリは、暑い。犬もお昼寝です。市場のおばちゃんもおねえちゃんたちも、一仕事終えてしまって、なごやかにおしゃべりなんかしながら、お菓子を食べていたり、お供えものをつくっていたりします。こんな感じ。




ところが、こんな昼下がりの市場が、突然賑やかに騒々しくなることがあります(左)。市場の正面にある駐車場、ここに続々と到着する大型バス。そしてその大型バスから降りてくるのは、台湾からの団体ツァーのご一行様たち。みなさん、お買い物の時間です(右)。

朝の市場が地元民のための台所、だとしたら、昼の市場、それは観光客と市場のたくましき売り手たちとの丁々発止のバトルが繰り広げられる場所。庶民の台所であるところの市場には「安くていいもの」があって当たり前。けど観光客が相手の場合、これが必ずしも「市場は安い」と言い切れない場合もある。なにも知らない観光客と、市場のソンビ婆の対決が繰り広げられる昼間の市場。かくして市場は、朝と昼ではまったく違う顔をみせてくれるというわけ。

次回は勇気を振り絞って、「ゾンビ婆の巣窟」昼間の市場へ潜入してみましょう。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年03月17日

バリ 庶民の台所、市場の魅力その2

 前回のレポートでご案内した「市場」、本日は市場に朝ごはんを食べに行ってみましょう。バリの人たちは、朝起きてすぐにご飯を食べる習慣がありません。コーヒーを飲んで軽くお菓子などつまみ、涼しいうちにちょっとした仕事をこなしてしまいます。そしてお腹がすいた10時とか11時とかに、その日はじめての食事を取る、そんな人が多いのです。

朝の市場へ行くと、一仕事終えて今日の朝ごはん(昼ごはん?)を食べているバリ人が。というわけで、ウブドの市場、スモークチキンで有名な屋台へ行って見ましょう。

インドネシアでは、ご飯と、いろいろなおかずを盛り合わせた食べ物「ナシチャンプル」といいます。ご飯は「ナシ」、「チャンプル」とは、混ぜ合わせる、という意味。
というわけで、注文するのは、これ、ナシチャンプル。といってもメニューはたいていナシチャンプルだけなんですけどね。

ガラスケースの向こうで、洗面器(!!)に盛られたおかずを手づかみでご飯の上に載せていく店のお姉ちゃん。出てきたご飯が、これです。香辛料をたっぷりと使って柔らかく仕上げたスモークチキンと、玉子焼き、青菜などたっぷりとご飯の上に盛られたナシチャンプル。これで5000ルピア(65円くらい)。ローカル相手なのでもちろん辛さに容赦なし !

早い、安い、旨い、と三拍子そろった屋台のご飯は、もちろんいつも大人気。オプショナルツァーでお客さんをウブドに案内してきた某有名旅行会社のガイドさんも、お客さんが自由時間の間にここでちょっと腹ごしらえ。

こういう、ちょっとした食事や飲み物をいただける屋台を、こちらでは「ワルン」といいます。ローカル相手の店なので辛さに容赦なし。けど一度ワルンで食べてしまったらレストランの、観光客向けのマイルドな味付けではなんとも物足りなくなってしまいます。ワルンによっておかずは変わるので、同じナシチャンプルと言えど、どこの店もおかずや味が違って、この味を知ってしまうと、もうやみつき!!さしずめバリのワルン、それはバリの「禁断の味」への入り口、なのです。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年03月08日

バリ 庶民の台所、市場の魅力

 先日北京からのみわあやさんのレポートに「北京ダック」がありました。飴色のぱりぱりの皮においしいお肉、とくれば、これはこちらもご紹介しなくてはいけません。バリには北京ダックならぬ、「豚の丸焼き」バビグリンがあります。

 これは、豚のお腹の中にさまざまな香辛料を詰め込み、直火の上でゆっくり回転させながらあぶり焼きにした、バリの名物料理です。大きな儀式やお祝い事などがある時には今でもこれを自分の家でつくる家庭もあります。

 バビグリンを探して、パサール(市場)へ行ってみましょう!
 ありました。ごらんください。どどんと横たわるバビグリン。焼きたては皮のぱりぱり感がたまりません。(時間がたつとしんなりしてしまってなかなか噛み切るのが大変なのですが)お肉はしっかりとスモークされていて、以外なことに油っぽさをまったく感じないとても上品な味なのです。

 バリ島はイスラム教徒の多いインドネシアの中にあって、宗教はヒンドゥー教。ということでイスラムにつきものの豚のタブーのないバリでは、とってもおいし豚肉料理に出会うことが多いのです。バビグリンは代表的なバリの豚肉料理。

 バビグリンのほかにも、庶民の台所、市場には、おいしそうなものが沢山。直火でこんがり焼き上げられた鶏も豪快においしそう!!

 ちょっと小腹が空いたという人には、こんなものはいかが?揚げたバナナや豆腐などのスナック系。後ろに見えるカラースプレーでデコレートされたドーナツは、バリ人の大好物。子供が座っている屋台は、かき氷の屋台です。色とりどりのビンの中身は、かき氷の中に入れて食感と色あいを楽しみます。材料はデンプンや寒天など。

 昨今のバリはおしゃれなフュージョン料理レストランがおおはやりですが、地元の人に混じって屋台のはしごをするナイトマーケットも、とっても楽しいんですよ。バリの人にお願いすればきっと喜んでつれていてくれるでしょう。ナイトマーケットで、あなたもどうぞ「おいしい出会い」をしてください。



めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年02月27日

バリのスグレモノ紹介その4 アラック

 年末に骨折した足も、ほとんど完治しつつあります。今日は引き続きバリから、「ここでしか手に入らない」スグレものをご紹介。
アラック、バリの地酒です。

 イスラム教徒が大多数を占めるインドネシア。ご承知の通りイスラム教徒にとってお酒はご法度。けどみなさん、バリはヒンドゥー教なんですね。そしてヒンドゥー教には、お酒のタブーがない、というわけで、バリはインドネシアの中でも比較的お酒に対しては懐が深い土地柄です。
 そうは言ってもここでは「輸入品」のお値段は非常に高い。洋酒は庶民の手が届くようなお値段じゃあ、ありません。国産ビールは安いけど、それでも1万ルピアだせば飲み物と食事ができる環境で、ビール1本15000ルピアはちょっとバリの人にとってはお高い。そこで、お金のない若者は、安いアラックを飲むこととなります。でもね、アラックはけして安いだけじゃない。バリに来て、アラックにはまった人、私はたくさん知ってます。

