歴史とみどころ ~ペルージャの追憶~

 イタリアの中部にあるウンブリア州「イタリアの緑のハート」とも言われるように、森や緑の丘陵など田園風景はトスカーナと並び美しいところです。ローマからスポレート、スペッロ、アッシージ、ペルージャと列車の旅を続けると車窓からの風景はまさに絵のようで飽きることがありません。僕がイタリアに行こうと思った最初のきっかけは、そのペルージャを描いた石井柏亭という明治・大正時代に活躍した水彩画が描いた絵を見てからでした。
 ペルージャは近年ではサッカーの中田選手が最初に活躍したチームがあるところなので日本でも有名になりましたが、イタリアに興味を持ち、留学してイタリア語を勉強しようと思う人にとっては、外国人大学があることでも有名です。この町の歴史は古く、ローマ以前の先住民族、エトルリア人が大きな都市を築いていました。丘の上にある町のかしこにそのエトルリア人が築いた大きなアーチや城壁が残されています。この写真は石井画伯が描いたところを撮影したものですが、画伯の作品には「エトルリア」という題名が付けられていました。僕はこの「エトルリア」という言葉を聞くと郷愁のようなものを感じます。

ペルージャ大学の前にあるエトルスコ門を上がっていくチェーザレ通りから見える眺め。石井柏亭はこの下の階段から絵を描いていた。上の写真もこの階段からの撮影。

僕は85年まで画家を志していました。77年に初めてイタリアに行って、ペルージャの町を歩き、期待を裏切られない思いで、帰国後もこんな絵を書いていました。これは79年にペルージャの路地を描いたものです。

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コメント (10)

kinuko:

篠さん、ホントに画家を目指してたんですね!
初めて篠さんの描いた絵を見せてもらいました、上手すぎる!
絵も続けてればよかったのに、もったいない・・・。
私もイタリアの風景を描ければ、と憧れるけど、何せ才能が・・・。
もう少し、写真を上手く撮れるようにする方が早いかなぁ?
ご指導くださいませ!

お絵描きしのちゃん:

Kinukoさん、画家で食べる自信なかったなぁ・・・まあ、写真でも充分食えてるなんて言えないけどね。でも、不器用だから、ひとつのことをコツコツやるしかないし、所詮お金に縁がない運命を背負っているようなので、自分がやりたいことがやれればなんでもいいんです。もう少ししたら、イタリアを皮切りにあちこち放浪の旅に出るかもしれない。その時にはカメラではなくてスケッチブックかなぁ・・・でも、天才じゃないから、デッサンの練習を怠るともう駄目なもんですね。カメラはどんどん進化して押せば誰でもよく写せます。あとはセンスと続ける努力次第。センスがないひとというのはあまりいなくて、自分をどう見つけるかだよね。ちなみに、この絵は描写の練習です。石の質感、左の壁の窪みに映えている草とか、壁の光とかね。だから細かく描きました。

tera:

 ブログで篠さんの絵を見ることができると思っていなかったので、とても感激!今にも、人が歩いてきそうな路地ですね。私もこの景色の中に立っているような感じがします。評論家ならば、「赤いサインがこの絵に対する意気込みを表わしている。」っていうんでしょうね、きっと。
 1枚目の写真では、歩道橋みたいな道が気になります。東京の高速道路はこれを参考につくったのでしょうか?ちょっと似ています。いつかこの道を歩いてみたいと思います。
 子供のころによく通った路地が懐かしくて、大人になってずいぶんしてから写真を撮りにいったことがありました。大通りは変わっていても路地はあまり変わっていなくてほっとしましたが、それからまた年月が経ったので、どうなっているか一度見て来ようかと思います。

お絵描きしのちゃん:

teraさん、このサイン、ど~しようもなくヘッタクソです。かなり時間をかけて丁寧に描いたので、サインも懲りすぎて失敗。まだ、サインなんてそんなに入れることもなかった頃です。もう手元にはない絵ですが、さてどこでどうしていることやら。僕が生まれた滝野川も路地がいっぱいありました。
たまに行くとなんか道も町も小さく見えるのが不思議です。子供の頃はもっと道が広く感じたとか。今も走っている都電の荒川線沿いに母校の小学校があって、俳優の宍戸掟もOBです。近所には渋澤栄一の屋敷、少し歩くと古川庭園、六義園、家の裏手にはゲーテ記念館があります。渋澤邸の半分はもう移転しましましたがサン・フランチェスコ派の修道院があって、子供の頃の遊び場でした。僕のイタリアとの出会いはこの修道院からですね。

