歴史とみどころ ~イタリアのクリスマス~


 12月25日はクリスマス。カトリックの総本山、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂の広場には巨大なプレゼーピオともみの木が飾られ、街のかしこにクリスマス飾りが施されます。プレゼーピオはキリスト生誕の場面などを人形などで再現したもので、家庭の中にも飾ったりします。そして新年の1月6日のエピファニア(救世主の御公現)の日まで飾ります。クリスマスの日には、東方から来た3人の博士がそれぞれ贈り物を持参したという言い伝えにちなんで、家族はそれぞれプレゼントを贈り合うのですが、それを開けるのはこのエピファニアの日で、それまでは飾りつけたツリーの下に並べておきます。
 近年のイタリアのクリスマスにはサンタ・クロースが当たり前のように登場しますが、伝統的にはベファーナと呼ばれる魔女がやってきて、良い子にはプレゼントを悪い子には炭を贈るという風習がありました。絵本に出てくる箒を持った魔法使いのおばあさんみたいな格好をしています。ローマのナヴォナ広場などにはクリスマス飾りなどを売る屋台が並びますがベファーナの人形も売っています。また、山から炭焼き人たちが、下りてきて笛を吹きながら門付けをして歩いたりします。
ところで、イエス・キリストは実は12月25日生まれではないって、ご存知ですか?正確にはいつだか分っていなくて、紀元4世紀のユリウス一世が当時のローマ暦の冬至をキリスト生誕の日、イタリアでは誕生を意味するNatale(ナターレ)といいますが、冬至の日は農耕の神様、サトゥルヌスと祭りであり、また太陽が生まれた日とも言われているので、ユリウス一世はその民衆の古い信仰をキリスト教の重要な記念日として利用したわけです。
 イタリアではイブの24日からエピファニアまでクリスマス休暇になるようです。クリスマスは家族で祝うのが慣わしで、日本のようにあちこちのレストランでクリスマス・ディナーを楽しんでパーティということはないし、元日は店もどこも休みになるのでこの間にイタリア旅行する方は寂しい思いをしないように覚悟したほうがいいですね。

サン・ピエトロ大聖堂の広場に飾られたプレゼーピオ



ローマの街のクリスマス飾り。人々はクリスマス・プレゼントやディナーのための買い物に繰り出し、知り合いと出会い分かれるときにはブオン・ナターレ、よいクリスマスを!と挨拶をかわします。ディナーには七面鳥やカピトーネという大鰻のぶつ切りのから揚げを食べたりします。また、パネトーネというドライフルーツなどが入ったパンをスプマンテで食べたりします。僕もミラノの空港でTre Marie(3人のマリア)というブランドのパネトーネを買いました。11.5ユーロでしたがこれが日本に入ると4千円前後にはなるのでしょうね。



この写真はエミリア・ロマーニャ州の小さな教会で撮ったもので、クリスマスの時のものではありませんが、12月24日の夜はバチカンのサン・ピエトロ大聖堂などイタリア中の教会でこのようなミサが行われます。普段、あまり熱心な信者ではなくても、この日ばかりは教会に行く人も少なくありません。

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コメント (2)

ito-ani:

クリスマスにイタリアで大鰻ですか、想像もできませんでした。でも白ワインと合いそうですね。今日はまずいフライドチキンと旨い黒ビールでクリスマス気分を一人で多少味わいました。

トナカイしのちゃん:

まずいフライドチキン、食う寝る3ダース?でも旨い黒ビールがあればいいね。ベファーナの炭じゃなくてよかったよ。今夜はとびきり冷えそう。夜空の星を見上げながら、聖夜のお祈りをします。
イタリアでもクリスマスの日だけはみな善人になるそうだから・・・

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篠 利幸

1977年初渡欧、画家としてしばらく活動後、イタリアの写真を撮り始める。書籍、雑誌等で写真と文筆の両面で活動、「田園のイタリアへ!アグリトゥリズモの旅」(NTT出版)、「トスカーナの青い空」(東京書籍)など著書多数。 新ブログスタートしました→http://blogs.yahoo.co.jp/fotombra

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