 アラックは椰子の樹液を蒸留させてつくった、言ってみれば「ココナッツ焼酎」ですアルコール度数は50%以上、かなりキツめです。基本的にはすべて自家製で、「なんとか村のなんとかばあちゃんの作ったヤツがうまいぜ」ってなもんで、ビールの空き瓶などを片手にそこへ行って買う、のが主流だったのですが、最近はスーパーで品質管理した瓶詰めのものも手に入るようになりました。

 自家製のアラックには当たり外れがあって、質の悪いものは鼻先30センチくらいから強烈なガソリン臭ただようものもあります。反対に今までスーパーで売られていたアラックはアルコール分が低すぎて、アラックそのものの風味がまったくない、というものが多かったのです。
 ところが最近は、スーパーマーケットに並ぶアラックの中にも、なかなか満足できる品質のものが増えてきました。おしゃれな素焼きの壷に入ったものや、ボトルを紐でぐるぐるまきにしたものなどは、日本へのお土産にもぴったり。

 もちろん空港や免税店でも売られていますが、アラックをお土産にするならば、ぜひ街中のスーパーマーケットで調達することをおすすめします。なんと言ってもお値段が3三分の一から五分の一。

 バリに来て、まだアラックをお試しでない方、次回はスーパーマーケットで簡単に手に入るようになったアラックを、ぜひ一度お試しください。熱帯のバリにはちょっとキツめのお酒が似合います。ソーダとレモンでさわやかに行くもよし、蜂蜜をいれて甘い酔い心地を楽しむもよし。おいしいお酒がある南の島の休日を、あなたもいかがですか?


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年02月13日

バリ島 ウブドのバレンタインデー

 ウブドのスーパーマーケットデルタデワタです。
 バレンタインデーの飾りつけの真っ最中。

 バリでバレンタイン?クリスマスもニューイヤーも特別なことはなにもない、西洋の暦とは違う独自のバリの暦で日々の生活が営まれるバリで、なぜバレンタイン?

そう、バリで「バレンタインデー」などというものが人々の意識に上り始めたのは、私が記憶する限りここ数年のことです。

 日本ではいつの間にやらすっかり2月の風物詩とも言える地位を獲得した(?)バレンタインデー。この日だけは女の子が意中の男の子に愛を告白できる日、そして思いをこめて贈るのは、甘い甘いチョコレート。

で、バリです。バリでは「男の子が意中の女の子にチョコレートと花を贈る日」なのだそうです。もしくは、友達どおし、親愛の情をこめてチョコレートなどのプレゼントを交換する日、なのだそう。

ディスプレイの「HAPPY VALENTINE」の下には、色とりどりのチョコレートが並んでいます。それにキッチュなカードまで一緒に売られています。

 そうは言ってもバリでは、バレンタインのこの習慣が、日本のように「風物詩」といえるほど浸透してるというにはほど遠い状態。バレンタインのディスプレイは興味深く見ているけれど実際にチョコレートを買っていく人はまったくと言っていいほどみかけないですね。聞くところによればジャカルタあたりでは、結構浸透しているらしいんですけど。やっぱりバリは、バリの中でもここウブドは、田舎…。

むしろねえ、去年もそうだったんですけれど、これを見て「うわぁ、懐かしい!!」と思ってしまった私は、早速チョコレートを買い求め、仕事関係でお世話になっている日本人の方々にお配りしたのですよ。う~ん、バリのバレンタインは、バリ人じゃなくて私みたいな、在住の日本人、もしくは西洋人を狙っているのかも。

ああ、ここにいても踊らされてしまう自分をちょっと反省したのでした。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年01月31日

バリのスグレモノ紹介その3 ジャムゥ「トラック アンギン」

 暮れの29日に骨折した足はどうやらリハビリに入りました。そろそろと歩いている、バリ島在住の中田恵です。
 さて、バリ島で出会えるスグレモノ。前回はジャムゥについてご説明しましたが、今回は数あるジャムゥの中でも、イチオシのお勧め、「トラック アンギン」をご紹介します。

  

 「TOLAK ANGIN」TOLAKとは「拒絶する、断る」、ANGINとは「風邪」の意味。そのものズバリ風邪をひいた時に飲むジャムゥです。成分は米、丁子、生姜、ミント、その他のハーブ類や木の葉、自然のオイル成分などなど。袋を開けると深緑色の、というか、ドブ色の粉末。これを熱いお湯にとかしていただきます。熱いお湯にとかしただけではとてもいただけないようなシロモノなので、ここに蜂蜜やレモンの絞り汁などをいれ、一気に飲めるくらいにお湯の温度が下がったところで、息をしないで一気にいただくのがコツです。
 このジャムゥにはいろいろなバージョンがありまして、豪華版「TOLAK ANGIN KOMPLIT」には、蜂蜜や生姜の粉末、それに朝鮮人参の錠剤まで入っています。これならお湯をわかすだけでオーケー。

 さて、これが普通の風邪薬とどう違うのか。ご説明いたしましょう。
 「なんだか喉がいがいがするな‥」と思ったら、その夜にトラック アンギンを飲んで寝ます。翌日の朝、どうなっているか。「痰がきれる」状態になっているのです。わかります?「風邪の症状が消える」のではないのです。「風邪の症状が出る」のです。これ、すごいと思いませんか?ケミカルな薬の大部分は、熱や痛みのもととなる物質に働きかけてそれを抑える役目をします。けれどこのジャムゥは、「抑える」のはなく、「外に出す」のです。悪いものを外に出してくれるのですよ。「ちょっと熱っぽいな」と思ったら、トラックアンギンを飲んで寝ます。寝ている間にびっくりするくらい汗をかいて、熱がどんどん外へ出て行きます。「抑える」のではなくて「外に押し出す」のです。

 バリ島は熱帯です。熱帯の生命力あふれる自然は、人間のちからでコントロールすることがなかなか難しいのです。人々は自然をコントロールするのでなく、自然とおりあいをつけて生活します。戦うのではなく、自然のちからを尊重して。からだの不調もそのひとつ。たまった疲れがからだを使って危険信号を出してきたら、ここの人たちは「押さえつける」のではなく、それをスムーズに外に出してあげる方法を考えたのでしょう。なかなか侮れない、それは先人の知恵だと思います。

 そういうわけで「TOLAK ANGIN」、私は常に常備しています。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年01月20日

バリのスグレモノ紹介その2 ジャムゥ

 本日はみなさまにジャムゥをご紹介いたします。
 ジャムゥというのはわかりやすく言えば生薬。どこの家の庭にも生えている木の葉や木の実、果物や香辛料などをすりつぶし、まぜあわせ、せきどめ、熱さまし、頭痛に肩こり、腰痛、滋養強壮あれこれ…この国の先人たちが作り上げてきた偉大なるお薬、インドネシア版漢方薬のことです。

