歴史とみどころ ~バッサーノ・デル・グラッパ~

 世界一の生産量を誇るワイン王国であるイタリア、そのワインを造るために果汁を搾り取った後の葡萄の皮、いわゆる絞り粕を発酵させ蒸留するとグラッパが出来ます。バッサーノは正式名称をバッサーノ・デル・グラッパと言いますが、そのグラッパの生産地としても名高いヴェネト州にある町です。アルプスから水を集めアドリア海のヴェネツィア近郊の町、キオッジャに河口があるブレンタ川がバッサーノの町の真中を流れています。その川の上にはルネサンス時代の天才建築家、アンドレア・パッラーディオが設計した屋根のついた木造の橋、アルピーニ橋が架かっています。また、その橋のたもとには地元の老舗のグラッパ蒸留会社、ナルディーニが運営するバールがあります。
 バッサーノ・デル・グラッパはグラッパだけでなく陶器の町としても知られ、ストゥルム館には紀元前から現代までのさまざまな陶器が展示されています。また、市立美術館には地元出身のヤコポ・デル・バッサーノや優美なヴィーナス像で知られる18世紀の彫刻家、カノーヴァの作品などが観賞できます。アルピーニ橋は最初1569年に建造されましたが、その後は戦災などで4度も再建されています。屋根のある橋と言えば、映画にもなったアメリカの小説「マディソン郡の橋」を思い出しますが、この橋はその元祖ですね。橋は車も通れる幅があり、人々はこの橋で待ち合わせをしたり、川を眺めながらパニーニを食べたり、ちょっとした広場のような役目もあります。橋からは正面にグラッパ山が見えます。


アルピーニ橋のたもとにあるバルトロ・ナルディーニのバール。ブレンタ川に面した壁面にはナポレオン戦争時代の弾痕が生々しく残っている。ヘミングウェイもしばしばこのバールを訪れグラッパを味わったそうだが、彼の小説「川を渡って木立の中へ」にもこのバールは登場する。


ワインのための果汁が絞られた葡萄の皮の山。すでに発酵しはじめて発熱し湯気がたっている。アランビックと呼ばれる蒸留器の源はアラビア人が発明したもので、イタリアには中世に錬金術師がその製法を伝えた。蒸留器で生まれたばかりのグラッパのアルコール度数は80度以上。それを精製水で50度前後に割る。


ナルディーニのグラッパは中世以来の名前「アックア・ヴィーテ」がラベルに印刷されている。初代のバルトロ・ナルディーニによって1779年に創業した。ルタやチェードロなど薬草や果物を漬け込んだものもある。そもそもは薬草酒を作るためのアルコールでもあったのだ。

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コメント (10)

tera:

 イタリア旅行で高速道路を走っている時に、添乗員さんがクイズを出しました。
「日本の高速道路になくて、イタリアの高速道路にあるもの、なあに?」
当たった人には添乗員さんが飲み物をごちそうにしてくれることに・・・。
なんと当てずっぽうに答えた私が当たったんです。それは、chiesa(教会)だそうです。
 それで、グラッパをごちそうになりました。そのときのグラッパは、どの銘柄だったか、わかりませんけど。氷も一緒に頼んだら、スープ皿に山盛りの氷が出て来ました。びっくり・・・。向うの人も日本の女性がグラッパと氷をどうするのかなって気になったでしょうね。
 それがグラッパを飲んだ2回目、1回目は日本で練習に1杯飲みました。その後は一度も飲んでいません。

Grappaしのちゃん:

Teraさん、「日本の道路にはあって、イタリアの道路にはないものなあに?」っていうジョークもありますね。回答は「制限速度」。まあ、イタリアでもちゃんとありますけどね。ただ、酔っ払い運転となると、どうもね。ワインやグラッパを飲んでから車を運転する友人はいっぱいいますから。それにしても、本当に美味しいグラッパというのは、本当においしいワインと同じく希ですね。日本のレストランでも氷漬けみたいに冷やして出されることがありますが、常温で充分。グラッパは冷やさずに飲んだ方が味も香りもよいです。僕はカッフェに入れて、いわゆる「カフェ・コレット」が好きです。

aki:

イタリアの高速道路には教会があるのですね。知らなかった。
若い頃出張でFirenzeのメーカーの社長さんのベンツでMilanoからFirenzeへ送ってもらったことがあります。
80キロにしては早く感じるなーと思いきや、目をこらすとなんと180キロ。安定した車なので、まったく感じないし、ほかの車も相当飛ばしていたのでわからなかったのでしょう。その脇を、真っ赤なフェラーリが思いっきり抜かして行きましたし。(200キロ以上出していたにちがいない。)
ローマ人の作った道はひたすらまっすぐで、ヨーロッパでも、イギリスでも、すぐに分かるそうです。運転もしやすいときいています。(私は免許も持っていないもんで分からないのですが。)

今年は友人からクリスマスプレゼントでグラッパグラスを2ついただきました。うれしかったです。そのクリスマスパーティで我が家のグラッパはすべてあいてしまったので、これからいくつか違う種類のものの仕入れを考えます。

バッサーノ デル グラッパ ぜひ行ってみたいです。

グラッパしのちゃん:

