アグリツーリズム 「サンタ・ヴィットリア」

 イタリアでもトップランクのオリーブオイルを生産するSanta Vittoria(サンタ・ヴィットリア)農園はアレッツォから南へ25KmほどのところにあるFoiano della Chianaにあります。オーナーは弁護士で仕事というよりも趣味みたいに楽しんでいるので、量よりも質と徹底しています。その甲斐合って毎年SOLなどいろいろなコンテストで賞をとっています。
オリーブのほかにワインも造っていますが、このワインも素晴らしいものばかりです。一昨年のヴィニタリー(毎年、ヴェローナで開催されるイタリアワインの博覧会)ではシチリア原産のネロ・ダヴォラを使って原産地顔負けのワインを作っていました。近年の地球温暖化でイギリスでも賞を取るようなおいしいワインが作られているそうですから、トスカーナでシチリア原産の葡萄が作られてもおかしくはありませんね。
 サンタ・ヴィットリアのアグリトゥリズモはキッチン付きの家を貸しているだけでレストラン設備などはありません。もちろん、自慢のオリーブオイルやワインは買えますから、のんびりとトスカーナの優雅な休日をエンジョイしたい方にはお薦めの宿です。それぞれ部屋によって壁の色彩やデザインが異なっていて、オーナーの一人娘マルタさんが運営を任されていますが、マルタさんのお母さんは趣味とは言えないほどの腕前の画家で、彼女が描いた絵が壁面や家具を彩っています。
 1泊の料金は4室あってベッド数によって70ユーロから135ユーロ、1週間単位なら400ユーロから900ユーロ前後で利用できます。フィレンツェに住んでいる日本人のパートナーがいるオーナーの友人が予約の代行をしてくれますので、問い合わせなども日本語で大丈夫です。
e-mail:italiabussan@libero.it(Andrea Battaglini)。直接コンタクトを取りたい方はhttp://www.fattoriasantavittoria.comサイトを見てください。

イタリアでもトップランクのオリーブオイル。オリーブオイルの品質の高さを示す目安となる総合酸度が0.10%以下という驚異的な数字です。殺虫剤など農薬を使用しないオリーブ園は標高300mの丘陵にあり、11月までに収穫され、48時間以内に搾油されます。非常に繊細でエレガントな味わいながら1,2年を経過しても風味が変わらないのは酸度が低いからこその高品質だからです。


サンタ・ヴィットリアのオリーブ。葡萄はあるていど寒さに強いが、オリーブの栄養源はとにかく太陽。1985年にトスカーナを襲った寒波でほぼ全滅した木を新たに植林し、現在は2400本が栽培されている。

サンタ・ヴィットリアが生産するワインの代表的存在、グレケット種で作られる白ワイン。その他の白ワインにはトレッビアーノ、マルヴァジアがあります。赤ワインにはサンジョヴェーゼ種、カベルネ・ソーヴィニョン種、メルロ種、ネロ・ダヴォラ種を使用した赤ワインがあり、いずれも秀逸です。

コメント (5)

takemi:

お久しぶりです。久々に、今年始めて書き込みをします。
篠さんのこのオリ-ブ畑の写真を見て、まだ数日ですが懐かしくなりました。
私は年末にスペインに旅行に行き、こ-んなオリ-ブとオレンジの木を毎日、たくさん
目にすることができました。冬なのにあんなに実が、なっているなんて・・・
イタリアがオリ-ブ収穫No.1かと思っていたのですが、小耳に挟んだ話ですが、
スペインのオリ-ブを持ち込んで、イタリアで生産をし、made in Italyにするというのは
本当の話ですか?確かにイタリアでもたくさん作られるんでしょうが、あんなに目の前に
オリ-ブの木を見るとどうなのかなと???オリ-ブもかなり大きい実でしたよっ!?
イタリアとスペインどちらが美味しいんですかね?
あとcavaも安くて美味しくて毎日、飲んでいました。

オリーブしのちゃん:

Takemiさん、それ本当です。貿易品の原産地証明は最終出港国名の表示なので、スペインやギリシア、チュニジアなどからイタリアに輸入されたオリーブオイルがそのまま瓶詰めされて、イタリアらしきラベルが貼られ「原産国・イタリア」と表示が付いて世界に輸出されます。made in Italyではうしろめたいのか、from Italiaとか宣伝しているのもありますが。イタリア国内で一番生産量が多いのはプーリアですね。トスカーナ産やウンブリア産は品質は高いけど量が少ないので、プーリア産と混ぜたりしているという話も聞いたことがあります。本当に美味しいオリーブオイルはボトル1本の値打ちがワインのブルネッロやバローロ、バルバレスコと同等ですから、ワインは一晩で飲んでしまうのに、オリーブオイルならもっと長く楽しめるわけで、それなら上等な本物を選びたいですね。スペインのオイルも生産者が誠意と愛情を込めていればイタリアに負けない美味しいものだと思います。発泡ワインのCAVAは僕も愛飲しています。千円前後でもほんとに美味しいので日常的には充分に楽しめますね。スペインとイタリアは兄弟のような国なのでEUの構造もあって、これからどんどん密接な関係になっていくでしょう。イタリアの野菜も今の季節はいろいろとスペインから輸入されています。カルチョーフィ(アーティチョーク)など。