 実は病気をしてもお医者にかかることもままならぬ、この国の大半を占める人々にとって、ジャムゥは強い味方。そして伝統的なジャムゥのレシピはいまやカプセルや粉薬に加工され、スーパーや街中のジャムゥスタンドで簡単に手に入ります。ジャムゥは行商のおばさんが背中にしょって売り歩いているものと、街中もしくはナイトマーケットなどに店をだすジャムゥスタンドで注文してつくってもらうもの、このふたつのスタイルが一般的。

 行商のおばさんが背中にしょっているのは、ミネラルウォーターのボトルに入った茶色やオレンジやなんだかよく分らないドブ色の液体です。呼び止めるとおばさんは、コップにこれらの液体を調合して入れ、更に生卵の黄身や、飲みやすくするためにはちみつなどをいれ、がしゃがしゃとスプーンでかきまぜて、「ほれ」と差し出してくれます。正直、飲み干すにはかなりの勇気を要するアヤシイ液体です。
 これに比べるとジャムゥスタンドでは、市販されているジャムゥの粉末をお湯で溶き、レモンやはちみつ、生卵の黄身などをまぜて作ってくれるスタイル。比較的安心して?いただけます。

 ジャムゥの種類はそれこそ病の数だけある、といっていいくらい豊富。頭痛、腰痛、肩こり、慢性疲労、咳止め、風邪、熱、鼻づまりに涙目、消化不良に食欲減退、生理不順などの婦人病関係から、男性機能増進、はてはウエストを細くする、おっぱいを大きくする、なんて美容目的まで百花繚乱。授乳中の女性には「おっぱいの出をよくする」なんていうものも。生理不順に悩む私の友人は、それ用のジャムゥを飲んだところ、予定でもないのになんとその晩生理がきてしまったとか。そう、あなどるなかれ、効果もスゴイのです。

 と、今日はジャムゥについてお話するだけでおしまいになってしまいました。
次回、私のイチオシ、オススメのジャムゥをご紹介しようと思います。 


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年01月16日

バリのスグレモノ紹介その1 ギジスーパークリーム

 骨折のため、市場を訪れることもままならぬ中田恵です。みなさまこんにちは。これからしばらくはここ、バリ島で手に入るスグレモノを皆様にご紹介したいと思います。第一回目はギジスーパークリーム

 実は私、自身のホームページ、およびバリ島にて発行されている某フリーペーパーなどにすでにさんざん紹介しています、この魔法のクリーム。けれどやはり、バリ、インドネシアで手に入るスグレモノといえば、これを抜きに語ることは出来ないのです。ギジスーパークリーム!!究極の美肌クリームです。

 元はといえばこのクリーム、その昔、東ティモール島で、ある種の海藻を栽培していた人たちの手と足が、きわだって美しいことに気が付いたフランス人がこの海藻に着目。中国の漢方書物を研究してこの海藻の成分にさらに、果物の成分をプラス。そうしてつくりあげられた美肌のためのクリーム、なのだそう。こうして生まれたこのクリームは、それから王家の末裔であるGusti Putri Mangkunagoro8世という女王さまに献上されました。当時アメリカ製の高価な美肌クリームを使っていた女王は、それより遥かに効果ある、このインドネシア製のクリームに驚き、また自国製のこのクリームを誇りにも思いました。そしてこのクリームは、「女王が薦めるクリーム」として宣伝することを許されたのです。こうして女王、Gusti Putriが許可した(Izin)クリーム、GIZIスーパークリームが誕生しました。
 ギジスーパークリームは、つけた瞬間効果を実感できます。お肌が荒れていれば荒れているほど、成分がお肌の中に深く深く浸透していくのがわかるつかいごごち。これはもう、なかなかのものです。クリームはすーっとお肌に吸い込まれていって、べたつき感がまったくありません。日焼けなどでお肌が荒れている時は特に実感。つけてしばらくすると、肌がきゅっ、としてくる感じに驚きます。そして翌日のお肌は、ふっくら。がさがさに荒れたお肌も、これをつければ二日で元通りになります。お化粧下地に使えば、化粧崩れせず長持ち。男性のひげそり後のお手入れにも使えます。それに、なんと言ってもお値段が、ひとつ7000ルピア。90円しないんです。
 一時期私はスーパーなどで友人に会うと、無理やりこのギジスーパークリームをおいてある棚の前に連れて行き、「だまされたと思って、とにかくこれ使ってみなさい!!」とそれこそ、おせっかいおばさんのようなマネをしていたことがあります。あなたも次、バリにいらした時には、だまされたと思って買ってごらんなさいまし、ギジスーパークリーム!!ほんと、私は嘘は申しません。究極の魔法のクリームのご紹介、でした。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2006年01月13日

バリの年越し

 皆様遅ればせながらあけましておめでとうございます。
 今日はバリの年越しについてお話いたしましょう。

 と言っても、前回も申し上げたようにバリでは西暦のほかに特別なバリの暦というものを使っています。ですので一月一日というのは新年であって新年ではない。一晩寝たら、年が改まっているのは確か。2006年のはじまり。でもバリでは、これは単に暦の上でのことだけであって、新年を迎える準備やら儀式やら、そういったものは一切ありません。一月一日、それは単に「祝日」のひとつなのです。だから朝起きて挨拶する時も「スラマ パギ」、おはよう、それでおしまい。「ハッピーニューイヤー」ではないのです。
 そんなバリではありますが、大晦日、12月31日が近づくにつれ、町のあちこちにおもちゃのラッパ屋さんが出現します。ラッパといっても、紙でつくったラッパ、蛍光のブルーや赤や緑の紙をはりつけ、金や銀のフリフリ、ヒラヒラのついた、ちょうどクリスマスパーティーで使うような紙のラッパです。クリスマスを過ぎると、このラッパを荷台にいっぱいに積んで行商にやってくるバイクのおじさんもいます。ことさら一月一日に新年を祝わないバリ島ですが、年越し、ニューイヤーズイブの12月31日は日が改まるまで賑やかに、大人も子供もラッパを吹いて過ごす、こんな光景がここ何年かですっかり定着しました。もっとももとからバリ島にあったものではなく、欧米の旅行者が持ち込んだものであることはあきらかですが。
そんなわけでクリスマスが過ぎ、きらきら光るラッパの行商人がやってくると、子供たちはみんなラッパをねだるようになります。そして年越しまでのしばらくの間、バリ島はプープーと賑やかな音に包まれるのです。
 さて、みなさまごめんなさい。今回の原稿、写真がありません。実は暮れの29日に雨季の雨で濡れた道路で滑って転び、足を骨折。1週間の絶対安静からなんとか復帰したばかりのワタクシでございます。2005年のラストは思ってもいないことで、病床にて迎えることとなってしまいました。波乱にとんだ幕開けの2006年?これからも、バリ島からまだまだ沢山のオモシロイことをレポートしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2005年12月27日

