歴史とみどころ ~フィレンツェのヴェッキオ橋~

 イタリア観光で最も人気が高い都市はフィレンツェでしょう。かのメディチ家が擁護した芸術家や文人のお陰で今ではルネサンス美術の宝庫として世界各国から観光客を集めています。人口40万人ほどの町を訪れる年間の観光客はその5倍くらいになるのではないでしょうか。町のランドマーク、シンボル的な存在の建造物としては[花の大聖堂]として知られる、サンタ・マリア・デル・フィオーレ、そしてフィレンツェの行政の中枢であるヴェッキオ宮殿やウッフッツィ美術ピッティ宮殿などがありますが、一番親しみやすいのはこのアルノ川に架かるヴェッキオ橋でしょう。
 この橋はフィレンツェの人たちも待ち合わせの場所にしたりします。かの、ダンテもベアトリーチェとこの橋のたもとで出会ったという伝説もあります。橋の中央には胸像があり、東京で言えば渋谷のハチ公同様に待ち合わせに丁度良いところです。この胸像はベンヴェヌート・チェッリーニという人物で、16世紀、フィレンツェで最も著名な金細工士でした。
この胸像が出来たのは1900年ですが、チェッリー二の時代、この橋には肉屋やなめし皮業などがあって、悪臭を放つゴミを川へ投げ捨てていました。1593年にトスカーナ大公のフェルディナンド1世がそれらを一掃し、代わりに金細工屋を置きました。それ以来橋の上にはたくさんの貴金属店が軒を並べています。
 晩秋のフィレンツェは雨が多く、煌びやかなイメージのフィレンツェの町も冬はちょっと重苦しい感じになります。しかし、ウッフィツィ美術館や大聖堂などを訪れゆっくりと美術鑑賞を楽しめるのは、観光客が少ないこの季節かもしれません。町には焼き栗の香ばしい香りが漂い、クリスマスも近づいて、空は曇っていても人びとの心の中は温かそうです。

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コメント (2)

ezuki:

いつもブログを読ませていただいていましたが、コメントさせていただくのは初めてですね。
確かに、この写真のように冬の空は重苦しい感じがしますね。
でも篠さんが書かれたように、クリスマスが近づくこの季節、特に夕方の街の明かりは
とても人の温かさを感じられるような気がして、私はとても好きです。
前回ご一緒したのは夏の南イタリアでしたね。
次回は是非クリスマス近くのイタリアを訪れてみたいと思います。

トナカイしのちゃん:

ezukiさん、ブログの初コメントをありがとうございます。夏のシチリア、ナポリの旅行、晴天に恵まれて楽しかったですねぇ。冬が一番似合うのはヴェネツィアですね。夕暮れの路地の奥にバーカロ、居酒屋の窓に明かりが灯る頃、12月に入ると人々は出会ったときには「チャオ!」といいますが別れるときには「ブオン・ナターレ!(いいクリスマスを)」と挨拶を交わします。今ごろのイタリアでは、ローマでも、ミラノでも、そしてフィレンツェでも挨拶は「ブオン・ナターレ」。次回は温かい冬の旅に出かけましょう。

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篠 利幸

1977年初渡欧、画家としてしばらく活動後、イタリアの写真を撮り始める。書籍、雑誌等で写真と文筆の両面で活動、「田園のイタリアへ!アグリトゥリズモの旅」(NTT出版)、「トスカーナの青い空」(東京書籍)など著書多数。 新ブログスタートしました→http://blogs.yahoo.co.jp/fotombra

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