オリーブしのちゃん:

食品の原産国の定義で追伸ですが、厳密には最終的な加工がどこで行われたかが重要です。インスタント・コーヒーのような場合は豆がブラジルやアフリカ、インドネシアだったりしますが、それらをブレンドして外国でフリーズドライ加工されてインスタントコーヒーとなったらその加工国が原産地になっていると思います。ココアもカカオはアフリカで採れたものでも加工がオランダであれば原産国表示はオランダになっていますね。スペイン産のオリーブオイルをイタリアに輸入してほとんど加工(加熱処理)とかもしないで輸出したら原産国がイタリアになるのは妙ですが。

オリーブの歴史も知りたい人から:

初歩的な質問で恥ずかしいのですが、オリーブはモロッコを旅行した時にも沢山見ました。すると、イタリア、スペイン、チュニジア、モロッコと地中海圏の国一帯でオリーブが育成されてるように思います。ワインの元の葡萄はグルジア(小アジア地方)やギリシアから、ローマ帝国の発展もあって、ヨーロッパ中に拡がったような感じがするのですが(この理解、合ってますか?)、オリーブも同じような発展の歴史があるのでしょうか?葡萄(ワイン)は、欧州各国の政治、戦争、貿易上の理由によって、あるときは、フランスのワインが発展したり、あるときはポルトガルのワインが発展したりとあるようですが(ハンガリーなどは、そのワイン(Tokaji)を外交の交渉材料にさえした)、オリーブにもそんな歴史があるでしょうか?ワインと違って希少性も奥の深さもないから、政治の材料にさえならなかったのかもしれませんが。。しのさんのMade from XXXの話ですが、大して加工してないのに、その国の原産としてしまう表示、こういうことは、近世に欧州諸国間で戦争があった時は、例えば敵国のワインを輸入してるというのは体裁が悪いので、第三国を経由させて、その第三国の原産にしてしまう、なんてことが日常茶版にあったんでしょうね。

オリーブしのちゃん:

オリーブもまた葡萄と同じく小アジア地方原産と言われていますね。やはり5千年とかそれ以上前とか。ただ、葡萄よりも寒さには弱いので、やはり温暖な地中海沿岸でよく育ったのです。スペインにはコロンブスがジェノヴァからスペインに渡ったように、ある程度大きな船による航海が可能になってから大量の苗木が植林されたようです。フランスやイギリス、ドイツ、オランダのような北では油分は動物性のラードとかヘッド、あるいはバターを使い、それほどオリーブがなくてはならないものではなかったので、ワインほどの価値を持たなかったと思います。原産地を第三国の原産にすることは政治的な理由はないと思います。生産コストと量だけの理由でしょう。それとイメージ的に、トスカーナとかラベルに書けばより売りやすいという商売上のトリックはあるでしょうね。特にブランドに弱く、本質を見抜く力がないと騙し易いですからね。ワインでもオリーブでもなんでも、基準となる上位の品質を勉強しておくと騙されにくくなるでしょう。オリーブも今ではオーストラリアとか南米でも作られていますし、気候さえあれば品質の良いものも期待できるでしょう。ただ、コスト追求だけですと大きな落とし穴があるかと思います。オリーブはギリシア時代から「生命の木」と言われ、聖書にもそう記されているそうです。ペルージャ大学の農学部がある、サン・ピエトロ教会の中にある薬草園にもオリーブの木が「生命の木」としてシンボリックに育てられていますが、寿命が長く、シチリアやプーリアには樹齢が千年前後の木がたくさんありますね。葡萄はせいぜい60年から80年、100年を越えた樹齢の葡萄はまだ見たことがありません。存在するならぜひ一度、100歳葡萄のワインを飲んでみたいですね。100年前のワインより魅力的です。

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篠 利幸

1977年初渡欧、画家としてしばらく活動後、イタリアの写真を撮り始める。書籍、雑誌等で写真と文筆の両面で活動、「田園のイタリアへ!アグリトゥリズモの旅」(NTT出版)、「トスカーナの青い空」(東京書籍)など著書多数。 新ブログスタートしました→http://blogs.yahoo.co.jp/fotombra

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