【クリスマス特集】 バリならではの時間 クリスマス@バリ

 【@バリ】
 クリスマス、お正月と、みなさまにはイベント続きのこの季節。
 バリは全然関係ありません。

 写真は、クタにできた今一番新しいショッピングセンター「ディスカバリーモール」の正面玄関です。サンタクロースのデコレーションがひときわ目立っていますが、このように「クリスマスデコレーション」が施されるのは、観光客相手の場所のみ。ショッピングセンターやホテル、免税店の中などに限られます。たまに街中のお店やレストランにクリスマスツリーが飾ってあったり、BGMがクリスマスソングだったりするのですが、でもね、考えてもみてください、バリ。赤道直下の南半球、ということは、今は一年で一番「暑い」時期なんですね。というわけで、バリのクリスマス、それはまったくもって雰囲気のでない、一部の旅行者のためのイベントにしか過ぎないのでした…。

 バリは今月、「バリ暦第六の月」に入っています。そう、実はバリには、西暦の他にバリ独自の暦があるのです。新月の次の日から新しい月に入り、満月をはさんで次の新月までをひとつの月と数える独特のバリの暦。そして人々は今も、この暦によって毎日の生活やしきたりを決定しているのです。

 私事で恐縮です。これは12月24日に我が家に供えられたお供え物です。12月24日はバリの暦ではトゥンプック カンダンという日にあたりました。このトゥンプック カンダンというのは、実はバリ暦での私の誕生日にあたります。
 そこで、お誕生日のために特別にお義母さんがつくってくれたお供え物がコレ。色とりどりのお菓子や果物、卵などが見えますか?夕方にはマンディ(水浴び)をして身を浄め、このお供えにお線香をたてて、お義母さんと一緒にお祈りをして、聖水をいただく儀式を済ませたワタクシ。

 ちなみにおわかりとは思いますが、バリ暦と西暦は、ずれています。私の誕生日は西暦の12月24日、ということではないのです。バリ暦の誕生日はそのつどかわります。大事なのはいつも、バリ暦の「トゥンプック カンダン」という日が私の誕生日だということ。

 複雑なバリの暦はとても覚えきれるものではなく、その複雑な暦がコンピューターのように頭に入っていて、あと何日で何々のお供えにとりかかる日だわ、なんてことをさらっといってのける年寄りたちには、ホントに頭があがりません、てな感じのバリです。それでも今は便利な「バリカレンダー」というものができています。隙間無く文字が並んだこのカレンダーを見れば、今日がバリの暦でどういう日なのか、一目瞭然。バリ人の家には必ずあるはず、バリカレンダー。このバリカレンダーが市場に出揃うのもこの季節です。

 ロマンティックなクリスマスが終れば慌しい師走の日本。でも、バリにはやっぱり、「バリならでは」の時間が流れているのです。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2005年12月21日

バリ ウブドのコンビニ商品は高級品?!

 スーパーマーケットや市場に比べると、値段設定がちょっとお高めのコンビニでお買い物をするのは、やっぱり外国人観光客ということになります。そのため、コンビニの商品には輸入菓子やスナック類が充実しています。外国人観光客を意識した品揃えですね。

 たとえばポテトチップスやトルティーヤチップスなども、インドネシア製のみならずメジャーな外国製品も。日本の皆様にはおなじみカル○―のかっぱえびせんなども置いてあります。インドネシア製のスナックに比べたらお値段は3倍~5倍というところでしょうか。スター○ックスの瓶入りコーヒーにいたっては2万5千ルピアからというお値段。ビールの大瓶でも2万ルピアでおつりがきちゃうんですから、これってかなりの高額商品。2万5千ルピアっていうのは日本円にしたら300円弱。
 でもね、たとえば煙草一箱が7千ルピアのこのバリで、2万5千ルピアというのは7千ルピアのざっと3.5倍。日本の価値にあてはめてみるとどうなる?たとえば煙草を250円と仮定してざっと価値換算してみるとこのコーヒー、875円ってことになります。あらま、コンビニで売っているコーヒーにしちゃ、いいお値段。わかっているけど酔っ払った時にはあまぁいコーヒー牛乳系が飲みたくなって清水の舞台から飛び降りる気持ちで買っちゃったりします。(ワタシだけ?)酔っ払っていないと買えない金額かも。

 「煙草」といえば、先日このコンビニ「デルタマート」の入り口に見かけないステッカーを見つけました。コレです。「煙草は18歳から」ひょぇ~驚いた、インドネシアでもそんなこと決まってたんだぁ!!とのけぞったワタシです。言っちゃなんだけど、小学校高学年になれば男の子はバイクに乗り、中学生にもなれば煙草なんてアタリマエ!?10年くらい前のことですけど、バスの中で煙草を吸っている、どっから見ても高校生、いや中学生か、お前は!!という男の子を見たことがあります。思わず隣に座っていたおじさんに「インドネシアじゃいくつから煙草吸っていいの?」と聞いたところ「本人が吸えるんなら別にいくつから吸ったって構わんさ」との返事。喫煙中のその男の子に「きみ、年いくつ?」と聞けば、本人は恥ずかしがって答えない(いっちょまえに煙草吸ってるくせに外国人の女に話しかけられて照れてんじゃねーよ、ってそういうところがまた「らしい」んだけど)かわりにまわりの大人たちが私にこう言ったのでした。「こいつ?こいつはまだ子供さ、だけど煙草を吸うのはもううまいもんだよ、ハッハッハッ」ま、とにもかくにも、それがインドネシア、それが、バリ。

 けどやっぱりそうだったんですね、インドネシアにもちゃんと、法律で定められた喫煙開始年齢とか飲酒開始年齢とかって、あるのですね。(当り前か…)こうやって「村」の生活も、少しづつ変化をみせています。少しづつ便利に、少しづつ豊かに。まだまだ日本や西欧の国とはかけ離れていますが、それでも目に見えない変化の波は確実に、こんなインドネシアの、バリの、田舎の村にも押し寄せているのです。

 たとえどんな変化をみせようと、私はここにいて、それをしっかり見届けたいなと思っています。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2005年12月09日

バリの日本食材スーパー「パパイヤ」の従業員たち

 大型日本食材スーパー「パパイヤ」に一歩足を踏み入れます。
 「スラマット シアン(こんにちは)」
棚に商品を並べていた従業員が私の顔を見てにこやかに挨拶をします。す、すごい!!

