居酒屋「アルマスカロン」


 ヴェネツィアの居酒屋でもっとも人気がある店と言えば、このAl Mascaron(アル・マスカロン)でしょう。サンタ・マリア・フォルモーザという教会の広場から細い路地を入っていくと右側にあります。店の名前の由来はその教会の鐘楼の下にあるレリーフで、異様な怪人のマスク〔面)があります。路地にもCalle lunga S.Maria Formosaと名前が付いています。その先を抜けると病院のあるサン・ジョヴァンイ・エ・パオロ教会があるので狭い路地ながら人通りも多いところです。この店が出来たのは70年代初めで、ジジとモミという共同経営者が始めました。ヴェネツィアでイギリス映画「007」の撮影が行われ、その時にジェームズ・ボンド役だったロジャー・ムーアがこの店を気に入り、毎日のように通ってきたそうです。そのせいでしょうか、僕がこの店に行き始めた90年頃にはすでに海外でも知られていて、夜などは外国の観光客でいっぱいでした。それは今でも代わらないのですが、ランチタイムには地元の常連が決まって座るテーブルがあったりして、地元に人たちからも愛されています。写真に写っている大きなボトルがダミジャーナと呼ばれ50リットル入りのワインボトルです。料理も美味しく、ヴェネツィアに数日滞在できる時には一度は必ずここで食べます。


アル・マスカロンで撮ったお気に入りの一枚。彼らはヴェローナからヴェネツィア観光に来たカップル。ヴェローナと言えば、シェークスピアの「ロミオとジュリエッタ」の物語の舞台になった町。ヴェネツィアで存分に逢瀬を楽しんでいるのでしょう。こうしたドラマッチックなシーンがしばしば見られるのもヴェネツィアの居酒屋の楽しさです。

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コメント (2)

きよちゃん:

何年か前に、アルマスカロンでトマトソースのニョッキを食べましたがとてもおいしかったです。その時は一人でそのお店に入ったけれど、ワインもおいしかったし、お店の雰囲気もお客さんやスタッフ達で賑わっていて、楽しかったです。絶対また行きたいお店の一軒です。

旅人しのちゃん:

”きよちゃん”、コメントをありがとうございます。アルマスカロンのシェフの腕はいいですね。ヴェネツィアは海の都市ですから、こんど行ったときには、ぜひ魚介のリゾットを味わって下さい。また、ここのイカ墨パスタも美味しいですよ。ワインの品揃えも質が高く魅力的ですよね。その並びにある、元姉妹店だったアッラ・マスカレータもお薦めです。是非、また行って下さい。東京にはバーカロを真似た店がありますが、似て非なるものです。バーカロはひとつの文化ですから、メニューや店内の見せ掛けの飾りなど真似ても駄目なんですね。お金儲けが目的になってその文化を愛する気持ちがないと何をやっても駄目なんですね。本物を追求しましょう、本場ヴェネツィアで。

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篠 利幸

1977年初渡欧、画家としてしばらく活動後、イタリアの写真を撮り始める。書籍、雑誌等で写真と文筆の両面で活動、「田園のイタリアへ!アグリトゥリズモの旅」(NTT出版)、「トスカーナの青い空」(東京書籍)など著書多数。 新ブログスタートしました→http://blogs.yahoo.co.jp/fotombra

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