Kazumi:

篠さんの絵を見るのは二度目かなあ。
今も絵を描くことはあるのですか?
絵を描くときに、見える風景の中のいろんなものをじっくり見ているせいか、
より、心にその風景がきざまれますよね。
旅先で、写真を撮るときも、シャッターを押したことで、そのときの思いみたいなものまで写真に留まりますよね。
絵とか写真はそんなところがいいなっと思います。
篠さんの絵を見ながら、篠さんがこの絵を描いたときに、どんな気持ちを持っていたのかな、なんて思ったりしてみて。
篠さんがこうやってどんどん見せてくださる、写真や絵の篠さんの世界がわたしたちに心地よいのが、篠さんの魅力かもなー。
ありがとです。

お絵描きしのちゃん:

Kazumiさん、僕にとっては絵を描くのと文を書くのは心境としてよく似ていますね。まあ、スケッチのような早描きは写真みたいにスピーディにできるように思われるけど、やっぱり内面のイメージが見えないと描けないし、写真でも被写体に気づかないと思います。どちらも今、目の前にあるものを描いたり、撮ったりしているようで、実はこれまでの体験や思考の記憶を反映させているわけです。で、その行為の間からまた新しい発見、気づきがあるわけです。その繰り返しですか。現実を描きながら、描かれたものは実は夢の、あるいは無意識下の自分だったりね。絵も写真も鏡のようなものとも思います。見る人自身がそこに写ると。つまり出口を求めて手探りの過程・・・・・

ciao montalcino:

しのさんの絵画、素敵ですね。
ペルージャはまだ行ったことが無いのですが、路地と路地が繋がって
ニョキッと照明ランタンが飛び出ている・・・私はこんな感じが大好きです。
アッシジには行きましたが、ウンブリア州ということでちょっと似てるんでしょうか。
次回は是非ペルージャへ行ってみたいです。
しのさんブログ、素敵なので私のブログで紹介させていただいていいですか?
                                  ciao montalcino 

路地裏のしのちゃん:

montalcinoさん、Buona Sera!ウンブリアの山上都市は建物を築く石によってそれぞれカラーが違いますね。アッシージは明るいばら色、ペルージャは重みのあるグレーの固い感じ、グッピオは緑がかり、スペッロは明るいグレー、ベヴァーニャはベージュ・・・隣り合わせの町なのに個性がハッキリしていますね。そして坂あり迷路ありですから、何度同じ都市を訪れても飽きることがありません。地図も見ないで細い路地をあっちへいったりこっちへ行ったり、その間にいろいろなことを考えたり、迷子を楽しめる町です。まあ、イタリアはどこへ行ってもそんな迷路のような路地が魅力的なのですが・・・僕のブログ、ぜひmontalcinoさんのブログでも紹介して下さい。どうぞよろしく!

ヤマシタ:

篠さん、

最初、絵とは気づきませんでした。。。

構図、光と影のコントラスト共に「篠さん!」
っていう絵ですね。参りました。実物に
お目にかかりたいものですが、それも叶わない
のですね。

無いと言われると余計に見たくなるのが人情。
う~ん、何処かで誰かがこの絵で癒されている
のでしょうね。いいなぁ(^^。

路地裏のしのちゃん:

ヤマシタさん、この絵の大きさは15号のカンバスだから、A3サイズよりふた回り位大きいですかね。だから、写真に撮って小さく見せると、より緻密に見えますね。でも、僕はこういう路地とか光が好きなので、ヴェネツィアとかウンブリアやトスカーナの小さな村で、こういうシーンを見ると写真でも撮りたくなります。まあ、絵筆をカメラに持ち替えても心も伝えたいものも変わらないということですね。この絵もどこかで大事にされているといいけど。今度、行き先の秘密をそっとね。

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篠 利幸

1977年初渡欧、画家としてしばらく活動後、イタリアの写真を撮り始める。書籍、雑誌等で写真と文筆の両面で活動、「田園のイタリアへ!アグリトゥリズモの旅」(NTT出版)、「トスカーナの青い空」(東京書籍)など著書多数。 新ブログスタートしました→http://blogs.yahoo.co.jp/fotombra

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