礼儀正しい従業員に感激

 棚に商品を並べている従業員は、従業員どおしでくっちゃべっていて、そのまわりには商品が散乱していて通ることもできない、例えばその隣の商品を手にとりたくても近寄ることもできないような状態になっていて、しかもこっちの様子などまったく気にもとめずに自分たちの作業(もしくはお喋り)に没頭しているスーパーマーケットの従業員に「慣れっこ」になっていた私に、それはそれは新鮮な驚きをもたらしたのです。パパイヤ、すごいぞ。

 果物や野菜の並べ方も整然としていて、きれいです。魚コーナーには、あります、あります、お刺身、干物、いくらやとびこ、わかめやもずく。なんでもあるじゃない。調味料も揃ってます。日本とおんなじでしょ。お肉売り場には「しゃぶしゃぶ用スライス」なんてものまであります。例えば市場で豚肉を買う時は、塊になってるのを指差して「おばちゃん、ここらへん、このピンク色のきれいなとこ、1キロ分ちょうだい」って言ってぶった切ってもらうわけで、「しゃぶしゃぶ用スライス」なんてあーた、夢のまた夢…で、その、精肉売り場の横を見て、またしてもぶったまげましたね。

「お惣菜コーナー」があるんですぅ!!コロッケ、とんかつ、アジフライに海老と野菜のかきあげ…あ、おにぎりもある。ん?その横にはお寿司もあればお弁当もあるぞ。ああ、こんなお店が近くにあったら、なんにも不便がないじゃない!!。

 パパイヤスーパーマーケットはクタのはずれにあります。クタやデンパサール在住の人はもちろん、ウブドからでも車をとばせば1時間足らずで着いてしまう距離。このあたりでお仕事している日本人の皆さんの間では、早速「お昼はパパイヤのお弁当」と評判になっている様子。

 お値段はやはり普通のスーパーよりはお高いです。けれどおおむね、日本と同じくらいのお値段。駐在の方々などには、なんら問題ないお値段でしょう。ローカル生活者である私にとっては「ちょっとお高い」お値段だけど、それでもあきらめなければならないようなお値段ではない。だから「ああもう我慢できない!!」て時には、買っちゃうと思います。

 さ、また行こ、パパイヤ。KO-MU-GIのパンは、ちょっと病みつきになっちゃうかもね。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2005年11月25日

バリにも登場!大型日本食材スーパー「パパイヤ」

 ジャカルタ在住の友達が、バリに来るたびにお土産に買ってきてくれていた日本食品の入ったスーパーマーケットの袋、そこには「パパイヤ」と書かれていました。

おいしいパン屋さん登場。
 お醤油やみりんやだしの素、お味噌やおそばやカレーのルウなんかは、ここバリでも手に入ります。けど手に入らないものもある。
「今度の休みにバリに行くけど、なんかほしいものない?」
ジャカルタに赴任している友達からそういわれるたびに私がリクエストしていたもの。それは、実はパン。
 「ソーセージが入ってる揚げドーナツみたいなのとか、マヨネーズとたまねぎトッピングしてあるバンズとか、あ、ピロシキやカレーパンもいいね。」
 そんな私のリクエストに答えて、彼がジャカルタから持参してくれるおみやげは、いつもスーパーマーケット「パパイヤ」、そして「KO-MU-GI」というパン屋さんの袋に入っていたのでした。


 そして、とうとうバリにも登場したのです、「パパイヤ」、もちろん「KO-MU-GI」もテナントに入っています。さて、バリの「パン事情」についてちょっとご説明。実はバリの「パン事情」ここ5年くらいで画期的によくなりました。もともとバリの人はパン食文化じゃないからしょうがないのかもしれないけど、8年前私がここに来た時に、普通に手に入るパンといったら、昔懐かしい「給食のパン」みたいなモンしかありませんでした。

 たまに白人がやってる「毎日焼きあがる」パンをウリにしてるカフェがあったりしましたけど、私からしたらちょっと「ハードなパン」。そういうのじゃなくて、日本のパン屋さんみたい
なふわふわのパン、それからいろいろなものをトッピングしたりいれこんだりしてあるおかずパンが食べたいなあ…と、思ったものです。今ではかなりいろいろ見かけるようになりましたけどね。

 で、パパイヤ、です。行って来ました。
入り口を入るとそこはすぐ「KO-MU-GI」です。焼きたてのパンが並んでます。従業員の制服も可愛いです。ショーケースの中にはシュークリームやプリンやケーキが並んでます。これはもう、まさしく日本のパン屋さんの風景です。

 この日私が味見したのはピロシキ、ソーセージバンズ、ミニアメリカンドッグの三種。あたしってソーセージ好き?みっつで合計18000ルピア(200円くらい)。バリ人が普段食べるような食堂で、ご飯とおかずの定食と飲み物を頼んでもよほどのことがない限り1万ルピア(120円くらい)を超えることはありません。だからやっぱりここはちょっと「高級パン屋さん」ですね。

 パパイヤスーパーマーケット、それでは売り場に行ってみることにしましょう。(続く)


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2005年11月14日

バリのウブドにもコンビニ登場です

 私が住むバリ島ウブドというところは、正真正銘、バリの「田舎」。そんな田舎に住む私は、たまぁにクタやサヌールなどの海沿いのリゾートへ行くと、くらくらぁとしてしまう。「都会だわぁ~」ついキョロキョロしてしまう自分が悲しい。10年前までは渋谷でお仕事してたのに…

さて、そんな田舎のウブドにも、時は流れる…とうとう登場しました。24時間営業のコンビニエンスストア!!

ちょっとご説明いたしますと、クタやサヌールなどのビーチリゾートエリアには、10年くらい前からコンビニ、登場してました。24時間営業のお店もありました。けど、ウブドというところ、日本で言ったら「文教地区」、ほら、パチンコ屋さんつくっちゃだめ、とか24時間営業はだめ、とか、そういう感じに似てる。バリの文化の中心、と言われる(そして間違いなく住人たちはそのことに誇りを持っている)ウブドでは24時間営業や深夜営業ってなかなか認められなかったのでした。ところがとうとう登場したコンビニエンスストア。
これでいつでもお水やタバコを調達できるようになったのですね。めでたしめでたし。

ウブドに営業を展開しているコンビニエンスストアは「デルタマート」といいます。ウブドで一番最初にできた大型スーパーマーケット「デルタデワタ」の系列。ウブド内に現在4店舗を持ち、堅実に商売をしています。

品揃えは当然ながら外国人観光客を意識したもの。お値段もちょっとお高め?けど、たとえば、夜遅くまでお酒を飲んで、「あーアイスクリーム食べたい!!」なんてわがままな欲望がふいと頭をもたげてきた時、今までは我慢するしかなかったんですよ。ところが今は!!デルタマートへ行こう!!飲んだあとのアイスクリームってのがまたおいしいんですよね~(って、ワタシだけ?)アイスクリームだけじゃありません。当然インスタントラーメンだって買えてしまうし、驚くなかれ!!スター○ックスのコーヒーだって売ってるんです!!

