友人たち


バーカリで出会う人々

 ヴェネツィアの居酒屋の楽しみはいろいろな人たちと出会えることです。もっとも最初は地元の人たちばかりが集まっているので、当然、敷居は高く感じました。でも、まずは最初の一軒を見つけてそこの常連のようになれば、他の店に行ったときに「おや、さっきあそこで飲んでたね」なんて会話で始まり、そこへまた彼の友人が来て、お互いに名前を言って紹介しあうのです。日本では篠です、松本ですと、苗字で自己紹介しますが、イタリアではジーノだよ、僕はジョルジョ、と名前で紹介し合います。その方がより親近感が沸きますね。だから僕も利幸を縮めてToshiだよ、よろしくね、と自己紹介します。いまではヴェネツィアを歩いているとあちこちでチャオ、トシ!と声を掛けられるくらいに友人が増えました。そんな友人たちの紹介で昨年はヴェネツィアで念願の写真展を開催することも出来たのです。ここに写っている男たち、中央で煙草に火を着けようとしているのが画家のフランコ。左で手にカメラを持っているのが写真家のカルロ。赤いセーターを来ているのはピエロで、元貴族の家柄とか。みんな役者のように絵になりますね。

 この店は“Al Diavolo e L'acquaSanta”(悪魔と聖水)という名前のオステリア(居酒屋)で、リアルト橋に近い”Calle della Madonna(マドンナ小路)”にあります。ここに行けばきっと彼らに出会えるでしょう。


ヴェネツィアのサン・フランチェスコ・デッラ・ヴィーニャ教会の近くにある酒屋、“Al Canton del Vin”で出会った人たち。開店祝いの日には教会の修道士さんもワインを飲んで酔っ払っていました。ここではボトルのワインの他にもダミジャーナと呼ばれる50リットル入りの大きなガラス瓶から、灯油を入れるのに使うようなポンプでお客が持ってきたボトルやペットボトルに量り売りのワインを入れます。1リットルで2ユーロ前後、それがイタリアで日常飲むワインの値段です。





昨年11月にヴェネツィアで開催した写真展(www.toshi-shino.com)のきっかけを作ってくれた飲み友達と詩人のおばあちゃん。会場になったサン・フランチェスコ・デッラ・ヴィーニャは「葡萄畑のサン・フランチェスコ」という意味で、教会の裏には一般には公開されない畑があって野菜や果実のほかにもワインを造る葡萄畑があります。僕の肩に手を掛けているのがブルーノでその隣の赤いスカーフをしているのがトニー。この二人がここで展覧会をやっているのを見て、僕もここでやりたいな、と言ったらその場で責任者に紹介してくれて、たまたま持っていたプリントのファイルを見せたら、即決で写真展が決まったのです。詩人のおばあちゃん、ルイーザは毎日のように写真展会場に来てくれました。

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コメント (4)

ito-ani:

写真のみなさんは豊かで楽しい人生を送っているのでしょうか、いい表情していますね。もっともそんな表情を引き出している篠さんの撮影は素晴しいと思います。それからヴェネツィアの居酒屋は見事に下町人情に溢れていますね。温かく旅人を迎えてくれる懐の深さに触れてみたくなりました。

僕酔しのちゃん:

お酒を楽しむ場所って世界共通だと思いますね。酒はほどほどに飲めば閉じた心を開いて、みんな本音で語り合えます。In Vino Veritaにはそんな意味もあるのかなと。イタリア取材から帰国したら横浜、野毛界隈を撮影散歩。案内役よろしくね。

Luciano:

本当にito-aniさんのお言葉通り写真の皆さんの表情はステキな表情ですね!そのステキな表情を写真に収める篠さんはさらに素晴しいです!やはり、人間に対する愛情がなければ取れないと思います。私もヴェネツィアの居酒屋さんで下町人情に触れてみたいです。もちろん、お酒はほどほどに・・・。ついつい気分がいいと杯を重ねてしまいますが・・・。篠さんイタリア取材のお土産話を楽しみにしております。

CHINです!:

ヴェネツィアに行く前に篠さんのブログをチェックすべきだった! と、後悔に苛まれている私です。でも篠さんのメールでお勧めいただいたDa Pintoは美味しかったです。そして人も温かい。篠さんの話をすると、にんまり笑ってご機嫌のようでした。美味しくすてきなお店をご紹介いただき、ありがとうございました!

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篠 利幸

1977年初渡欧、画家としてしばらく活動後、イタリアの写真を撮り始める。書籍、雑誌等で写真と文筆の両面で活動、「田園のイタリアへ!アグリトゥリズモの旅」(NTT出版)、「トスカーナの青い空」(東京書籍)など著書多数。 新ブログスタートしました→http://blogs.yahoo.co.jp/fotombra

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