アグリツーリズム 「サント・ステファノ」

 アカデミー賞を受賞したロベルト・ベニーニ監督、主演の映画「ビューティフル・ライフ(イタリア語題名、ラ・ヴィータ・エ・ベッラ)」の舞台ともなったアレッツォからほど近い町、カスティリオン・フォレンティーノ。この町にはベニーニも住んだことがあるそうだが、人口3千人ほどの丘の上の小邑ながら、この町の市庁舎前にはフィレンツェのウッフィツィ美術館やポンテ・ヴェッキオを通る回廊の設計者として知られるジョルジョ・ヴァザーリが設計したロッジャがある。
 その町を遠望する南の丘の斜面に、アグリトゥリズモのサント・ステファノの瀟洒な建物とそれを包むオリーブの林が茂っている。オリーブの木々の木陰には青や黄色に塗られた水蜂の巣箱が並び、母屋と離れの建物の周辺には充分に手入れをされたローズマリーやセージ、バジリコ、オレガノ、タイムなどのハーブが香りを放っている。その花々の蜜を求めてミツバチたちが飛び交っているが、サント・ステファノはオーガニックのハチミツやオリーブ・オイル、ワインなどを生産する農家である。
 農園の運営はアントニオと長男のミケーレの仕事で、奥さんのマリネッラはカスティリオン・フィオレンティーノの町中にウェディング・ドレスのアトリエを営業している。しかし、彼女の手料理の上手さは抜群で、基本的には自炊のアパートメント形式の宿だが、少人数で時間があれば、マリネッラの手料理を家族と一緒に味わうことができる。環境の素晴らしさと家族の温かなもてなしで、ここにしばらく滞在すれば、どれほど都会の仕事で疲れた人間でも日々の憂いは消えうせ、心身の健全を取り戻せるに違いない。

Agriturismo Santo Stefano
http://www.agriturismosantostefano.com
日本語代行:italiabussan@libero.it
住所:Loc.Pieve di Chio,78 - 52043 Castiglion Fiorentino (Arezzo)


ミツバチは日に60Kmから80Kmの距離を飛び、巣箱と花の蜜のあるところを往復する。寒さやちょっとした農薬でも死んでしまうとてもデリケートな昆虫だ。長男、ミケーレが最新の注意をはらって飼育するミツバチからは極上のオーガニックのハチミツを分けてもらえる。


サント・ステファノが造っているハチミツはおよそ20種類。定番のアカシアや百花、栗やアーモンド、エリカ、野ばら(ローザ・カニーナ)、ミルトなどの花の蜜のほか、百花などのハチミツに天然のオレンジや野イチゴ、へーゼルナッツのクリームをミックスしたものがある。ちなみに、僕の一番のお気に入りは野イチゴとローザ・カニーナ、そしてメラータと呼ばれる、木の樹液をミツバチが集めた貴重なもの。これらといろいろなチーズに合わせて楽しむのである。

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コメント (5)

筆者訂正:

冒頭の文中で「水蜂の巣箱」とありますが、蜜蜂のミスです。わざわざ黄色の文字になっているのにお恥ずかしいチェックミス、失礼致しました。ところで、蜜蜂ってとてもか弱い昆虫なんですね。寒さにも弱いし、ちょっとした農薬でも死んでしまいます。で、刺されると痛くて僕も実はこのアグリトゥリズモでこの巣箱の撮影の時に脳天を刺されましたが、刺した蜂もそれで死ぬのです。つまり命がけで生きているのですね。僕は蜜蜂さんを尊敬しています。毎朝、おいしい蜂蜜を頂きながら。この農園のハチミツを食べたいと思ったらitaliabussan@libero.itに問い合わせればOKです。

tera:

 1枚目のお部屋の2つのソファがいいですね。サント・ステファノにあるお部屋でしょうか?お揃いの生地にしてしまったら、こんな感じにならないでしょう。誰が選んだのか、部屋に合ったとても素敵な組み合わせと思います。この部屋にのんびりと泊まれたら・・・。
 Agriturismo Santo Stefano のサイトも見ました。景色も建物も明るくて色がきれい。いろいろなはちみつやジャムがあり、見ているだけで、甘い香りがしてくる気がしました。
   

Santo Tossini:

Teraさん、アグリトゥリズモにもいろいろあって、ちょっと観光目的過ぎるんじゃない、と思うほど、初めから金儲けがお目当てのところもありますが、基本的には農家なので、収入の半分以上、条例によってはちゃんと7割以上は農作物の生産をもって農家の主収入でなければならないと決められています。だから、ちゃんとやっているところは、豪華な内装や調度をそろえるゆとりなんてないのが実情です。そんなわけで、自分の家族が先祖代々大事に使ってきたものなどがそのまま提供されることが多いですね。だからこそ、ソファーやテーブルのひとつひとつにその家の人たちの愛情がこもって、宿泊客にも自然と寛げる部屋になるのですね。ぜひ、体験してみて下さい。

vinoeformaggio:

篠さん、こんにちは!!

9月に、10人くらいで南伊のパエストゥム・サレルノ付近~ソレント半島と中部ムジェッロ~パルマの8泊10日の旅行(主題はチーズ作りと現地のお料理)を計画中で、篠さんのHPに何かないかなぁ~と眺めていました。

先ほどこのカスティリオン・フィオリンティーノの記事にたどり着き読んでいたところ、
「・・・・。で、刺されると痛くて僕も実はこのアグリトゥリズモでこの巣箱の撮影の時に脳天を刺されましたが、・・・・・」のコメントを読みちょっと噴出してしまって(笑)、コメント入れてみました。

そうとう痛いのかしらん???

ところで「Gakutabi ITALIA」を購入しました。1週間後に届く予定です。
これは絶対オススメなんてところをまた教えてください!

教えていただいた「カンティーナMaffini」は今サイトを作り変えているようです。
ここは10人くらいでお邪魔しても大丈夫なところですか?

急いではいませんのでお時間あるときによかったら教えてください!
よろしくお願いいたします。

ミツバチしのちゃん:

vinoeformaggioさん、蜂の一刺しはとっても痛いです!って、まぁ、それほどでもなかったかな。最初はインフルエンザの予防注射程度。でも、1時間近く刺された脳天の直径5cmくらいに鈍痛が残りました。でも、アレルギーさえなければ大丈夫。ところで、9月のカンパニア、プーリアからパルマまでの旅行ですか?Gokutabiに紹介した絶対お薦めはソレント半島、アマルフィの先のチェターラのレストラン、モッツァレッラチーズの工房(お店でも極上のチーズがいろいろとありますが、水牛の乳から作ったモッツァレッラとは一味違うチーズもあります。)それから、Gokutabiではまだ取材していませんが、プーリアのチーズではなんと言ってもブッラータですね。今度、紹介します。


篠 利幸

1977年初渡欧、画家としてしばらく活動後、イタリアの写真を撮り始める。書籍、雑誌等で写真と文筆の両面で活動、「田園のイタリアへ!アグリトゥリズモの旅」(NTT出版)、「トスカーナの青い空」(東京書籍)など著書多数。 新ブログスタートしました→http://blogs.yahoo.co.jp/fotombra

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