店内は煌々と蛍光灯が輝き、闇に包まれるウブドの夜にも、ひときわ明るい光を放っています。毎日届けられるパン、種類豊富なドリンク類、スナックや、もちろん日常雑貨、歯ブラシや歯磨きや蚊取り線香や薬、トイレットペーパの類、店内にはATMまで設置してある!!あ、ワタシ、あまりにも皆様にとって「当たり前」のことに、とんでもなく興奮してます?もしかしてこれを読んでいる方たち「それがどうした?」って感じでしょうか。そりゃそりゃ、おでんや肉まんは売ってないですけど、おにぎりやサンドイッチなんかも売ってないですけどね…「日用のこまごまとしたものを、値段交渉をせずに調達できる場所」が常にオープンしているということは、田舎のウブドの生活もなんだかとてつもなく、「近代的」になったような気がするのです。(続く)


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2005年10月28日

バリの蚊取り線香はラベンダーの香り

 スーパーマーケットに行くとその国の普通の人々の生活が見えますよね。そんな中でであうあれやこれやの品物。今日ご紹介したいのはこれ、蚊取り線香です。一年中熱帯のバリでは一年中必要な、蚊取り線香。

 日本では液体だの電子蚊取りだのが、もう主流?
けどここじゃやっぱり昔ながらの、火をつけてつかう渦巻き式の蚊取り線香が主流。
さすがに需要のあるところには発明もあるっていうわけで、蚊取り線香、いろんな種類があるんです。

数ある蚊取り線香の中でもこちらで一番人気のブランドは「BAYGON」(バイゴン)。
で、ご紹介したいのはこれです、BAYGONが売り出した新製品(といっても1年位前からあるんですけど)ラベンダーの香りの蚊取り線香「バイゴンラベンダー」。パックを開けると、紫色の渦巻きが詰まっています。で火をつけるとああら、ほんと、ほのかに漂うラベンダーの香り、アロマテラピーっぽい蚊取り線香。
これならお部屋に蚊取り線香の匂いがこもっても気にならない。(ほんとか?)
お値段もバイゴンシリーズの普通の蚊取り線香とほとんど変わらないし、なんだか優雅な気持ちになれる蚊取り線香です。
このほかにも蚊取り線香、遊び心いっぱいのものが色々揃っていて、「5色の蚊取り線香」「六角形の蚊取り線香」(けどこの六角形の蚊取り線香は、重なっているふたつの蚊取り線香をはがす時、従来の丸い蚊取り線香のようにうまくいかず、ぽきぽき折れてしまうのがちょっと残念)とか、面白くて珍しいものがありますので今度バリに来たらちょっと注目してみてね。珍しいオミヤゲにもいいかも。今日は熱帯の島ならではの商品のご紹介でした。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2005年10月22日

バリのお歳暮、「パルセル」

 ガルンガンが近づくと、スーパーマーケットにこんなモノが並べられます。
篭の中にお菓子や食料品、飲み物などを詰め込んで、セロハンで包み、派手なリボンをかけたこれは、パルセルといって、日本でいえばまあ、「お歳暮」「お中元」のようなモノ。


 バリには西暦のほかに昔ながらのバリの暦というものがあり、バリ人たちはこのバリの暦に従って膨大な祭りの日にちを決定し、必要なお供え物を準備します。この暦は210日ごとに一巡りし、210日ごとにガルンガンとクニンガンという、「祖先の霊が戻る」とされる祝日がめぐって来るというのは、前回お話したとおり。昔ながらの習慣、信仰、伝統がいまも受け継がれているバリなのです。

 そしてこの、210日の節目となるガルンガンの前に、人々はお世話になった人たちに日ごろの感謝をこめていろいろなものを贈りあいます。そのひとつが、これ、パルセル。一般の家庭では必ず必要となる調味料や油、子供達が大好きなジュースやお菓子などが詰め込まれています。ね、「お歳暮(もしくはお中元)ギフト詰め合わせセット」みたいでしょ。一般家庭だけじゃなくて、たとえば会社が、取引のある会社に日ごろの感謝をこめて、送ったりすることもあります。

 昔はこういう、なにかお祝い事があったり儀式があったりした時には、その祝い事、または儀式に関連して各家庭でつくる特別料理を少しご近所やお世話になった方におすそ分けしていました。もしくはお祝い事がある時に特別につくらせるあひるの蒸し焼きをお配りしたりしていました。今もその習慣はかわらずに残っているのですが、なにぶんにも新しモノ大好きで、見栄っ張りなバリ人のこと。あひるの蒸し焼きや伝統料理なんかより、これ、パルセルの方がずっと「都会的」で「先進的」に感じるのでしょう。


 とはいえ、このパルセル、当然ながら色々な商品が詰め込まれているワケで、大きくなればなるほど、料金も高くなる。小さなサイズで15万ルピア(1500円)くらい、大きなサイズになると30万(3300円)50万(5500円)なんてことも。あら、それくらい普通のレベルなんじゃ?とおっしゃいますな、ここはバリ。私の住むウブドでは、平均的なバリ人の月収は40万ルピア~50万ルピアといったところ。ガルンガン前にパルセルをばしばし注文して「あそことこことそこに届けて頂戴」なんて、スーパーのカウンターで手続きをしているのは、とんでもないお金持ちの奥さんということです。

 というわけでスーパーマーケットに並べられたパルセル、ガルンガンが終わりクニンガンを迎えるまで、こうしてキラキラと輝いて人々の羨望の目でみつめられるのであります。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2005年10月20日

バリに来たらスーパーマーケットに行こう


 これまでバリの、トラディショナルな市場についてお話してきましたが、今日はちょっと市場から離れて、旅行者にとってのワンダーランド(?)、スーパーマーケットについてレポートしたいと思います。

 やっぱり旅行でバリに来たならば、お買い物はスーパーマーケットが簡単。便利。南国の香り漂うトロピカルフルーツも、市場ならば「キロ売り」。おばちゃんと丁々発止の値段交渉をして買い物する苦労を考えたら、なんといってもスーパーマーケットの果物売り場は、「はかり売り」。マンゴー1個にマンゴスチン5個、それからサラックを3個くらい買おうかなあ…なんていうのも簡単簡単。売り場の近くのはかりのところに持っていけば、お姉さんが種類ごとにはかって、袋にいれ、ぺったんと値段のシールを貼ってくれます。それをレジに持っていくだけ。

