イタリアの猫たち その1

 今日のカテゴリーは「歴史と見どころ」。しかし、猫のお話です。猫と犬は人間の歴史ととも歩んできたもっとも身近な動物で、愛玩用でもあり、また狩猟などの助手ともなり、そして猫はヴェネツィアなどでペストが蔓延した時代にはペスト菌をばら撒くネズミ退治の大役を仰せつかったわけです。そういう歴史を振り返れば猫もまた文化、というか猫が野生ではなく、たとえ野良であっても、いや野良として勝って気ままな生活ができる環境を人間が作れるところに文化があると言えるのではないかと思います。古代エジプトでは神の使者でもあったわけですし、ドラエモンはのび太君だけでなく、いまやイタリアの子供たちにとってもなくてはならない親友となっています。
 さて、この黒猫が4匹かっぽするところ、ヴェネツィア島から10Kmばかり離れたところにあるトルチェッロで撮影しました。トルチェッロは今日のヴェネツィアの源となった島で、およそ1000年前、古代ローマ、アルティーノの都市がありました。当時は人口が2万人、主に海からの塩を採る塩田の都市としてローマ人はこの島を領土にしていたのです。この島が最も栄えたのは6~10世紀前後で、7~11世紀に建てられたサンタ・マリア・アッスンタ教会やサンタ・フォスカ教会には当時のモザイク画が残されています。ところが、ペストならぬマラリアがこの都市に蔓延し、人びとは現在のヴェネツィア島に逃れ、以来、トルチェッロはほとんど見捨てられた島となったわけです。現在でもほんの少しの漁師や画家、そしてヘミングウェイの作品にも出てくるロカンダ・チプリアーニがある程度で、無人島のような静けさが漂っています。

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コメント (3)

venexiana:

トルチェッロは静かでいいですよねぇ。数人の観光客とすれ違うとき、思わず Boun Giorno ♪って言ってたこと思い出します。どこの教会だったか、、トレビの泉のようにコインが投げられてました。
皆、「また来たい!」 って思うんでしょうね。

野良猫しのちゃん:

日本人の旅行って、一度行ったらもういい。また、別のところに行きたいという人が多いようだけど、同じと頃を2度、3度と訪ねるとまた新たな発見がいくつもありますよね。特にイタリアはそういう魅力に溢れた国ですね。ヴェネツィアにはもう何十回行ったか忘れましたが、トルチェッロもまたいつでも再訪したいところですね。そして訪ねるたびに変わらない風情があるのがまたいいです。
「帰ってきたよ」そう心の中でつぶやくのです。そういう旅人の心の優しさが、野良猫たちにも安心感を与えているのでしょうね。こんなイタリアがずっと変わらずにあって欲しいし、東京だって、谷中のような町があります。訪れる度になぜかほっとする場所です。

MK:

いいですね!イタリアって!!!!!

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篠 利幸

1977年初渡欧、画家としてしばらく活動後、イタリアの写真を撮り始める。書籍、雑誌等で写真と文筆の両面で活動、「田園のイタリアへ!アグリトゥリズモの旅」(NTT出版)、「トスカーナの青い空」(東京書籍)など著書多数。 新ブログスタートしました→http://blogs.yahoo.co.jp/fotombra

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