Akiちゃん、コメントありがとう。こんどこれぞグラッパというものを賞味しましょう。クリスタルのように透明で、ふくよかな葡萄の香りの中に乾いた麦わらの香りも感じます。口当たりは滑らかで、ついついグラスがすすみますよ。ドイツのアウトバーンをフェラーリで飛ばした気分かも。
ところで、まっすぐの道は徒歩とか馬に乗る時代なら道の両サイドの風景を楽しみながら行けるのでいいけど、時速160キロとか200キロで飛ばしたら、なんかすぐに眠くなるね。イタリアでは昼下がりの高速での事故が多いのはドライブイン(イタリアではアウトグリル)でワインやビールを飲んで昼食を食べてから運転するからでしょう。

kazumi:

向こうの人は本当にお酒を飲みに車ででかけたりしますよね。
車でなければいけないような店もあるわけですが。
べろんべろんになるまで飲むようなこともないでしょうけど。
旅の指差し会話帳という海外旅行用の単語が絵つきで紹介されている本のシリーズがありますが、そのチェコ語のにはべろんべろんという単語が出ています。
海外旅行などで半端にその国の言葉を覚えようとすると、お酒と料理、食材に関する単語が一番最初に増えていきます。
グラッパはまだ経験不足だなあ。
食後に飲んでしゃきっとするので好きですが。

ってことで、お久しぶりです。
開設以来、ひっさひぶりーの書き込みをさせていただきました。

ベロンベロンしのちゃん:

Kazumiさん、ひっさしぶりーの書き込みありがとうございます。僕は半世紀ちょっとの人生で2回だけ、どうやって家に帰ったか記憶にないほどベロンベロンになったことがあります。19歳のまだ未成年の頃と20歳になりたての歳でしたが。その頃の二日酔いの辛さが身にしみて自分の限度以上は飲まないように気をつけているのですが、それでも時々、なんとか帰宅という日は年に数回ありますね。で、思い出すのが、ダ・ヴィンチの言葉。「酒は毎日少しづつ、何回も」です。グラッパなど強い酒を一気に飲むのがかっこよく見えたりしますが、体には悪いでしょう。ボトル1本のワインやグラッパが出来るまでの時間、その背景にある歴史、そしてワイナリーの人たちの努力、そんなことに思いを馳せながら、ゆっくりと味わって下さい。ワインは神が造り、グラッパは人が造る。ワインには真実が宿り、グラッパには喜びがある、とイタリアでは言われています。乾杯!

aoiumi-yoko:

はじめまして。
銀座のギャラリーで、ariちゃんと居たyokoです。
しのさんのブログを見ていると、とってもイタリアに行きたくなります。
私はまだグラッパ未体験ですが、画像を見る限りでは、とっても美味しそう。
甘口の白ワインを連想させますが、どんな味なのかな?

新宿のライブは残念ながら行けませんでしたが、また機会がありましたら。。。。
http://aoiumiyoko.exblog.jp/

グラッパしのちゃん:

aoiumi-yokoさん、葡萄の皮の山の写真のところで説明してますが、グラッパは焼酎やウイスキー、ブランデーと同じく蒸留酒です。ブランデーは木の樽に長い間貯蔵して熟成させるのでウイスキーのような琥珀色になりますが、通常のグラッパは透明です。透明なブランデーと思って下さい。ただ、グラッパには薬草や果物を漬けたり、ブランデーのように木樽で熟成させるとアンバー系の色になります。でも、基本は無色透明です。甘口の白ワインと思って飲んだらヤケドします。

Goose:

Buon Anno!
篠さんご無沙汰いたしております。
素敵な写真がいっぱいで楽しいブログですね。
私は何かとドタバタしておりまして久しぶりにブログを拝見しました。ごめんなさい。
お元気そうで何よりです。
 イタリアの高速道路にあって日本の高速道路にないもののひとつにサービスエリアのアルコール飲料販売もあるのでは!?サービスエリアにバールがあったような記憶があります。少なくともショップでは売っていました。
以前はサービスエリアでワインをよく飲みました。アルコール検問などという無粋なものはありませんでした。さすがに今はないのかもしれませんが
15年位前からETCも設置されていたし、イタリアは車は壊れるけど道路インフラは進んでいますね。
弊店も当初に帰ってイタリア料理をメインに戻りました。
グラッパ、ワイン結構面白いのも揃えています。
ぜひ一度お立ち寄りを・・・

グラッパしのちゃん:

Mr.Ferrariの Gooseさん、お久しぶりです。そうですね、イタリアのアウトストラーダでも飲酒はかなり多めでドライブインの食堂でもワインやビールを飲んでますね。だから、ミラノ~ヴェネツィア間の昼下がりは事故が多くて、霧の多い冬に136台の玉突き事故を目撃したことがあります。その時に乗っていた車のドライバーが、みんな昼にワインを飲んで2時過ぎぐらいに車に乗ると、酔いといっしょに眠くなるからこんな大事故が起るのさ、と言ってました。フランスでは電車の運転手がワインで酔って駅に突っ込んだ事故がありましたけどね。飛行機はまだかなぁ?みなさん、飲んだら最低でも2時間たってから運転するように!天国には急がなくてもいずれみんな行けますから。

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篠 利幸

1977年初渡欧、画家としてしばらく活動後、イタリアの写真を撮り始める。書籍、雑誌等で写真と文筆の両面で活動、「田園のイタリアへ!アグリトゥリズモの旅」(NTT出版)、「トスカーナの青い空」(東京書籍)など著書多数。 新ブログスタートしました→http://blogs.yahoo.co.jp/fotombra

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