 近頃のスーパーマーケットは「おみやげ」の類も充実していて、スーベニール用にかわいくラッピングされたバリコーヒーやジャワティー、天然塩や、自然素材の石鹸、お香やアロマオイルなどなど、手ごろな値段で気の利いたおみやげが揃います。

 それに加えてアジアのスーパーマーケットは摩訶不思議なワンダーランド。怪しげな商品があそこにもここにも。それについてはおいおい少しづつご紹介していくことにしましょう。
前回ご紹介した香辛料、スパイス売り場も、スーパーマーケットだとこんなにおしゃれ。おみやげ用に適量づつラッピングされた香辛料のセット、台所につるしておくだけで、ちょっといい雰囲気を醸し出すってもんです。おすすめはバニラビーンズ。2-3本入ってお値段はなんと2万ルピア(約220円)ほんもののバニラビーンズの入ったケーキやプリン、スイーツ好きにはたまりません…


 娯楽スポットといえるものがいまだ乏しい村の生活では、スーパーマーケットは立派な庶民の娯楽スポット。土曜の夜に恋人どおし連れ立ってスーパーにやってきては、いろんな商品を見て楽しんで、最後にインスタントラーメン一袋だけ買って帰る、なんていうのも、ここでは立派なデートコース。もしくは日曜日、家族連れでやってくる。「いっこだけ5000ルピアまでなら、好きなもの買っていいよ」なんて言われて子供は目をこらしてお菓子売り場でお菓子を品定め。ね、ちょっとステキな、普段着のバリ人の生活が垣間見えるでしょ。あなたもバリに来たらスーパーマーケットに行ってみましょう!!


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2005年10月14日

バリ料理の基本スパイス、「ブンブ バリ」

 インドネシアといえば、「スパイスアイランド」。世界に名だたる香辛料の宝庫。
パサールの香辛料売り場を覗いてみることとしましょう。見るだけで強烈な香りがただよってきそう。にんにく、しょうが、唐辛子、それから日本では見た事もないような沢山の種類の香辛料。生姜にしても唐辛子にしてもとても沢山の種類があって、それぞれ微妙に味が違います。そしてバリの人たちはそれぞれをうまく組み合わせて摩訶不思議な味わい深い料理をつくりあげるのです。

 特にバリ人の食卓にけして欠かせないのがこの三種類。にんにく唐辛子赤玉ねぎ。バリ料理の味の決め手はこのみっつ。このみっつがなければどんな料理も始まらないの。だからバリのお母さんたちはこの三種類のスパイス、台所に切らすことはないのです。


味の決め手は、にんにくと唐辛子と赤玉ねぎ
 「にんにくと唐辛子と赤たまねぎ、3000ルピア分ちょうだいな」買い物はこんな感じ。日本だと100グラムちょうだいと言って、秤でそのぶん量ってもらうけどパサールでの買い物は「いくらぶんちょうだい」というのが基本。その方がお金を払う時簡単でしょ。細かいおつりを用意しなくてもすむし。パサールの香辛料売り場はたいてい他にも乾物や豆、油や米、調味料などを一緒に扱っています。で、よく目をこらすと片隅にこんなモノが…これはナンでしょう…黒い粒と白い粒となにやら乾燥した木の実のような黒いかたまり、そして紙に包まれたなにやら怪しげな包み。


 これはね、「ブンブ バリ」と言って、そのものズバリ、「バリのスパイス」これらのスパイスをにんにく、唐辛子そして赤玉ねぎの三種のスパイスと一緒に石臼でごりごりしてペーストにしたら、それがバリ料理の基本スパイス。あとは野菜を煮込んでもいいし、豚肉でも鶏肉でも、なんにでも応用できる基本ペーストの素なのね。紙の包みに入っているのは香り付け用のスパイス、これは料理の仕上がりに加えるのです。

 とはいえ…私達日本人がこれを買ってきて、バリの料理をつくろうとしても…手も足もでません。 
たとえば日本料理ならば、居酒屋で食べた創作料理、記憶をたよりに醤油やだしやみりんを調合して味を再現することも可能、かもしれない。けどね、わかりますか?ターメリックだの、キャンドルナッツだの、名前も知らない馴染みもない香辛料のあれこれ、どれを加えればどんな味になるのか、ちょっと味が足りないから、じゃあ何を加えればいいのか…私にはさっぱり。お手上げ。料理上手なお母さんがいちいちお醤油やみりんを計量スプーンやカップで計ったりしないように、ここでも料理上手なイブイブたちは(お母さんのことをインドネシア語でイブと言います。)目分量、ざっとひとつかみ、にんにくや赤玉ねぎや唐辛子、それに胡椒だの見た事もない植物の根っこ系を石臼ですりつぶして、料理の基本ペーストをつくっていきます。



 そんな地元のごはんが食べられるのが、実は朝の市場。厳密に言えばバリの人は朝ごはんを食べる習慣があまりありません。コーヒーを飲んでそのまま仕事に行く人も多いです。仕事が一段落した時間、ご飯を食べる。朝の市場はそんな、「朝ごはん」を食べに来る人たちでも賑わっているんです。ご飯とおかずのもりあわせ、おかゆ、それに南国らしく甘いお菓子を好む人もいます。料理上手なイブがつくる屋台のごはんはいつも人気。うーんアジアの風景ですね。ご飯が売り切れてしまったら、朝ごはんの屋台は店終いしてしまいます。もし市場でこんなふうに朝ごはんを食べてみたかったら、なるべく早く、できれば朝の8時前には市場を訪れるのがいいですね。バリ人に混じって市場で朝ごはん。ちょっとディープな旅になりそうな予感。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2005年10月06日

バリの「ガルンガン」

 10月5日の水曜日、バリは「ガルンガン」というバリヒンドゥーの祝日を迎えました。これは210日で廻るバリヒンドゥーの暦に従ってやって来る大事な日。祖先の霊が戻る日とされ、各家庭では特別のお供え物をつくり、お寺に詣でます。

ガルンガンが近くなると活気を増す市場
 
ガルンガンが近くなると市場は活気を増します。お供え物の材料やハレの日のご馳走作りのの材料を買い求める人たちでごったがえす朝の市場。若い椰子の葉は、お供え作りの必需品。ナイフで適当な大きさに切り、折りたたんだり切ったり、竹ひごのようなものでとめたりしながら、バリの女たちは魔法のように鮮やかなお供え物をつくっていきます。バリでは、ガルンガンに限らず毎日の生活の中で欠かせないお供え物作り。けれどガルンガンのような大きな祝日にはつくるお供えの数もハンパじゃありません。そしてこの、日々欠かせないお供えをつくるのはバリの女たちの仕事。というわけで女たちは大量にお供えの材料となる椰子の葉を買いこんでいきます。

 ガルンガン前日の火曜日(今回は10月4日)はプナンパハンと言います。ガルンガンの準備はこの日にクライマックスを迎えます。バリではハレの日の料理は男たちの担当。男たちは朝3時頃から起きだして、豚をつぶして解体し、ご馳走づくりをはじめます。ガルンガンのご馳走は「豚」と決まっているんです。ガルンガンの前には、だから豚が高く売れます。足を縛られて棒に結わいつけられた豚たちが、ぶひぶひ言ってるガルンガン前の市場。

 ガルンガンの10日あとにはクニンガンという祝日がやってきます。ガルンガンとクニンガンはセットの祝日で、この間は学校もお休みになり、街の中は日本の獅子舞にも似た、バロンという、こちらの聖なる獣の神様の行列が練り歩きます。で、クニンガン(今回のクニンガンは10月15日)の前にもガルンガンと同じお供え物、そしてご馳走をつくることになります。2週続けて豚を解体してご馳走をつくるオトコたち。結構エネルギーいりますよ。しかもそれが210日ごとにきちんとめぐって来るというのは…。365日じゃないのよ、210日なのよ。これって結構「あっ」という間なのです。


 というわけで、いつにも増して市場が、ローカル色満載、活気溢れるこの時期。お供え物の材料など、珍しいものも沢山あります。それからね、何度も言っちゃうけど、ガルンガンはバリ人にとって特別な大切な日。「昔はね、ガルンガンの時に新しい服を買ってもらってたから、それはそれはガルンガンが来るのが待ち遠しかったのよ」という年配の人たちもいます。今でも、たとえば自分の生まれ故郷を離れて、出稼ぎにきているような人たちは、ガルンガンの時には休みをもらって田舎に帰ります。そういう人たちが、故郷のお父さん、お母さん、兄弟姉妹たちにあげるおみやげを買いに来るのも村の市場。ガルンガンの前の市場は、いつもに増してとってもエネルギッシュに喧騒に包まれるのです。


めぐみ
96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し三人の子供と旦那の家族総勢13人で生活。ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2005年09月29日

バリではスーパーマーケットより、やっぱりパサール

 私がここに住むようになった8年前には、村にはスーパーマーケットなんて便利なものはありませんでした。これがどういうことを意味するか、わかりますか?

 たとえば「今日は鶏の唐揚げをつくろう」と思ったとします。そしたら少なくとも朝の8時までには市場の肉売り場へいかなければなりません。で、市場の肉売り場へ行ったら、カットされた「唐揚げ用」の鶏肉がパックにいれて並べられている…わけがなくて、そこには羽をむしられて横たわる一羽まるごとの鶏が並んでいるのです。それをおもむろに指さして「おばちゃん、これ、唐揚げ用に適当にぶった切ってくれる?」と言います。ほぼ原型をとどめた鶏のぶつ切りを持ち帰り、こわごわまだくっついている羽の残骸だのなんだのをきれいに洗って…と料理までの道のりは遠く、野菜を買っても泥がついているし、虫もついています。本当に下ごしらえが大変なのです。


 それに加えて、野菜にしろ肉にしろ生鮮食品を買うのなら、朝早く市場に行かなければいいものは手に入りません。肉売り場は太陽が昇る午前9時頃には店じまいしてしまいますし、野菜売り場もお昼には終わってしまいます。夕方まで営業しているのは観光客の買い物をあてにした果物屋や、みやげ物売り場のおばちゃんたちくらい。


 今から5年ほど前でしょうか。村はずれに大きなスーパーマーケットができて、そこは朝の8時半から夜の10時まで営業していて、お肉もお魚も冷蔵庫にしっかり並んでいて、野菜だって果物だってひとつづつ量り売りしてくれて、仕事が終わったあとに行っても普通にお買い物ができるようになったあの時は、ああ、なんて便利になったの!!といたく感激したのでした。けど村の人たちは、こんなに便利なスーパーマーケットができた今でも、やっぱり早起きして、パサールへ行く人が多いです。スーパーマーケットとパサール、どちらもそれぞれの役割があって、バリではしっかり共存しています。かく言う私も、便利なスーパーも勿論利用するけれど、「これだけはパサールでなくっちゃあ」って買い物もあるんです。

 次回も、この、バリのパサールについてお伝えいたします。


めぐみ
ダンサー、舞台制作の仕事を経て、渡バリ。ホテル勤務のかたわらバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営。


2005年09月20日

早起きしてバリ島の市場“パサール”へ行こう

  バリ島ウブド在住のめぐみです。ダンサー、舞台制作の仕事を経て、96年より渡バリ。バリ人画家と結婚し3人の子供と旦那の家族総勢13人で現在、ウブド、プネスタナンに住んでいます。 ホテル勤務のかたわらウブドにてバリの素材を使った日本家庭料理とバリのおいしい地酒を飲ませる小さなワルン(食堂)を経営しています。どうぞよろしくお願いいたします。

 神秘の島、神々の棲む島、地上最後の楽園、癒しのリゾートなどなど、バリ島に与えられたキャッチコピーは数多くあります。バリに暮らす人々にとって日々の生活に欠かせない、とっても身近な市場。旅行で訪れるだけではなかなか目にすることも難しい、ディープなバリを毎週いろいろご紹介していきたいと思っています。どうぞおつきあいください。

 それでは早速第一回目、バリ島の市場についてご案内しましょう。市場といえば、こちらに住んでいる人間にとって一番に思い浮かべるのは、スーパーマーケットじゃなくて、昔ながらのトラディショナルなマーケット、インドネシア語でパサール(pasar)といいます。

 私が住むウブドはバリ島の中でも内陸部に位置し、観光開発が進んだとはいえ、村の人たちの生活は今も昔とかわらず素朴なもの。お母さんたちの一日はまだ日が明けきらない朝、市場に買い物に行くことからはじまります。

 買ったものは篭にいれて、頭の上に軽々とのっけちゃいます。これ、とっても便利なんですよね。頭の上にのっけちゃえば両手があくし、混雑した市場の中でも大きな荷物が人にぶつかって迷惑かけるようなこともない…。けどよーく見てみると、頭の上にものをのせて買い物をしているのは年配女性が多いのに気がつきます。最近の若い奥様方は、買い物かご片手にお買い物。「頭の上にものをのっけて買い物するなんて昔のスタイル、今は流行らないし自分の奥さんがそれをやったらちょっと恥ずかしいな」そんなことを言うバリ人の男性もいます。少しづつ、習慣や日常も変わっていくのかな…  

(めぐみ)

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